上川内班からの新しい論文がScience Advances誌に掲載されました。本研究では、AIを使った動物行動解析ツール 『YORU』 を開発しました。動物の行動の仕組みを研究するためには、さまざまな行動を個別に解析・定量することが欠かせません。YORUは、機械学習のアルゴリズムの一つである物体検出を応用し、従来のツールでは困難だった交尾やグルーミングなどの複雑な動きを伴う行動解析に加え、複数個体が同時に相互作用する社会性行動も正確・迅速に解析することを可能としました。さらに、リアルタイム解析機能を投影光学系と組み合わせることで、特定の行動を示した個体をピンポイントで狙って、その神経のはたらきを操作することに成功しました。
YORUはプログラミング不要でAIによる行動解析を行えるよう設計しているため、Arduino などのマイクロコントローラを介して既存の実験系にシームレスに組み込み可能です。また、オープンソースソフトウェアとして公開し、AGPL-3.0 ライセンスの下でユーザーが自由に改変・利用できるようにしました。本ツールにより、従来は科学的な解析や定量化が困難だった動物行動の原理を効率的に研究できるようになります。
本研究の成果は、神経科学・動物行動学にとどまらず、生態学やスポーツ科学など「行動」が関連する広範な研究分野の加速的発展に寄与すると期待されます。
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