災害のいろは学べます研修会報告

2018年4月1日にいろは会主催「災害のいろは学べます」研修会を開催いたしました。

<いろは会とは>

「いろは会」は宮崎市の医療福祉系の専門職が中心となり、「災害」をキーワードに集い繋がることで、災害時の地域力向上を目的としている自主的な勉強会です。

 現在のメンバー所属組織としては宮崎大学 精神看護分野・精神医学分野・救急災害医学講座・地域医療講座、宮崎県精神保健福祉士会、⻭科医師会、介護支援専門員協会、社会福祉法人芳生会、社会福祉士会などです。

■概要

 大人94人、こども24人が参加されました。今回のイベントはスタッフも研修を受けながら、参加者全員で災害対応能力を高めることを目的としました。そのため、どの内容でも参加者みんなが参画するあたたかい雰囲気の中で、研修が行われました。

 いろは会代表の後藤から挨拶といろは会の説明があり、イベントが始まりました。栄養士の甲斐から、災害時なぜパッククッキングが有用かの説明と作成メニューのごはん、カレー、スパゲッティ、鯖とトマトのソースのレシピの説明の後、実際に全員で作成しました。また、アルファ米のパックに野菜ジュースを入れてピラフにするアレンジも紹介され、実践しました。食品を扱う前には保健師の原田からの手洗いの重要性の説明と、噴霧式手指消毒剤の正しい使い方についてデモンストレーションを見ながら、全員で手指消毒を行いました。パッククッキングでは、袋が膨らんだり、お鍋に入れるタイミングがずれたりと小さなハプニングもある中で、楽しく、やけどなどもけがもなく作ることができました。

 加熱中の時間に、段ボールベットのある空間、毛布だけの空間、ラップポン、簡易テントによる着替えスペース、音の少ないアルミブランケットなど、あるとないとでは大きく違う、避難所での生活に関する体験をしました。また、新型の段ボールベッドはこどもでも作成できるため、子どもたちによる共同作成も行われました。

 みんなで作ったカレー、パスタ、ピラフを食べながら、宮崎市妹尾さんから福祉避難所とはどのようなものかについて説明があり、芳生苑施設長の坂口から、15年前の台風の時に芳生苑に周囲の住民の方や利用者の方が避難され、福祉避難所の役割を果たされた経験の話をみなさんに聞いていただきました。

その後は、災害時での口腔ケアについて後藤と雪印ビーンスターク株式会社の立和名早苗さんから説明があり、実際にお口の中をシートでふき取ってもらいました。見た目は体拭きシートのようですが、簡単に口の中をきれいにできることが実感できました。

 イベントの最後に、防災の日が何月何日か思い出してもらった後、約半年後の防災の日に参加者の皆さん自身がどのような防災への取り組みをするかをポストイットに書いてもらいました。多くの方が、防災グッツの点検や避難所の場所確認、そしてパッククッキングや非常食を食べてみると言った具体的な防災への取り組みを書かれていました。このポストイットは、会場を出る際に日本栄養士会災害支援チーム所有のJDA-DATカーとホワイトボードに貼られ、この研修に参加されたみなさんの成果物の1つになりました。

 今回は多くの企業が賛同して頂けたお陰で、非常食や口腔ケアグッツをイベントのお土産として参加された方にお持ち帰り頂けました。宮日新聞、UMK、NHKの3社が事前申し込みの元、当日取材され、UMKは当日夕方のニュースで、NHKは4月17日のおはよう日本で当日の様子やいろは会の取り組みを紹介頂きました。

