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1.京都は京北町のゼミナールハウスなるところに行くため、密かに「京北 町安楽死ツアー」とも称されていた今年の倫理学学研究室の夏合宿。第一日目 は、もちろん皆が集合するところから始まる。集合場所はJR京都駅のJRバス停 留所。集合時間は朝9時30分と割と遅め。天気は快晴。ハレルヤ。
こだまが迷いに迷って待ち合わせ場所に着くと、すでにほとんどの人が集 まっている。今回参加する人数は遅れてくる人を合わせると総勢25名になる。 倫理学研究室もすでに大所帯である。
某教授は去年と同様、Tシャツを着てバックパックを背負っている。非常に カジュアルで、年を感じさせない。某助教授も去年と同様、黒のサングラスを かけて登場、一部の学生に三顧の礼(?)を持って迎えられる。これで葉巻など を吸っていれば、彼が京都大学で助教授をしているなどと誰が信じようか。
今回の合宿の幹事はM2のす○きさんである。○ずきさんが団体割引きで買 われたチケットを配布し、皆は10時に来たバスに乗る。しかし愚かなわれわれ は順番待ちのために並ばずにいたため、しばらく満員のバスの中で立つことに なる。ひーん。
2.さて、われわれを乗せたバスは京都市を北西から抜け、山道(周山街道) の中を突っ切る。道が曲がりくねっているため、バスが揺れるたびにひ弱なこ だまは倒れそうになる。特に下り坂は非常に恐い。小心者のこだまは、いつバ スが転倒してみんな死ぬかとドキドキハラハラの連続である。
こだま「今このバスが谷に転落したら、京大の倫理学の教授と助教授のポ ストが一気に二つも空きますね。オーバードクター問題も多少軽減されるし (バスには3級も乗っている)」
某氏「いや、それやったら日本倫理学会に爆弾仕掛けた方がええやろ」
などとブラックユ−モアを飛ばしていると、バスはついに京北町に入る。 山の中の盆地にある町なのだが、かなり大きい。きれいな川(弓削川)が流れて いて、アユ釣りをしている人がちらほら見える。観光客が泳いでいたりもする。
こだま「あ、ほら、あの店もアユ売ってますね、アユ弁当。アユ丼。アユ 雑炊。アユラーメン。アユプリン。アユデココ。フローズンアユ。アユ有り ます。アユ宅配」
某氏「え、どこどこ?あ、ほんまや、アユ丼か、すごいな。どっかに安楽死 弁当とかないんか。筋弛緩剤まんじゅうとか」
こだま「しーっ。あんまり大きい声で言うとやばいですよ。ほら、いたる ところに看板があるじゃないですか。『山中先生を支援しましょう』って。やっ ぱりあの院長ここではかなりの名士なんですよ」
某氏「もう遅いもう遅い。なにしろうちの某教授は朝日新聞に写真入りで 安楽死問題を論じとったからなぁ。たぶんこの町の回覧板かなんかに『この人 物を見たら警察に知らせてください』とか書いてあんねんで。だからもう今ご ろ町の連中、包丁研いで待っとるわ。ぎゃはははは」
こだま「環境倫理で良かったですね。生命倫理じゃなくって」
と一部の人間が神をも恐れぬ冗談を言っている間に、バスは平和な町をほ ぼ縦断し、京北病院の真上にあるゼミナールハウスに到着した。思えばこの時、 われわれは何かただならぬ雰囲気に気づいてすぐに引き返すべきだったのだ (ウソ)。
と、こういう調子で書くと小説が一本書けるほどの量になってしまうので、これ以降は適宜省略しつつ書く。次へ