(なにーすていと nanny state)
福祉国家の蔑称。 個人の生活に対する国家の過剰な介入を好まず、 市場による解決を望む保守派の人々が、 福祉国家をバカにしてこう呼ぶ。
ナニーとは乳母のことであり、 保守派の人々によれば、 乳母が子供を過保護に育てると責任感のある人間に育たないように、 福祉国家が手厚く個人を守ろうとすると、 個人の責任感や自立意識が失なわれてしまい、 何でも国家に頼り、国家の責任にしてしまう人間になってしまう (「個人の責任」は保守派の決まり文句である)。 したがって、国家による過度な介入は控えて、 なるべく個々人の努力に任せるべきだとされる。
この反対概念に当たるのが保守派が好む夜警国家(nightwatchman state)で、 国家は主に警察的機能だけを担う最小限のものであるべきで、 残りは市場原理 (個人間の自由な売買や契約)にまかせるべきだとする。 これについてはリバタリアニズムの項も 参照せよ。
12/Feb/2004