大学院医学研究科 地域保健医療疫学
附属脳・血管系老化研究センター社会医学・人文科学部門
医学部保健・予防医学教室(公衆保健科学部門)

ようこそ、京都府立医科大学大学院医学研究科・地域保健医療疫学(附属脳・血管系老化研究センター社会医学・人文科学部門、医学部保健・予防医学教室(公衆保健科学部門))のホームページへ。

京都府立医科大学は1872年に設立されたわが国で有数の歴史を誇る公立大学です。現在の大学がある京都市上京区河原町通広小路上る梶井町に、1880年に移転しました。この歴史と伝統がある大学において私たちの教室では、国内外の研究者と連携して、京都府から世界に健康づくりのエビデンスの発信と成果の社会への還元を目標に、公衆衛生、疫学の教育・研究を通して社会貢献に取り組んでいます。
公衆衛生は人の集団を対象とし、集団の健康課題の解決に取り組む実践的な学問で、大学の研究室のなかだけで取り組めるものではありません。また公衆衛生の取り組みには科学的根拠(エビデンス)が必要であり、疫学は科学的根拠を明らかにする方法の一つと考えています。
当教室はこれまで京都府を中心とした地域・職域において、多くの府民の皆様、自治体、教育機関、企業などの善意のご協力のもとで、J-MICC研究などの疫学研究を行ってきました。これまで私がかかわってきた地域に密着した疫学研究である高島研究と合わせて、これらの貴重な研究を継続し、さらに発展させるとともに、ビッグデータなども活用し、京都府をはじめとして地域における公衆衛生のさらなる向上に資するエビデンスの発信に努めていきます。健康日本21(第三次)では初めて「自然に健康になれる環境づくり」の文言が入りましたが、エビデンスの発信のみならず、さまざまな機会を通して「住むだけで健康になれる街づくり」に貢献できればと考えております。

公衆衛生は、集団の健康課題を扱う学問ですので、その範囲は非常に広いです。私はその中で、循環器疾患の発症の実態を明らかにすること、循環器疾患を中心とした非感染性疾患(NCDs)の予防、健康寿命の延伸に関する疫学研究を通して健康課題の解決につながるエビデンス創出に取り組んできました。ここ京都は子供が多く若い世代が多い地域から高齢化の進む地域、長寿者が多い地域、大学がある古都京都、北部キャンパスがある海の京都、中部の森の京都、南部のお茶の京都と変化に富んだ地域です。それぞれの地域が抱える健康課題も多様です。これらの健康課題の解決には多様なバックグラウンドを持った研究者が集まり、専門性を生かして、地域の特性を理解して、多面的な視点で健康課題に解決に取り組む必要があると考えています。

大学の研究室から飛び出して、地域に足を運び、地域の人々とともに地域の健康課題を解決していこうという思いが少しでもあれば、ぜひ私たちの教室にいらしてください。私たちがこれまで取り組んで来たテーマに限らず、新たな視点から、一緒に京都府の健康課題の解決に取り組むとともに、京都から全世界に向けてエビデンスを一緒に発信してきましょう。そういった取り組みの結果として、住むだけで健康になれる海の京都、山の京都、古都京都、お茶の京都にむけて少しでも貢献できればと考えています。

地域保健医療疫学 教授 高嶋直敬