会長ご挨拶
第32回日本聴神経腫瘍研究会
会長 羽藤直人
(愛媛大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授)
第32回日本聴神経腫瘍研究会を担当させていただくこととなり、愛媛大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の教室員一同大変嬉しく、また光栄に存じております。日本聴神経腫瘍研究会を愛媛大学が担当させていただくのは、1996年に第5回を柳原尚明会長が担当されて以来27年ぶりです。この間、聴神経腫瘍を取り巻く状況は、MRIの普及と進歩による診断や精度の向上、機能温存手術、定位放射線治療や分子標的薬治療など、大きな変革を遂げております。また、日本聴神経腫瘍研究会は2021年8月より年会費を伴う会員登録制となり、聴神経腫瘍および関連疾患における診療に一定の専門性を有する医師(日本聴神経腫瘍研究会認定医師)の認定がスタートいたしました。
本研究会は聴神経腫瘍に関わる複数の診療科の医師が一堂に会し、学際的な意見交換を行う貴重な場として機能し続けてきました。聴神経腫瘍診療には、専門的な技能と知識が必要ですが、「秘伝の技術」や「門外不出の知見」を情報共有できることが、本研究会の良い伝統だと感じております。第32回の本会では「技能と知識の伝承」をテーマとさせていただきました。聴神経腫瘍にまつわる技能と知識を持ち寄り、意見交換いただければありがたく存じます。
指定演題は、① 聴神経腫瘍の発生機序と分子標的薬治療、② MRIで聴神経腫瘍の何を視るか、③ 聴神経腫瘍手術のOff the Job Training、④ 聴神経腫瘍による顔面神経麻痺と治療、とさせていただきました。それぞれの指定演題セッションは、依頼させていただいたKeynote Lectureと応募演題により構成する予定です。指定演題のご応募をよろしくお願いいたします。その他、聴神経腫瘍全般にかかわる一般演題も広く募集しております。沢山のご演題をお待ちしております。
昨年同様、今回も第46回日本顔面神経学会(6月2日、3日)との合同開催とさせていただいております。顔面神経学会参加者との相互乗り入れで、更に本研究会が活性化することを期待しております。また、会場は大阪府豊中市の千里ライフサイエンスセンターで、東京以外での初開催となります。伊丹空港および新大阪駅から15分と、関西や西日本の先生方にも参加いただきやすい立地ですので、初めての方々にも是非お越し頂きたいと考えております。Withコロナでの開催が予想されますが、感染症対策を講じつつ、現地での対面開催を予定しております。本研究会が実りある会となりますよう、皆様のご支援、ご協力をお願い致します。