研究項目：A01-2
自発神経活動の時空間パターン制御を介した感覚情報処理回路の創発
岩里 琢治
国立遺伝学研究所 教授
研究室ウェブサイト：https://www.nig.ac.jp/nig/ja/research/organization-top/laboratories/iwasato
Researchmap：https://researchmap.jp/takujiiwasato
研究内容
生後発達早期には、それぞれの感覚系において特有の時空間パターンを持った自発神経活動が生み出されており、末梢から中枢にわたって、感覚を担う神経回路の機能創発を促す。研究代表者らは、マウスの一次体性感覚野（バレル野）の神経細胞が、新生仔期において「バレル毎に同期したパッチワーク型の自発活動」を示すこと、この自発神経活動は末梢の三叉神経節（TG）で発生し、視床経由でバレル野に伝達されることを報告した。本研究では、このパッチワーク型の自発神経活動の起源を明らかにする。新生仔期の神経活動の詳細を明らかにするとともに、神経細胞の連結様式を調べ、同期活動を生み出す分子・細胞基盤を解明する。また、この自発神経活動に基づいて、ヒゲ感覚を担う神経回路が大脳皮質に構築される過程を光顕・電顕レベルで明らかにする。更に、自発神経活動に摂動を加えることにより、自発発火の時空間パターンが発達とともに遷移する意義、ヒゲ感覚という脳機能の創発における活動パターン制御の意義を問う。