■参加人数

大人 94人

こども 24人

■前日までの準備

□前日まで

 段ボールベッドやラップポン、多くの非常食サンプルを会場である芳生苑のご厚意で事前に搬入することができました。

□前日

 多くのイベントコンテンツが短時間に詰め込まれているイベントだったため、前日に何回も当日のフローを確認しながら物品の数や配置の変更を重ねました。

 関西方面、鹿児島からご協力頂いたみなさんと夜合流し、当日フローや留意事項のブリーフィングをして、宮崎スタッフと情報量の均質化を図りました。

■当日の様子

□準備

写真左:栄養士スタッフから他スタッフにパッククッキングのインストラクション

写真右:100人分の準備なので量もかなりのもの

写真左:避難所でいつも問題になるごみ処理の問題をこのイベントでも考えました

写真右:非常食と口腔ケアのお土産キットのパッキングも作業効率を考えて実施

□受付からイベント開始まで

写真:靴にかぶせるカバーをつかい避難所にほこりを持ちこまない衛生促進活動

□挨拶

写真:いろは会の思いと実践の紹介を踏まえた開会のあいさつ

□パッククッキング

料理の前に確実な手指消毒の実施をします

どうして災害時パッククッキングが大事なのかの説明を受けながら調理開始

写真左:空気を抜くものと抜かないものの区別があります

写真右:非常食のアレンジの仕方も教えてもらって早速実践

おとなとこどもで役割分担をしますが、みんなで作っていきます

□展示物の説明と体験

段ボールベッドのある空間と毛布だけの空間を、実際に寝てみて比較してみました

写真左:普段は神戸にあるJDA-DAT号が宮崎に上陸

写真右:今までのJDAの活動を知ってもらうためのパネル

写真左:災害時の口腔ケアをサポートする様々なグッツの紹介

写真右:災害時もできるだけいつも通りのトイレを使うため

□試食

カレーライス、パスタ、チキンライスができあがりました

「災害の時でも温かいもの、美味しいものが食べられるんだね」と驚きながら試食

□福祉避難所の説明

宮崎市から福祉避難所の説明

□芳生苑の経験

写真左:芳生苑の施設長から、以前この場が避難所になった時のお話がありました

写真右:災害時のリハビリテーション、生活支援の大切さのお話がありました

□口腔ケア体験

災害時、食べた後のお口をどうきれいにするのか?

□防災の日に取り組むこと

約半年後自分が災害のために何をするのか決意表明

その決意表明を名残の桜とともに散らしてみました

□最後に

最後に今回参加者にお配りした口腔ケアグッズの内容です。

この度協賛いただいた企業様のおかげで水がないときにも歯磨きできること、配布しました口腔ケアグッズを備蓄していただくことで、災害時の過ごし方、災害時に生活をしていく上で大切なことついてを学んでいただけ、改めてもしもの時の備えについて考えて学んでいただけるきっかけとなったのではないかと考えております。

■収支報告

負担者項目金額
 いろは会 鹿児島栄養士会スタッフの移動およびJDA-DAT号移動費用20,000
ごとう歯科イベント保険7,500
歯ブラシ6,000
宮崎大学リース機材100,440
食材17,599
消耗品30,183
段段箱ベッド49,594
231,316

会場の施設、駐車場、水・ガス・電気は芳生苑のご厚意により賄われました

■協賛企業

日本セイフティー株式会

JDA-DAT(日本栄養士会災害支援チーム)絆プロジェクト

雪印ビーンスターク株式会社

サンスター株式会社

カゴメ株式会社

アルファー食品株式会社、

トーアス株式会社

内外歯材株式会社

株式会社ヨシダ

株式会社ジージー

■後援団体

宮崎市

宮崎JRAT(大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会)

■共催団体

宮崎大学 精神看護領域・精神医学分野・救急災害医学講座・地域医療講座

宮崎県精神保健福祉士会

今回のいろは会の研修会を開催するにあたり協賛いただきました企業様、後援、協賛いただきました団体様に改めて感謝申し上げます。

この度は本当にありがとうございました。

本報告に関する質問は下記制作者にご連絡ください。

制作者:いろは会 後藤、原田、香田

問い合わせ先:いろは会代表世話人 

後藤大

〒880-0123       

 宮崎県宮崎市芳士708-1

ごとう歯科医院

E-mail :  dai-g(アットマーク)hotmail.co.jp