(そがい alienation)
First the Young Hegelians, including Bauer and Feuerbach, see religion as the alienated human essence, and seek to end this alienation by their critical studies of Christianity. Then Feuerbach goes beyond religion, arguing that any philosophy which concentrates on the mental rather than the material side of human nature is a form of alienation. Now Marx insists that it is neither religion nor philosophy, but money that is the barrier to human freedom. The obvious next step is a critical study of economics. This Marx now begins.
---Peter Singer, on Marx
`We have laboured; and other men have entered into the fruits of our labours.'
---William Godwin
自己の本質から切り離された状態のこと。 ドイツ語ではEntfremdung, Enta:usserung。
アリストテレスは人間を社会的動物として捉え、 政治的参加を人間の本質的活動の一つとして考えたが、 ローマ帝国期になると、 ローマ市民はますます政治参加の機会を失なっていった(これも疎外の一形態)。 ヘーゲルによれば、 この頃に生まれたキリスト教は、 人間の本質あるいは理想(知性、慈愛、善意)を 人間の手に届かない「彼方」である神に帰せることにより、 人間をその本質を奪われた状態に陥れた。 このキリスト教批判は、バウアーやフォイエルバッハといった 「若きヘーゲル主義者(the Young Hegelians)」へと引き継がれていく。
一方、 マルクスはヘーゲルやフォイエルバッハから学んだ 疎外の概念を、資本主義の批判の道具として用いる。 彼によれば、資本主義は賃金労働者から人間の本質(人生の意味) である労働を奪うことにより、労働者を疎外の状態に置く。 マルクスにおいては、疎外の原因となるのは「神」ではなく「金」である。 そこで労働者(プロレタリアート)は、 生産手段を握り労働者を搾取する工場主(ブルジョワジー)に代表される 資本主義社会を革命によって打ち倒して階級の存在しない社会主義を 打ち立てることにより、 人間の本質を取り戻さなければならない。 た、たたかえ労働者っ。
02/Aug/2001
上の引用は以下の著作から。