(れきしほうがく historical jurisprudence)
[T]he movement of the progressive societies has hitherto veen a movement from Status to Contract.
---Henry Maine, Ancient Law (1930)
ダーウィンの進化論とロマン主義を背景に、 法の歴史的発展と国家ごとの法の特殊性を強調する19世紀後半に流行った立場。
英国のヘンリー・メイン(Henry Maine 1822-1888)は法の歴史的発展を六段階に分け、 法の歴史的、人類学的、社会学的研究の先駆者となった。
プロシアのフォン・サヴィニー(Friedrich Karl von Savigny 1779-1861)は 法を民族精神(Volksgeist)の発現と捉え、 漸進的な改革しか不可能であるからナポレオン法典の輸入はできないと主張した。
サヴィニーの民族精神の議論は言語とのアナロジーで法の発展を捉えているようだが、 言語や道徳はともかく、 法が民族の精神(国民性)の発現だというのは法と道徳を混同した主張だと思える。
04/Aug/2001