(みんしゅしゅぎ democracy)
デモクラシーは、十九世紀と二十世紀の人心を、 殆ど普遍的に支配した流行語である。 そして正しくその故に、あらゆる他の流行語と同じ運命を辿って、 確定した意味を失つてしまつた。
---ハンス・ケルゼン
あらゆることが人民のために、しかしなにごとも人民によってなされるべきでない。
---フリードリッヒ大王
「シンガポールは自由ではないが、清潔で麻薬中毒はひとりもいない。 それほど遠くない昔、シンガポールは、飢饉や病気、 その他問題がはびこり、貧しく、搾取された植民地だったが、 今や人びとは三部屋のアパートに住み、 仕事やきれいな道路に恵まれている。 物質的刺激がビジネスと自由市場経済を生みだす。 逆に政治家が民主主義にそって他の方法でやろうとしたら、 ロシアのような結果になる。中国人の90%は投票権より、 より物質的な豊かさに興味をもっている」
---ルパート・マードック
人民が主権を持っている政体。民主政とも。ギリシア語のデモクラティア (demos-民衆、kratos-支配)が語源となっている。
人民が集合して立法し政府を運営する政体を直接民主政と 呼び、 それに対し人民が代表者を選び、 その代表者が政府を運営する政体を間接民主政または代議制民主主義と呼ぶ。 代議制民主主義は古代ギリシアやローマには存在せず、 近代の発明である(Democracy and Its Critics, p. 29)。 代議制は民主主義が都市国家から民族国家(nation state)に拡大する上で 大きな役割を果たしたが、 規模の大きさによって市民の政治参加が困難になり、 また価値観の多様性(多元性)が利益の衝突を常態にした(ibid., p. 30)。
共和制も参照せよ。
21/Jan/2002; 24/Jul/2002追記; 24/Mar/2003追記
上の引用は以下の著作から。