「金を追うな、仕事を追え。お金は後からついてくる。金を追いかけるから、逃げる」
---岡野雅行、岡野工業代表社員
`Only tough measures and harsh means can be used with these people. They don't understand any other language.'
-- Vladimir Putin
`Moscow vows `harsh' revenge against Chechen bombers',
The Independent, 26/Mar/2001.
本日は学部生の卒業式。卒業式自体はみやこメッセで行われたようだが、わた
しは以文会主催の祝賀会に少し出て、そのあとの教室の祝賀会に夕方まで出席
しただけ。卒業して実社会に出ていく学生および入院する学生の前途が
多難であることを幸多いものであることを心より願っており
ます。
昨晩は某映画を途中まで見てから寝る。定時起床。ゴミ出し、髭剃り、朝食、 朝刊。午前中は娘の健康診断のために診療所に連れていく作業。ついでにクリー ニングの回収など。回覧板を隣の家の方に渡す。
お昼に百万遍へ。カレー。それから某祝賀会に出席。その後某相談一件はさん で、某先生の部屋で祝賀会の続き。おいしいワインを飲みすぎて酔っぱらう。
夜、週アスの増刊号を買ってから帰宅。夕食。食器を洗い、娘の世話をしてか ら風呂。
夜中、娘の寝かしつけ。真夜中まで。某妻と二人で毎晩寝かしつけをやってい るわけだが、この時間が省略できれば某翻訳でもできるのだが。もう少し早く 眠らせる方法はないものか。睡眠薬でも飲ませるか。
少し遅めに起床。朝食、シャワー、ラッセル。
お昼すぎにホテルを出て、近くで見つけた居酒屋で昼食。うまい。それからス タバでしばらくラッセルしてからホテルの部屋に戻り、さらにラッセル。
夕方、御所のそばの某ホテルで明日の打ち合わせ。知らない外国人といると疲 労するので、夕食は遠慮する。
夜、ホテルの側の喫茶店でしばらくラッセルしたあと、某氏とおでん屋で夕食。 歓談。そのあと、ホテルのバーに移動してさらに歓談。道徳的批難について話 していた気が。
真夜中、帰宅してから再びラッセル。深夜遅くまでかかってようやくハンドア ウトを作ったので、とりあえず発送。明日は通訳なのでもう寝ないとまずい。
昨晩は『銀河鉄道の夜』の続きを最後まで観てから寝た。 淡々としていて味わいがあり、とくにカンパネルラの死を予感させる不気味な 感じがよい。ただ、 最後のあたりでジョバンニが大声で叫ぶところがやや興醒めだった。 最後の方は原作により忠実にした方が、もう少し味わい深くできたと思うのだが。 C。
少し遅めに起きて、シリアル、朝刊。それから二階の勉強部屋で雑用と読書。
遅めにお昼を食べたあと、少し寝て、それから夕方に某妻と一緒に 巣鴨に買い物に行く。風が強くまだ寒いが、桜や桃がぼつぼつ咲き始めている。
夕方、また読書。
夜、夕食をとったあと、しばらく逃避行動など。 夜中から明日の研究会の準備。もっと早くやっておくべきだったと後悔。
眠いので、とりあえずもう少ししたら寝よう。
定時起床(少し遅め)。シャワー、朝食。
定時出勤(少し遅刻)。午前中は雑用。
お昼すぎ、某先生と某相談。 中間管理職としてちゃんと働かないといけない。
昼下がりも雑用。捗らず。
夕方、某妻と一緒に日吉に移動し、某学会に懇親会から参加。 歓談。
日吉で二次会。歓談。しかし、この学会に来ると、 みんな賢い人ばかりなので、勉強せんといかんと思うな。 と思いつつ、酔っぱらって寝るわけだが…。
地下鉄を乗り継いで日付が変わる前に帰宅。
今日は0.6LTLDぐらい。
朝、ゴミを出してから二度寝。少し遅く起きる。シャワー、朝食。
定時出勤(少し遅目)。研究室に行く前に某安田講堂の枝垂れ桜を見に行ったが、 まだ三分咲き程度だった。
午前中は某院生の指導。お昼は弁当。
午後は某勉強。進まず。 まだ書ける気がしないんだよな…。 夕方、少し寝袋。
