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4.結び


以上、法が個人の行動を刑罰を用いて規制することがどこまで正当化されるかをベンタムの議論に沿って考えてきた。そしてわたしの解釈からすると、この問いに対するベンタムの考えは、本論文第3章「法の規制すべき個人の行動」で得られた彼の二つの結論から、次のようにまとめられる。

  1. 法は自分だけの幸福に関係する個人の行動を規制すべきでない。また法は個人に善行を強制するべきでもない。なぜならそういった個人の行動に関しては、法によらない各人の自発的な行動に任せた方が、社会全体の幸福はより促進されるからである。

  2. 法が個人の行動を規制すべきであると言えるのは、他人を不幸にする行動、すなわち他人の快楽を減らすか苦痛を与えるかする行動のみである。ただし、たとえ他人を不幸にする種類の行為であっても、そのような行為すべてを法によって規制してよいというわけではない。具体的に言うと、立法家によって生み出される法は、刑罰に根拠がない場合、刑罰が有効でない場合、刑罰が不利益な場合、刑罰が不必要な場合のいずれにも当てはまってはならない。なぜなら、法の生み出す害悪が法によって防ぐことの出来る害悪を上回る場合には、「ある行為を法によって規制する」という行為の方が、法によって妨げられる行為よりも社会全体の幸福を阻害する行為となるからである。

(以上400字詰め原稿用紙50枚相当)


説明と弁明

ま、そゆことで、さいならーっ。

範囲が広くって、まとめて終わり、ってなことになってる。批判がない。メッセージがない。やる気がない。書き直せ。ばか。変態。この人ちかんよおまわりさん呼んでっ。とみんなにくそみそに言われているわけです。

ここまで全部読まれたあなたも、そうでないあなたも、色々ご不満があるでしょうから、ぜひぜひその怒りをメイルにて送ってください。真剣に検討します。

あ、ついでに言っとくと、これで本文は19630字、脚注は1802字。内容の割には長すぎるという批判も。あーあ、もう首つって死ぬか。

今思えば「・・・ベンタムは主権者による恣意的な刑罰を非難し、非犯罪化を推奨することによって、結果的に個人の自由を拡大させることに貢献した」とか書けばよかったかなあ。けど、当時の状況にも触れてないし。ほんっとに不十分な卒論。

(ま、自分でけなすのもむなしいが--結局これが自分の実力である)


第5章――参考文献


Satoshi Kodama
kodama@socio.kyoto-u.ac.jp
Last modified on 01/18/97
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