(がいてきせんこう external preference)
ドゥオーキンが『権利論』 (Taking Rights Seriously)で導入した概念。 自分がA(機会、資源など)を持ちたい、 という「自分に関する」選好に対し、 他人がAを持ってほしい、 あるいは持ってほしくないという「他人に関する」選好のことをこう呼ぶ (`a personal preference for his own enjoyment of some goods or opportunities, or an external preference for the assignment of goods and opportunities to others)。
たとえば、あなたが男性で、女性は選挙権を持つべきでないと考えているとすると、 あなたは女性の選挙権についての外的選好を持っていることになる。
このような外的選好を功利主義の計算に数えいれるかどうかが問題にされる。 とくに、他人を不平等に扱うことをよしとするような外的選好 (「女性は男性と同様の選挙権を持つべきではない」)が、 「みなが一人として数えられ、誰も一人以上として数えられてはならない」 という功利主義の根幹にある平等思想と衝突するのではないか、 という懸念がある。
11/Apr/2001; 02/Feb/2002追記