夜、ちょっと某作業をしたあと、病院の某送別会に出席。酒は飲まず。
夜中、某氏と途中まで一緒に帰宅。帰ってから夕食、朝刊と夕刊。 もう寝る時間だ…。
真夜中、ネット上で入手できる某議事録をワードに落としてみたり。 みんな議事録って、どうやって読んでるんだろう。
今日のこと。
少し寝坊。新聞を切り抜いたりしていると、遅刻。もう大学に行かねば。
定時出勤(少し遅刻)。午前中、某氏と終末期医療の相談などをしながら昼食(蕎麦)。 某氏を上野駅まで見送りがてら、上野公園を抜け、東京芸大のあたりを通って 自転車で戻ってくる。すっかり春。
昼下がり、某氏が契約書と著者用の本を持って来訪。
明日発売されるようだ。ついでにいろいろ相談。
そのあと、精神的に疲れたのかしばらく動けず。 最近、運動をするよりも気を使う方がずっと疲れる。 体だけでなく「気」も鍛えなければ。
夕方、某先生による授業のシラバスを考えたり、 某案件の対応策を相談したり、 遅目の昼食(お弁当)を食べたりしていると、プールに行きそびれる。
夜、帰宅すると、某妻の弟さんが訪ねてきていたので、 三人で夕食を食べながら歓談。
某氏から立派なワインセラーをいただく。感謝。
そのあと、昨晩同様、某礼状を書くのを手伝ったり、 新聞を読んだり。一日はあっという間に終わってしまう。
夜中、二階の勉強部屋で新聞を読んでいるときに、 左の肩甲骨のあたりの筋を違えたようで、 左腕を上げるとかなりの痛みが生じるようになってしまった。 う〜ん、もう若くない。明日の朝からラジオ体操をするようにしよう(ウソ)。
風呂。
起きる。早く行かないと遅刻する。
お昼前、無事に新幹線に乗り、お昼過ぎに京都へ。 気温がちょうど散歩によさそうだったので、 ついつい今出川ではなく丸太町で地下鉄を降り、少し散歩。 梅と空が美しい御所を抜け、荒神橋を渡り、某大学へ。
[体育会フェンシング部 ボクと突き合ってみませんか]
某大学は立看がおもしろい。
本郷はこれがないのでちょっと寂しい。
大学に行くと米国に移住された某先輩と名古屋の某氏がすでに来ていた。 三人で連れ立ってちょっと早目に最終講義の会場に行くと、 後から続々と懐しい顔ぶれが。 かつてODと呼ばれていた先輩方も、今はみな偉い先生…。
それはともかく、 某教授の新著『空間の謎・時間の謎』 (会場入口で無料配布していたのをありがたくいただいた)に基づいた 約1時間半の講義を、真剣に聴講した。 芸術の域に達するというのはああいうのを言うんだろう。 周到な準備、堂々とした話しっぷり、 難しいことをわかりやすく話せるための理解の深さ、そしてユーモア。 あと30年、あの高みを目指して精進することにしよう。
パーティにも出席する。 いろいろ偉い先生がスピーチをしていたが、 某先輩のスピーチと、某教授自身のスピーチが一番感動した。 ビールと赤ワインを飲んで酔っぱらう。
二次会に少しだけ顔を出し、急いで京都駅に戻り、新幹線で東京へ。 行き帰りの車内ではよく寝たが、少し某修士論文も読み、大いに刺激を受ける。
今日のニュース
お昼前までよく寝る。ロンドンに行ったときより、 日本に戻ってきた方が時差ぼけが楽なようだ。
旅行中のことについていくつかメモ。
まず、帰りの機内で見た映画。
あと、機内で古いガーディアン・ウィークリーを読んでいたら、 宗教的寛容を市場開放に擬えている表現に出会い、目からウロコが落ちた。 カトリックあるいはキリスト教以外は認めないというのは、 宗教における市場の「独占」であり、寛容は独占禁止法と考えることができる。 市場による活性化で現代の宗教は多様化し、 (とくに米国で?)より魅力的な「商品」も次々にでてきた。 考えてみれば、仏教やキリスト教が出てきたときも、 宗教の自由市場がある程度あったわけで、 そういう状況において優れた宗教が生まれてくるのかもしれない。 …なんてことを考えた。
今回は半分休暇で英国に行ったわけだが、 映画(とくにI, Robot)や新聞や友人との会話から いろいろ学ぶことがあった。 これを糧に、月曜日からは気分を一新してまたがんばろう。
