中野聡子先生の論文「Relationship between Locomotive Syndrome and Cortical Bone Thickness and Trabecular Bone Density in a Community-dwelling Postmenopausal Population.」がPhysical Therapy Researchに掲載されました

J-MICC京都研究からの報告です(Data from the J-MICC Kyoto Study ) 
Nakano S, Ozaki E, Nakano W, Kato M, Kurita Y, Takagi D, Matsui D, Takashima N.
Relationship between Locomotive Syndrome and Cortical Bone Thickness and Trabecular Bone Density in a Community-dwelling Postmenopausal Population. Physical Therapy Research in Press. https://doi.org/10.1298/ptr.25-E10368

J-MICC京都フィールドからの報告です。
常葉大学健康科学部静岡理学療法学科 講師の中野聡子先生(当教室の客員講師)の論文がPhysical Therapy Research(日本理学療法学会 英文誌)に掲載されました。

ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)は、運動器の障害により移動機能が低下した状態であり、フレイルや要介護の前段階と位置付けられています。これまでの報告では骨密度との関連が中心であり、骨の質(皮質骨厚)への影響については十分に検討されていません。そこで私たちは、閉経後女性におけるロコモと骨強度(骨密度および骨質)との関連を明らかにすることを目的としました。

 本研究では、J-MICC study 京都フィールドに参加した50歳以上の閉経後女性1,594名のデータを解析しました。ロコモは立ち上がりテスト、2ステップテスト、またはロコモ25のいずれかで判定しました。前腕(橈骨)の骨密度(海綿骨密度)および骨質(皮質骨厚)は、超音波骨密度測定装置(LD-100)を用いて測定しました。

 その結果、最終解析対象者1405名のうち、892名(63.5%)がロコモあり群に判定されました。ロコモあり群ではロコモなし群と比べ、骨密度だけでなく骨質も低値を示していました(海綿骨密度:β = -0.109、 p < .001,皮質骨厚:β = -0.076, p = .001)。この関連は、65歳未満・65歳以上のどちらにおいても認められました。

 以上より、閉経後女性においてロコモは骨密度および骨質の低下と関連し、骨折リスクが高まる集団と考えられました。特に65歳未満からこの関連が認められたことから、早期からのロコモ予防が骨折予防に寄与する可能性が示されました。

Nakano S et al. Relationship Between Locomotive Syndrome and Cortical Bone Thickness and Trabecular Bone Density in a Community-dwelling Postmenopausal Population. Physical Therapy Research 2025; 28(3).