善行

(ぜんこう beneficence)


善行は医療者・医学研究者の義務の一つであり、 主に患者や被験者に対して利益をもたらすことを命じるが、 より広い社会に対する貢献を意味することもある。 beneficenceは、「恩恵」とか「仁恵」などとも訳される。

なお、これの反対の言葉のmaleficenceは、 「無危害」や「無害」と訳される。 善行の義務が、他人に利益をもたらす行為や、他人に危害が及ぶのを防ぐ行為を 行なうことを命じるのに対し、 無危害の義務は、他人に危害を与えないこと、 たとえば安楽死を手伝ったり、 中絶するのを手伝ったりしないことを命じるという違いがある。

なお、善行原則は、ベルモント・レポートに おける三つの倫理原則のうちの一つであり、 ビーチャムとチルドレスの四原則の一つでもある。

18/Aug/2006追記


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Aug 18 17:39:47 JST 2006