雑用。今日は新聞の切り抜きその他をする予定。ジムにも行きたいのだが、 今日はやめて、月曜から泳ぐつもり。
ラーメン。うまい。
そういえば、イギリスにいるときはやたらと塩辛いものが食べたくなり、 ウォーカーズのポテトチップス(ソルト&ビネガー)を買って食べていた。 (そういえば、 なぜかソルト&ビネガーって、6袋入のものが売っていない。 あまり食べすぎると危険だからだろうか)
あと、これもロンドンにいたときに気付いたことだが、 サルトルの実存主義は人間に関する「事実」から 規範的言明を導き出すことはできない(われわれは常に選択できる) ということを言っているのであり、 また「私をアンガジェすると同時に人類全体をアンガジェする」 というのは、カントやヘアの普遍化可能性のことを言っているわけだ。 今までこの解釈に辿りつけなかったが、ようやくミル、サルトル、 ヘアのあたりを統一的に理解できるようになってきた (というのは錯覚かもしれないが)。
あれ、上のサルトルの話はヘアがFreedom and Reasonsで やってるのか。あいかわらず先行研究の調査が不十分だな。でもまあ、 自分でそこに辿りついたことは評価しておこう。
新聞の切り抜きなどをしているとすっかり遅くなる。 帰宅してゆっくり本でも読もう。
近々DVDレコーダーを買おうと思っているので、 夜、本屋に寄ってデジタル機器の雑誌を購入。 どうも立ち読みは苦手だ。そのあと、もんじゃ焼を食べる。 味の素が入っていたせいか、食べすぎたせいか、気分が悪くなる。
帰宅してから雑用。
そういえば、UCLの近くのウォーターストーンズで見つけたのだが、 哲学者のHarry FrankfurtがOn Bullshitという本を書いたようだ。 気になったが時間がなかったのでよく読まなかった。
メモ。自由について。他人に介入されないこと(消極的自由)。 なぜそうあるべきか。個性が伸ばせるから(ミル)。 人生の実験ができるから(ミル)。 人間は自分で目的を設定できる理性的存在であり、 他人の手段として使われることは、 人格を否定されることに他ならないから(カント)。 他人に介入されようがされましが、人間は根源的に自由(サルトル)。 自由だから何をしてもよいのか。 そんなことはない、自分のアンガジュマンは人類全体のアンガジュマンだ(サルトル)。 普遍化可能性(カント、ヘア)。 他人に危害を加えないかぎり、何をしても他人から干渉されるべきではない(ミル)。 個性を伸ばすべき?(ミル)
あれ、今気付いたが、動物を虐待してはいけない理由として、 「動物を虐待する人間は、人間に対しても冷酷になるから」 という間接的義務(カント、アクィナス)が言われることがあるが、 これが理由として通用するなら、 同じ理由で机やドアだけでなく、 インベーダーゲームのインベーダーについても言えることになるな。 とすると、インベーダーゲームでインベーダーを撃ってはならず、 よけないといけないのか。 それとも「インベーダーを撃たない人間は、 (正当な)戦争において勇敢になれない」という理由から、 激しく撃つべきなのか。それとも、 「インベーダーゲームでインベーダーを撃つ人間が、他人に対して冷酷になる という実証的証拠を見せてみろ」と反論すべきなのか。蚊やハエはどうか。
起きてシャワー。
何度も同じことを書いているが、もう一度メモ。 「生命倫理学」というと倫理学者専用のプレイグラウンドのように聞こえるが、 けっして倫理学者一人の学問領域ではなく、学際的な学問領域であること。 そこでの倫理学者の仕事は、 もちろん医学や社会学など他領域の知識を身につけるということも重要だが、 もっとも重要なのは、「倫理学者としての貢献」であること。 同様に、国際的な研究において日本人研究者が求められているのは、 「日本人としての貢献」であること。 上の二つの意味でコスモポリタンな研究者を目指すのは重要だが、 自分のルーツを自覚する必要があること。
