COVID後遺症がある方、またはCOVID後遺症がある方をサポートすることは、簡単な事ではありません。特に、すぐに答えや解決策が見つからない場合、自分自身や大切な人をケアすることは、大変なことです。けれども、初めて、またはまだ良く分かっていない症状を経験したり、そのような症状がある人をケアしたりする時の負担を軽減するためのいくつかの方法が書かれた米国CDCの資料を日本の状況に合わせた日本語訳をご紹介します。
資料は下記ボタンからダウンロードが可能です。
この情報は、一般市民の方を対象としています。
COVID後遺症がある方、またはCOVID後遺症がある方をサポートすることは、簡単な事ではありません。特に、すぐに答えや解決策が見つからない場合、自分自身や大切な人をケアすることは、大変なことです。けれども、初めて、またはまだ良く分かっていない症状を経験したり、そのような症状がある人をケアしたりする時の負担を軽減するためのいくつかの方法をご紹介します。
子どもと青少年・少女
子どもや青少年・少女のCOVID後の症状は、大人と比べてあまり見られないと言われています。それでも、COVID-19感染後の長期的な影響は、小児や青年でも起こることが報告されています。子ども達は、自分が経験している問題を説明することが難しいことがあります。
もしあなたのお子さんが、COVID-19後遺症のような症状があり、学校に通うことや、学業に取り組んだりすることに影響が出ていたり、いままでのできていたことができなくなったような場合、こどものかかりつけ医療機関や学校と、話し合うことが、役立つ場合があります。相談をすることで、テスト時間を延長したり、1日を通しての休息時間の設定したり、授業スケジュールの変更するなどの対応について配慮をしてもらえるかもしれません。また、学校の責任者、スクールカウンセラー、養護教諭は、ご家族やかかりつけ医療機関と協力して、COVID-19後の症状、特に思考力、集中力、身体的な困難を抱えるお子さんのための、学習上のサポートを提供することができるかもしれません。また、学校外での活動についても、あなたの子どもに関わっている人と組織に相談をしてみてください。
自分の経験を理解する
長期にわたる症状への対処は、人それぞれであり、経験したことのない症状によるストレス、不安、見通しが立てにくいことに対処する方法もさまざまです。自分の状態を積極的に知ることが、現在進行中の症状に向き合うために役に立つと感じる人もいます。
他のCOVID後遺症の方の体験談を知る。
他の人のCOVID-19後の経験を知り、その人の経験が自分の経験とどこが似ているか、または異なっているかを考えるてみることは、あなたがひとりではないことを確認するのに役立つかもしれません。
COVID-19後遺症の症状を経験している人は、様々な対処方法が役立つと感じるかもしれません。もしあなたがCOVID後遺症を経験しているならば、あなたの心身の健康にとって最適な対処法を探してみましょう。
ストレスと上手に付き合う方法
専門家は、どのような種類の薬や治療がCOVID後遺症の影響を和らげるのに役立つかについて、まだ結論に至っていません。けれども、COVID後遺症に関連するストレスに対処する方法は確立されています。
ここでは、ストレスを管理し、対処するためにできることをいくつか紹介します。
- ソーシャルメディアを含め、ニュースを見たり、読んだり、聞いたりするのことから離れる時間を作ってみましょう。COVID-19について繰り返し聞くと、心が疲れてしまうことがあります。
- あなたの身体を大切にする
-深呼吸、ストレッチ、瞑想 、またはマインドフルネスをためしてみましょう。
– 健康的でバランスのとれた食事を心がけてみましょう。
– もしできるのであれば運動をしてみましょう。あなたの体からのサインに注意を傾けてみましょう。
– 十分な睡眠を心がけましょう。
– アルコールはできるだけ控えましょう。
- 自分がくつろげる時間を持ってみましょう。もし可能であれば、あなたの趣味など、自分の好きなことをしてみましょう。
- 他の人とつながりましょう。あなたが信頼できる人に、心配事や気持ちの変化を話してみましょう。
上記の内容で、日常生活、食事、活動レベル、薬の変更が必要な場合は、医療従事者に相談してください。
COVID-19後遺症がある方をサポートとする
コロナ後遺症の症状を経験することは、混乱やいらいらも経験し、長い期間に渡って体調が悪いと感じることは、孤立しているという気持ちを持つかもしれません。症状の体験は人それぞれであり、さまざまなサポートを望む人もいれば、まったくサポートを望まない人もいるでしょう。
あなたがコロナ後遺症の症状がある人にとってもっとも役に立つことを見つけるためには、まず、思いやりをもって話を聞き、その人が何を必要としているのかを聞くところから始めましょう。
1:思いやりをもって聞く
COVID後の症状は未知で長期にわたるため、ストレスを感じることがあります。その人の経験を理解するための手段を講じることで、孤立感を和らげることができるかもしれません。
良い関りの例
- 話を聞くときは、相手の気持ちを認める言葉をかけたり、相手が経験していることを認める言葉をかけます。
- 相手の体験を聞きながら思いやりのあるコミュニケーションをとるためのヒントは、CDCの「思いやりをもって聞くための提案」(https://www.cdc.gov/howrightnow/talk/listen-with-compassion/index.html 英語)をご覧ください。
2:理解を得るために会話を始める
サポートの内容は人によって異なります。その人がどのようなサポートを必要としているかを最もよく理解するために、まず、その人の経験について話したり質問したりすることから始めましょう。
良い関りの例
- このような会話の際は、「最近の調子はどう?」 といったオープンクエスチョンと呼ばれる質問から始めるとよいでしょう。ここから、あなたにできることを絞り込んでいきましょう。
- 時間をかけて相手の反応を思いやりをもって聞いた後、相手が何を必要としているのか、自分に何ができそうかを直接聞いてみましょう。
- CDCの意義のある会話を始めるためのヒントは(https://www.cdc.gov/howrightnow/talk/listen-with-compassion/index.html 英語)をご覧ください
3:相手が必要としていることに、自分がどう貢献できるかを考えます。
話を聞き、その人にとっての支援がどのようなものかを理解した上で、その支援における自分の役割を決めます。
- 頻繁に誰かに自分の経験を聞いてもらうことを望む人もいます。
- また、より身体的なサポート(家事や用事の手伝い)を必要な人もいます。
あなた自身が、相手が必要としていることに相手が期待する形でサポートできない時があるかもしれません。その時はできないことを認めることも大切です。あなたができることと、できないことを率直に伝えましょう。
伝え方の例
「食料品の買い物に行かないといけないけれど具合が良くなくて行けないから、手伝ってほしいということですね。私は車を持っていないのでお店に連れて行くことはできないのですが、私が使っている宅配サービスの情報をお伝えすることはできます。」
雇用者は、柔軟性のある休暇制度や勤務体系を提供することや、従業員支援プログラムを活用して、COVID-19後遺症の症状がある従業員をサポートすることができます。
もしあなたがケアをする方なら、あなた自身が健康的な生活を保つことや、あなた自身が様々なサポートを求めることが、COVID-19後遺症の症状がある人々を助けるための、重要なことがらであることを忘れないでください。
この資料は米国CDCのPreparing to Discuss Post-COVID Conditions with a Healthcare Provider(https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/long-term-effects/care-post-covid.html )を和訳・一部改変したものです。
アクセス日:2023年1月31日
作成者:岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学看護科学 原田奈穂子