第15回日本栄養改善学会近畿支部学術総会の開催にあたって
第15回 日本栄養改善学会近畿支部学術総会
会 長 池 田 清 和(神戸学院大学栄養学部栄養学科教授)
この度は、特定営利活動法人日本栄養改善学会の近畿支部学術総会が神戸学院大学で開催されます運びとなり、心よりうれしく存じています。喜んでお引き受けさせていただきます。
今日、栄養改善学におきましては、乳幼児から高齢者に至るまでの段階におきまして、多岐にわたる様々な解決されるべき諸課題があります。
かつての栄養改善学においては栄養素の摂取不足による欠乏症等が大きな課題でありましたが、
これらの諸課題が大きく進展した後に、近年では栄養素の過剰摂取や、人々の身体活動量低下に伴う肥満によって誘発される様々な疾患とその予防等が大きな課題となっています。
各栄養素の摂取に関しても、「日本人の食事摂取基準2015年版」に示されるように各種の問題が認められています。
日本栄養改善学会では、かかる諸問題の解決に永年多彩な角度から取り組んでこられ、人々の生活改善に大きく寄与されて来たことは言うまでもありません。
一方で、日本人の高齢者の人口割合は、他国に比べ顕著に増加し続け、2015年には26.8%となっておりまして、いわゆる超高齢社会に突入しています。
かかる背景のもと超高齢社会における人々の生活、特に食生活のより良い改善を図ることが、強く求められております。
他方で、我が国は、古来世界有数の多地震国であります。特に近年、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など多くの地震が次々と起こり、人々の生活を脅かしています。
このような自然災害に対して、災害前・後などについて、特に栄養の観点からどのように対処すれば良いのかが、重要な課題となっております。
今回の日本栄養改善学会近畿支部学術総会では、日本人特有の諸問題の中から、特に、超高齢者社会における諸問題と、震災における諸問題の2つの課題に焦点をしぼり、シンポジウム等を開催する予定としております。
一般演題の方についても、多彩な問題提起のあるものと期待しておりまして、諸問題解決の契機ができればと大きく期待しています。多数の会員の皆様方のご参加を心より願っております。
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