朝、姉のスタジオを覗いたあと、ワールドトレードセンター跡(Ground Zero) を見学に行く。何か聖地でも見るような感じで、人がたくさん集まっていた。
それから東に歩き、ブルックリン橋を途中まで歩いて行き、 写真を撮る。 つかれたので姉のスタジオに戻り、 一緒に部屋に歩いて戻ってきた。
昨夜は早目に寝て、早朝に起きて勉強。Oren Ben-Dorの Constitutional Limits and the Public Sphereを読む。 メモ: ベンタムの憲法論には三権分立や基本的人権などの制限がないという話があるが、 世論こそがその制限だというような話。 socially dynamicって、どういう含意というか、魅力があるんだろう? panoptic democracyという言葉が使われているので要研究。 世論裁判所がハバマスの「公共圏」と結びつけられているが、 ほとんど説明も比較もなされていない。どういうことだっ。
勉強、風呂。
どうも動態的というのは「(そう)なる」にあたり、 静態的というのは「(そう)ある」にあたるようだ。 「ある」よりも「なる」方が良いわけか。ヘーゲルか。
夕方に近くのスーパーに果物を買いに行ったら、すでに閉まっていた。 3時ぐらいまでに行かないとだめか。
仕方がないので某東急ストアへ。ついでに古本屋でカーの『新しい社会』 (岩波新書)を探すが見つからず。だれか見かけたら買っといてください。
買物。コーヒーはもう飲むまいと思っていたが、 ネスカフェゴールドブレンド(150グラム)が500円で売ってたので つい買ってしまう。作るのが簡単だからなあ。
自宅に戻ってきて、お菓子やさつまいもを食べる。 朝から食べるのを忘れて勉強していた。 ようやく尻に火が付いてきた証拠だ。しかし、 学会の〆切であっても二三日前にならないと尻に火が付かないとは。 どんどん〆切効果が弱まってきているな。もっと強い薬が必要だ…。
「いや、必要なのは薬じゃなくて、心を入れ換えることだよ」
イラクでは爆撃による死だけでなく、 栄養失調や病死による死の可能性が高くなっているようだ。 市民に極力被害を与えないという米英の方針からすれば、 人道的援助を与えることが必要だが、今後どうなるか。 国際NGOの中には、 米英は国連決議を取らなかったという理由で人道的援助を 控える団体もあるとのこと。 国連もどう対応すべきか目下検討中だそうだ。
(追記。その一方で、 イラクと国境を狭んだ地域に設置された難民キャンプにはまだあまり難民が 来ておらず、どうすべきか困っているようだ)
新聞。
イラクが投降すると見せかけて発砲したり、 ジャーナリストと見せかけて実は兵士だったりするという「汚ない戦争」 を展開しているようだが、連合軍はあくまで戦時国際法にのっとった戦争を 行なうつもりのようだ。 圧倒的な戦力差があるにしても、 反則に対してフェアプレイの精神で向かっていって無事で済むだろうか。
今日のスヌーピーはおもしろい。
ライナス「世界中の誰もが犬を飼ってる…どうしてママは飼わせてくれないの?」
ルーシー「犬を飼ってない人は世界中にたくさんいるわ」
ライナス「どうしてママはその人たちに犬を飼わせてあげないの?」
ついでにもう一つ。
内証だけれど、京阪特急の中で、オシッコをしたという人を私は知っている。
(「電車とトイレ」産経本日付)
夜、少し寝る。それからまた勉強。岡田直之の『世論の政治社会学』、 たいへんおもしろい。世論の歴史についても、 世論とマスコミの関係についても、 世論と民主主義の関係についても、いろいろ学ばせてもらう。
昨夜のごはんは某所のラーメン。帰りにビデオを借りてくる。
cgiがまだ動かないので、 アンケートの方はもうちょっと待ってください。
『ミート・ザ・ペアレンツ』をビデオで観た。 何人かの友人からおもしろいと聞いていたのだが、 この手の「ドジな主人公がハデにドジをやって笑いをとる」 というタイプの映画はどうも苦手だ。
