第138回例会 開催記録

テーマ:ヒトの記憶研究と動物の学習行動研究の接点を探る―反応競合的現象を手がかりとして―

日時:2005年3月19日(土) 15:00-17:30
場所:名古屋大学文学部1階小会議室(130室)
会場地図:http://www.lit.nagoya-u.ac.jp/letters/01l/01l.html
交通:名古屋駅から地下鉄東山線「本山」で乗り換え、名城線(右回り)「名古屋大学」下車、徒歩5分

話題提供者および演題:

  1. 月元 敬 (名古屋大学環境学研究科)
    「ヒトの記憶検索事態における抑制的現象とそのモデル」
  2. 澤 幸祐 (日本学術振興会奨励研究員) 
    「動物の条件づけにおける反応競合的現象とその規定要因」

連絡先:名古屋大学環境学研究科 石井 澄 
電話:052-789-2223, 2263


日本動物心理学会第138回例会報告
石井澄教授(名古屋大学)

第138回例会は、これまで別個の研究領域とされ相互理解が十分とはいえなかった、記憶研究と条件づけ研究の接点を探ることを目的として開催された。最初に、ヒトの記憶研究における再生あるいは再認を巡る干渉効果に関するいくつかの現象と、動物の条件づけにおける刺激あるいは反応間の競合とそれに関与する要因について、それぞれの領域を専門とする若手の研究者がそれらについての理論との関連において解説した。それによって、具体的な手続きや現象においてはある程度共通している面がある一方で、それを説明する理論的枠組みの基本において違いがあることが認識された。その後参加者の間で、両者を共通の枠組みで理解する可能性について議論がなされた。