間主観性

(かんしゅかんせい intersubjectivity)


一見難しそうに聞こえるが、それほど難しくない言葉。 ある事柄が間主観的であるとは、 二人以上の人間(人間でなくてもよいが)において同意が成り立っていることを指す。 この状態は一般に、主観的であるよりも優れており、 客観的であるよりも劣っているとみなされる。

たとえば、 世界中の人々が何が美しいかに同意していても、 美の基準が客観的かどうかはわからない。 なぜなら、 ひょっとすると何が美しいかは人間本性に依存しており、 地球人にとっての美と火星人にとっての美とは異なるかもしれないから。 そこでこの場合、 美は人間にとって間主観的ではあるが客観的とは限らない、ということになる。 色なんかも同様(一次性質と二次性質も参照せよ)。

この語はクワインのWord And Object (1960) で詳しく論じられているようだが、あいにく未読。

17/Jan/2002


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Thu Jan 17 03:00:15 2002