何でなのかを考えると、一つは予測可能な方向に話が進むからで、 もう一つは、自分がドジなので自分と主人公を重ねてみるからだと思う。 また、とくにこの映画の冗談は粗野なのが多いので今ひとつ。 『マリーに首ったけ』の冗談も粗野なのが多いが、 あちらの方がもう少しまし。
主人公の彼女は性格が良くて好感がもてる。彼女の母親の役柄も良い。 しかし、 二人とも男性の望む女性像そのものという感じでちょっと気持ち悪い。 というわけでC。
起きる。快晴。
今日の勉強時間…0hr
UCLには、図書館を含めていくつかのコピー室があるが、 これまではそれぞれのコピー室のコピーカードが別々で、 たいへん不便だった。
そこで、当局が重い腰をあげ、 ようやく先日からコピーカードが全室共通になった。 コピー代も若干安くなり、A4一枚が6.6p(約11円)から5p(約8円)になったが、 新しいコピーカードはなんと一枚4.50ポンドもする。 top upできるので、一枚購入すれば永続的に使えるものの、 これではコピー代が安くなったのか高くなったのかわからない。
なんだか不条理な気がしたが、買わないわけにもいかないので一枚購入した。
文房具に対する投資が不十分だったので、 バインダーやその他を購入。 あとで調べるときに困らないよう、ちゃんと整理すること。
カードとカードボックスも買ってみたい衝動に駆られたが、 こういうものに凝りだすと人生がより複雑になる気がしたのでやめておいた。
(追記: 夜に部屋の片付けをしていたら、 カードとカードボックスがでてきたので驚く。 友人にもらったのをすっかり忘れていた)
「はあ。この、あれですね」
「また『あれ』か。あれってなんだあれって」
「口蹄疫ですが、予定では英国本土だけで60万頭ちかくの家畜が殺されるそうです。 牛が12万頭、羊が42万頭、ブタが4万頭、 ヤギが数百頭ほど殺されるそうです。 もうすでに40万頭近くが殺されたとのことです」
「かわいそうだけど、まあ、 どうせ家畜は死ぬ運命にあるんだし、仕方ないんじゃないの」
「冷たいですね。かわいい子羊とかの姿を新聞やテレビで見ると、 あんまりそんな風なことを言う気にはなれませんよ」
「しかし、口蹄疫は食いとめないと、農業はけっきょく大打撃を受けるわけだろう」
「そうです。病気にかかっても動物はまず死なないそうですが、 やせてしまったり、乳の出が悪くなったりするのに加えて、 日本や米国を含め大部分の国は口蹄疫が流行している国からの畜産物を輸入しない方針ですので、 けっきょく農家としてはぜひ口蹄疫の伝染をくいとめる必要があるそうです」
「じゃあやっぱり仕方ないじゃない。かわいい子羊も死んでもらわないと」
「いや、それが、ワクチン注射による方法もあるんですよね、 これもいろいろ問題があるんですが。たとえば半年ぐらいしか効き目がないとか、 ワクチン注射で伝染を抑えた場合、やはり諸外国への輸出ができなくなるとか」
「それじゃあまり意味ないんじゃないの」
「いや、それでも動物を殺すよりはましなんじゃないでしょうか。 英国政府は今になってワクチン注射への方向転換を考えているようで、 40万頭も家畜を殺したあとで方向転換するとはなんと先見の明がないことかと ため息がでるわけです」
「Better late than never, 遅くてもやらないよりはましだろう」
「いや、どうせならもう少し早くに方針を再検討すれば、 多くの動物が助かったろうにと思うんです。 戦争でよく話になりますよね、ある村で伝染病が流行りだしたので、 村ごと焼き払ったというような話が。人間だとこういう場合は相当問題になるのに、 なんで牛や羊だとこんなに大殺戮が簡単に行なわれるんでしょう」
「いや、しょせん牛や羊は家畜だから。人様とちがって、 家畜の場合は単に手段として扱い、 同時に目的として扱わなくてもカント先生はお怒りにならないわけで」
「共感能力がない人ですね。羊や牛だって苦痛を感じるんですよ」
「いや、家畜はかなり楽に死ねるらしいよ。 ほとんど苦痛ゼロで殺す方法があるみたいで。 それに、牛や羊の視点に立って彼らが何を考えているかを理解するのは 困難というか不可能だから、家畜に共感するのはかなり難しいわけで」
