日本神経消化器病学会 理事長のご挨拶 佐藤信紘(順天堂大学名誉教授・学校法人順天堂理事)

皆さん、お腹が第二の脳(Second brain)と呼ばれるのをご存知ですか?脳(中枢神経系)が身体や心の働きの中心であることは言うまでもありませんが、お腹には脳に匹敵する神経細胞が存在し、脳と連携しながらお腹の働きを自律的に司っているのです。
お腹は食べ物を消化してエネルギー源にする働きと同時に、食べ物でない異物を認識して体外へ放出する免疫の働きを無意識のうちに行っています。また、必要量以上の食べ物を食べると摂食を止め、吸収・代謝・同化・異化まで調節します。お腹から脳へ、神経やペプチド因子という内分泌系を介して指令を出すのです。さらに、飢餓で摂食が減りますと脳からお腹へ指令が飛んだり、お腹から神経系や内分泌系を介して脳に作用して摂食中枢を刺激します。
 このようにお腹と脳が、神経系を中心として内分泌・免疫因子を介してやり取りするのを脳腸相関といい、脳へのストレスなど心理的因子はお腹に著しい影響を与えます。また、お腹の不調が脳の働きにも影響します。ストレスによる病気がお腹の症状を伴い、お腹の調子が悪いと元気が出ないのは、こういった理由によります。

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2009.4.1 日本Neurogastroenterology(神経消化器病)学会日本国際消化管運動研究会が統合して「日本神経消化器病学会」として新たに活動していくこととなりました。
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