アナクシマンドロス

(あなくしまんどろす anaximander)


前6世紀に活躍したミレトスの自然哲学者(前610年頃-前546年頃)。 タレスの弟子とされるが真偽は明らかではない。 万物は無定形のもの(アペイロンapeiron) によってできているとした。

彼によれば、たとえば火も水もこのアペイロンから生じており、 「時」という裁判官の面前で常に覇権を得ようと争っている。 この説はタレスの「万物は水から生じている」という説に比べると、 「ではそもそも火はどのようにして生まれたのか」 という問いに答えることが容易である。

また、アナクシマンドロスによれば、 宇宙はアペイロンから生じた種子から生じた。 この種子は冷たく湿った霧状の部分とそれを取りまく炎に分かれ、 やがて霧の部分が固まって地球となり、炎の部分が天となった。 そして彼によれば地球は円形か円柱形であり、 太陽や月は地球の周りを回転する自転車のチューブのようなものに空いた穴から 覗く炎だと考えた。 また、地球は何ものによっても支えられていないが、 球形の宇宙の中心にあるため、 どちらの方向にも落ちていくことがないという(他の自然哲学者と比べて) 独創的な説を唱えた。

13/Jan/2002


参考文献


上の引用は以下の著作から。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Mon Jan 14 20:05:17 2002