「ドナドナを歌ってみてください。 屠殺場に向かう牛の悲しみを知ることができます」
「いや、だから、それはあくまできみが牛になったつもりになっているだけで、 牛の視点に立ったことにはならないってば」
「また難解なことを。これだから倫理学者はまったく…。 しかし、それはともかく、ブレア首相はかなり困難な状況にあるようですね」
「なんで?」
「総選挙の日取りが5月3日の予定だったんですが、口蹄疫の大流行のせいで、 遅らせるべきか強行するべきかで労働党内でかなりもめているそうです」
「遅らせた方がいいんじゃないの。農民は投票に行けないかもしれないじゃない」
「いや、それが、口蹄疫がいつ終焉するかわからないので、 下手に遅らせるとずるずると秋まで選挙ができなくなる可能性があってですね」
「じゃあ秋にやればいいじゃないか」
「いや、それがまた問題で。現在の英国はまだ好景気のさなかにありますが、 米国の不況がどの程度悪化するかが懸念となっていて、 下手をすると秋ごろには英国も不景気になっているかもしれないんですよね。 これは与党の労働党にとっては不利な要因となるわけで」
「米国がくしゃみをすると鼻水がヨーロッパに飛ぶというやつか」
「いや、正しくは、 米国がくしゃみをするとヨーロッパが風邪を引くだったと思います」
「ああそうだったそうだった。けど、 そういう政治戦略的なことばかり言っていたら、農民が怒るだろう」
「ええ、農民は首相が選挙のことばかり考えていると非難しているようです」
「しかしまあ、確かに難しいわなあ。きみならどうする? たとえ次の選挙で敗戦するとしても、農民を優先するか?」
「いや、やはり牛や羊を大切に…」
「そんなことを言っているようでは政治はできんって。 きみは功利主義者だろう。大局を見ろ、大局を」
「最近、こだま君の日記は英字新聞の記事しか書いてないのでつまらない」 という苦情を耳にしました。
あ、いや、それだけです。
(他人の評価に動じない編集者G)
初めて逃大に来た。
朝、某所で名刺入れを購入。 それから兄夫婦の家に寄って、 ネクタイをきちんと締めてもらう。 一人では、まだうまく結べないのだ:-)
母に駅まで送ってもらい、 某線で池袋へ。 車内で関東語のフィールドワークをする。
「ちょっとケンタは高いよねー」
「そうよね〜、ちょっとね〜。 ケンタはねー。高校生はあまり行かないよねー」
「マックはクーポンとかあるからー、安くなるじゃん」
「モスは〜?」
「ううん、モスはあまり使わないのー」
池袋で丸の内線に乗り換えて、 本郷三丁目で降りる。
駅からすぐだと聞いていたので、 簡単に見つかるかと思って少し歩いたところ、 あにはからんや、全然見つからない。
この不況で逃大もつぶれちゃったのかと思い、 もう帰ろうかとも考えたが、 駅前の地図を見てもう一度探してみることにした。
すると、あら不思議、今度はすぐに見つけられた。 「赤門はやっぱり赤かった」とかなんとかつぶやきながら、 赤門から大学に入る。
歩いてくる途中で気づいたのだが、 どうも今日は卒業式らしい。 赤門のところにもテレビカメラを持った人が数人立っていた。
今思えば、このときに何かおかしいことに気づくべきだったのだ。
大学に来れば、イギリス哲学会の立て看板が出ているだろうと思って、 大学構内のどの校舎が会場なのかを全然調べないできたのだが、 ところがそうした看板が全然出ていない。 あるのは「学士会入会」とかいう卒業生向けの看板だけ。
なんて傲慢な大学だとかいろいろ心中憤激しながら学内を歩き回って、 数十分の間、会場を探した。経済学部、教育学部、法学部、文学部、 (卒業生だらけの)安田講堂、山上会館…。
…ない。ない。ない。ないーっ。
いくら探しまわっても、 イギリス哲学会のイの字も見当たらないので、 恥を忍んで某師匠の携帯に電話することにした。 山上会館の公衆電話を使う。
