つれづれなる概説

◆米国環境保護庁2010/15 PFOA Stewardship Programを提起


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米国環境保護庁2010/15 PFOA管理責任プログラムの和訳:

2010/15 PFOA管理責任プログラム

2006 年1月25日、EPA長官Stephen L. Johnsonはフッ素ポリマー・フッ素テロマー製造業者に、PFOA および関連物質のグローバル管理責任プログラムに加わるように誘う手紙に署名した。手紙の本文は以下の通りである。当該プログラムへの企業関与及び他の関連情報はこのウェブサイトへ掲示される。

この招待を受け取っている企業は次のとおりである :
3M/Dyneon
Arkema, Inc.
AGC Chemicals/Asahi Glass
Ciba Specialty Chemicals
Clariant Corporation
Daikin
E.I. duPont de Nemours and Company
Solvay Solexis



○手紙本文

Charles O. Holliday, Jr. 氏
議長兼経営最高責任者
DuPont
1007 Market Street
Wilmington, DE 19898

親愛なるHolliday氏へ:

あなたが知っているように、よりよくペルフルオロオクタン酸(PFOA) 及び関連化学物質への曝露源と経路を理解するために、DuPontと他の率先して行動する企業は環境保護庁(以降EPAとする)と共同して作業している。注目すべき発展は、潜在的な曝露及びリスクについての私達の理解の周辺にある重大な情報ギャップの多数を埋める包括的な試験と研究計画を導入することによってなされた。PFOA が環境中で残留性であり、ヒト血中で検出されたこと、そして動物実験で懸念される効果を示すこと、私達はすべて確認している事柄である。研究及びテストプログラムからのデータは当局らにある潜在的リスクの管理行為についての詳細な情報を得た上での決断を行うことを保証するだろう。

一方で、これらのデータが提供するであろう確実性はなく、私はあなたがたにEPAと他の係争物受寄者(ステークホルダー)とともにグローバルな管理責任プログラムに関与することに参加するように求める。そのプログラムの目標は、PFOAおよび関連化学物質の放出と製品中残留量の本質的な削減に向けて取り組むことである。

管理責任プログラムへの参加は2つの目標への自発的な企業活動(corporate commitment)を要求する:

1) 2010年以後、2000年の年間基準から95%の減量を達成することを表明すること。以下の両方の点で達成しなければならない。PFOA、PFOAに分解しうる前駆体物質、関連する高相同物質のすべての媒体中への関連施設からの放出、そして、PFOA、PFOAに分解しうる前駆体物質、関連する高相同物質の製品中残留量についての減量を求める。

2) PFOA、PFOAに分解しうる前駆体物質、関連する高相同物質の工場からの排出および製品中から廃絶のために向こう5年間遅くとも2015年までに作業することを表明すること。

これらのプログラムの目標は意欲的であるけれど、ある参加企業は他を達成する前に目標のある面を成し遂げるか、または越えるかもしれないし、ある企業はこれらの目標を部分的に既に達成し、一部はより積極的なスケジュールを約束するかもしれない。私は参加企業が、目標の2010/15年の前に放出および/ または製品中残存量の減少の達成といった全体のプログラム目標を越えて、特定の個々の確約を確認することを奨励する。技術的、費用的問題が2015 年までに放出とプロダクトからPFOAと関連化学物質を完全に除去することを妨害するかもしれないことを当局はまた確認する。その最終的な目標に向けて進展を奨励するために年次報告はこれらの領域についての注意を識別し、焦点を合わせるのを助けるべきである。

多くの活動は企業、政府関係機関及び大学による付加的な研究を含むPFOAそして関連の化学物質に関して進行中である。管理責任プログラムへの参加は当局へ企業の既存の責任に加えて、研究努力, 強制力のある同意協定及び了解書を含むであろう。これらの進行中の努力は2010/15 PFOA 管理責任プログラムと併せて、残留性で、生物蓄積性でそして有毒な化学物質系列の私達のさらなる理解へむけて、また本当の長期環境・公衆衛生ベネフィットを達成するために行われる。私達のリスクアセスメント活動がまだ完全でなく、新しいデータが現在の状況を変えるかもしれないが、今日までEPAはとりわけ人間の健康に対する影響へのPFOA曝露の現在のレベルを関連付ける調査も知らない。潜在的な懸念レベルに決して達さないような2010/15 PFOA 管理責任プログラム及び他の関連する努力により、これは私達にそれを確かめるタイミングの良い機会を提供するかもしれない。

