小山 晃英

<略歴>

長野県出身(長野県長野高校卒)
岡山大学医学部保健学科を卒業後、信州大学大学院医学系研究科 循環病態学講座にて博士取得
日本多施設共同コーホート研究(J-MICC研究)を軸とした疫学研究と、行動科学を取り入れた社会実験に取り組んでいる

<専門分野>

・心血管代謝内分泌学
・社会医学

<受賞歴>
  • 高峰譲吉研究奨励賞Nature Medicine Vascular Medicine Award
  • 第83回日本内分泌学会学術総会: Young Investigator Award
  • 第35回日本高血圧学会総会:Young Investigator’s Award
  • 46回日本動脈硬化学会総会・学術総会:最優秀若手奨励賞
  • 15回日本心血管内分泌代謝学会学術総会: Young Investigator Award
  • 40回日本心脈管作動物質学会: Young Investigator’s Award
  • 17回日本血管生物医学会学術集会: Young Investigator Award
  • 日本基礎老化学会33回大会: 奨励賞
  • International Symposium on Cardiovascular Endocrinology and Metabolism Award 
  • 信州大学医学部学術特別賞 4年連続(2010-2013)

etc…

<主な研究活動について>
・疫学研究から考える日常の生活習慣と社会環境が及ぼす健康への影響

日々の生活は健康に大きく影響します。食事や運動、睡眠といった生活習慣も大事ですし、社会環境(家庭、学校、職場、交友関係)も健康に大きな影響を及ぼします。さらには時代背景も関係してきます。スマホは登場後、あっという間に普及し、私たちの日常生活に欠かせないものとなってきています。一方で、スマホに依存しすぎて健康を害してしまうことも報告されていますし、インターネット普及によるゲーム障害など新しい単語が、ここ数年で生まれています。そのため、その時々の社会環境も加味して我々の生活習慣を考えることは、健康を保持増進する上でも、病気の成り立ちを考える上でも大切なことです。これらの視点を持って、得られた知見を社会に還元できるように、わかりやすく社会的な意義のある研究を進めています。

-発表業績-
  • 緊急事態宣言中に在宅勤務を開始したデスクワーカーや営業職では座っている時間が2時間以上延長している人が3倍以上多い
  • 座っている時間が長いほど死亡率が増加する。その効果は、余暇時間の運動活動量を増やしても、完全に抑制されない
  • 座る時間を立つ時間や歩く時間に移行することが内臓脂肪蓄積予防のポイント!
  • コーヒーの摂取とメタボリックシンドローム、内臓脂肪肥満の関係
  • 日中の座っている時間が長いほど生活習慣病に関わる
  • BMI に代わる動脈硬化に関わる新しい体組成指標の報告
  • 夕食の孤食は、中学生の短時間睡眠と強く関係する -2016年 日本公衆衛生学会総会-
  • 中学生の生活リズムの破綻には、睡眠時間より就寝時刻が関連する -2017年日本公衆衛生学会総会-
・内分泌物質と循環器疾患

体内恒常性維持において中心となるのが、ペプチド性因子などからなる生体内生理活性分子です。臓器障害の病態把握には、ホメオスタシス維持のメカニズムの包括的な解析のため生理活性分子の変動を捉えることが不可欠であると考えます。大学院生時代から、国内で発見されたアドレノメデュリン(adrenomedullin:ADM)を始め、ANP、Copeptin、Irisinなどの内分泌物質の循環器疾患に対する影響を、基礎的検討から臨床まで、繋げて研究を進めています。

-関連論文-
  • Sci Rep. 2021 Jan 11;11(1):305.
  • Int J Environ Res Public Health. 2020 Jun 3;17(11):3968.
  • J Atheroscler Thromb. 2017 Dec 1;24(12):1267-1281.
  • Cardiovasc Res. 2016 Sep;111(4):398-409.
  • J Atheroscler Thromb. 2015 Jul 23;22(7):647-53.
  • Circulation. 2013 Feb 19;127(7):842-53.
  • J Clin Invest. 2008 Jan;118(1):29-39.
・社会医学から医療コミュニケーションを考える

新しい「何か」が生まれる時は、一見、交わりのない分野同士が融合することにより、生まれることが多々あります。研究も同様だと思います。
医療業界にも一般生活者にも、有益となるように、医療に産業界の視点を取り入れるための活動を進めるために、2018年に病院マーケティングサミットJAPANを創設しました。
2018年3月25日に病院マーケティングサミットJAPAN2018を開催し、産業界の方々の取り組みをご紹介いただきました。
2019年8月24日に、病院マーケティングサミットJAPAN2019を開催しました。病院内外のプロフェッショナルが集まるプログラムとなりました。
2020年12月1-5日にオンラインにて病院マーケティングサミットJAPAN2020を開催しました。「社会課題✖︎医療」をテーマに59セッション、登壇者181名と多岐に渡るプログラムとなりました。

-医療におけるSDGsの創出-

病院マーケティングサミットJAPANは、学会との合同企画も行なっています。学会合同企画は、ある診療領域における地域別診療科別の事例を共有し、学ぶことを目的としています。これは医療におけるSDGs: Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の創出に繋がると考えます。SDGsのゴールにもある、パートナーシップで目標を達成するために、協働していただける方を募集しています。
ぜひ医療におけるSDGsを考え、ともに作り上げましょう。