某師匠にいろいろ探ってもらったところ、 法文館でやってるらしい。 あれ。何かおかしい。 法文館ならさっき行ったぞ。
しかし見過ごしたのかと思って、 もう一度安田講堂そばの法文館へ。 けれども、あるのはやはり卒業生と卒業生向けの看板ばかりで、 イギリス哲学会のイギの字もない。 文学部の事務に聞いても、 今日学会があるという話は聞いてないと言う。
しばらく法学部と文学部の建物を行ったり来たりしたすえ、 ようやく次の結論に辿りついた。
「ここが逃大でないか、あるいは、 イギリス哲学会のある日が今日でないかのいずれかである」
実はここは観光地「逃大村」でした、 とかいうシャレかとも思ったが、 やはり後者の可能性が高いと思って、 某師匠にもう一度連絡し、 イギリス哲学会に来てるはずの某先輩の携帯の電話番号を教えてもらった。
さっそく某先輩に連絡。
「あの、イギリス哲学会っていつでしたっけ?」
「土曜日と日曜日だよ」
「えっ」
「え、もしかして今日と思ってたの?」
「え〜、逃大きちゃいましたよ〜」
「アッハハハハハハハハハハハハハハハハ」
「しかもスーツ着てですよ〜。すんごいバカみたいですよね」
「アッハハハハハハハハハハハハハハハハ」
「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃないですか〜」
「アッハハハハハハハハハハハハハハハハ」
「あっれー、おっかしいなあ、現倫研が日曜だから、 イギリス哲学会は金、土だと思ってたのに」
「いや、現倫研は日曜日にやるけど、イギリス哲学会とぶつかるんだよ」
「え、そうなんですか、全然知らなかったっす」
「しょうがないねー。せっかくだし逃大歩き回ってみたら」
「ええ、そうします。では」
というわけで、今、法文館の外でこの文章を書いている。 う〜む。さんざんな逃大初体験だったなあ。くそ。 もうしばらくそこらを歩いてから、家に戻ろう。くそ。 兄夫婦や母にも笑われるだろうなあ。くそくそくそ。
教訓: 学会に行くときは日程を確認しましょう
夕方に母の家に戻ってくる。 チャンピオン(新品)買う。
3時間ほど寝て、兄の家で夕ごはんをごちそうになる。
おれの寝てる間に雨が降りだしたらしい。
昨晩は朝まで爆睡。 朝、伝言を渡しにスコフィールド氏の泊まっているホテルに立ち寄る。
さて、今日からビジネス・エシックスの翻訳をやらねば。 いや、やろう。やりたい。やりたくて仕方がない。 義務(やらんとあかん)と思ってやるのはつまらない。
ところで、結局、某師匠は熊本には行かれないそうだ。 (「行かれない」の「れ」は尊敬と可能を表わしている点に注意) 誘い方が悪かったのか、それとも押しが弱かったのか:-)。
昨日、某ロールジアンが 「某古本屋に田中成明の『法理学講義』が400円で出てましたよ」 と教えてくれたので、買いに行く。 ついでに↓こんな本も見つけてしまう。
午後から横浜の某先生と一緒に古本屋めぐりをする。 「教養がない」と何度もしかられる。 話題は、ブラウン神父シリーズを読め、速読をしろ、国際的研究をしろ、など。
金もないのに買った本。
某5級と某先輩と御一緒して、おいしい食事をごちそうになる。感謝。
帰りにまた古本屋に立ち寄ってしまった。病気。
外は雨である。
昨日朝、母親に借りていた2万円を返し、夜に塾長から2万円借りた。なんなん だろう。(そこからまた母親に1万返したが)
川端通の桜が咲き始めている。ミツバチが足に大きな黄色の団子をつけて飛び 回っていた。寒いがもう春ですなあ。
「許す」が更に一人。一度「許す」と送っ てくれた人で、「責任は取れないから裏でやれ」という人が一人。現在考慮中。
自由意志読書会始まり始まり。
自由意志読書会終わり。それはそれは口では言えないほどものすごい読書会だっ た。人の話は聞くようにしなければ、と反省。あと、わかりやすくしかも論理 的に説明する能力を陶冶しないとならない、と痛感。某氏はやはりすごい。
バイトなので帰る。
またいる。といっても、今夜は用事で倫理の研究室の方に 泊まるつもりなので、誤解なきよう。雨が降って困る。