あなたが環境リーダーシップにむけて歩むためこの招待を受け入れることを私は望む。3 月1日, 2006年までに2010/15 PFOA管理責任プログラムにあなたの確約の手紙によって答えていただきたい。プログラムの公約の細部の付加的な情報はこの手紙に同封されている。あなたがこのプログラム及びあなたの参加について質問があれば、U.S. EPA Office of Pollution Prevention and Toxics, Chemical Control DivisionのMary Dominiakに、電話202-564-8104あるいは電子メールdominiak.mary@epa.govで連絡していただきたい。

私はあなたがたとともに行動し、これらの目標を達成することを期待している。

誠意をこめて,

Stephen L. Johnson
(EPA)長官


○同封文書

2010/15 PFOA 管理責任プログラム




企業コミットメントレターは管理責任プログラムの以下の両目標への確約を含むべきである:

1) 2010年以後、2000年の年間基準から95%の減量を達成することを表明すること。以下の両方の点で達成しなければならない。PFOA、PFOAに分解しうる前駆体物質、関連する高相同物質のすべての媒体中への関連施設からの放出、そして、PFOA、PFOAに分解しうる前駆体物質、関連する高相同物質の製品中残留量についての減量を求める。

2) PFOA、PFOAに分解しうる前駆体物質、関連する高相同物質の工場からの排出および製品中から廃絶のために向こう5年間遅くとも2015年までに作業することを表明すること。

この2010/15 PFOA 管理責任プログラムに加わっている企業は10月31日2006年までにEPA にそれぞれの施設からの排出および製品内残存量の2000 年の年間量についてのベースライン数を堤出するように要請されるだろう。透明性を保障するために、企業は、米国での操業と企業の世界全体での取引ともについて、全社的な達成パーセントに関してそれぞれの進展を表す、次年度10月までの目標に向けての進展についての年次公共レポートを堤出するだろう。企業はまた彼らの公共のレポートを補助する彼らの進展についての詳しく述べられた情報をEPAに提供する。プログラムへの参加によって、企業は詳しい進展報告の内で含まれている情報で、機密と主張されるものを含み、契約者とのプログラムのもとで、堤出される情報を共有する許可をEPA へ供与する。

これらの化学物質は、化学分析における正確で、再現可能な結果の保障へのかなりの科学的な挑戦を提起する。2010/15 PFOA管理責任プログラムの下で報告される結果が比較可能でかつ信頼できることを保障するためには、各々の参加企業はまたEPA、他のPFOA 管理責任プログラム関係者、及びその他関係者とともに、2010 年の最初の目標達成年までの化学物質を測定するための科学的で確実な分析標準そして実験方法を確立するために作業することを確約するだろう。よりよく曝露源、経路及びこれらの化学物質の潜在的なリスクを理解し、研究を続けるように関係者はまた広範な確約を作成するだろう。

企業コミットメントレターは3月1日2006 年までに堤出され、以下に送付するべきである:
長官 Stephen L. Johnson
米国環境保護庁
1200 Pennsylvania Avenue, N.W. (1101A)
Washington, DC 20460

丁重に写しを以下に送る:

局長 Charles M. Auer
汚染防止・有害物質局
1200 Pennsylvania Avenue, N.W. (7401M)
Washington, DC 20460



○語彙集

高相同物質(Higher homologue chemicals): PFOA は8炭素鎖長の化学物質である。PFOA に構造で類似した、しかし鎖長の9 つまたはより多くの炭素を持つ化学物質はPFOAの高相同物質である。

相同体(Homologue): 一連の化合物の1 つであり、それぞれの構造が一定数、規則的(炭素数やメチレンCH2 基の有無)に隣接したグループのメンバーと異なるもの。

前駆体(Precursor): 分解することで別の化学物質(この場合PFOA)を作り出しうる化学物質である。例えば、テロマーアルコールとテロマーヨージドのような、テロマー製造工程からのいくらかの残余単量体物質は最終製品に残るかもしれない、そしてPFOAに分解する。

テロマー生分解テスト(Telomer biodegradation testing): 分解してPFOAを放出する残余単量体物質によるポリマー汚染ではなくポリマー骨格から出てくるフッ素テロマーが環境中で、分解し、PFOAを放出するかどうかを決定する研究。


原文:[HTML]
EPA プレスリリース 2006年1月25日「EPA、PFOA の排出削減をメーカーに求める」(化学物質問題市民研究会)

[2006/01/27]


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