国際ワークショップ『森の心、海の心:チンパンジーとイルカの比較認知科学』(後援) 開催記録

国際ワークショップ『森の心、海の心:チンパンジーとイルカの比較認知科学』
International Workshop on Comparative Cognitive Science
“Minds in the Forest and Under Water: Comparative Cognitive Science on Chimpanzees and Dolphins”

開催日時:2008 年 9 月 12 日(金) 10:00~17:30
場所:名古屋港水族館 北館レクチャールーム
http://www.nagoyaaqua.jp/othe/acce/index.html
入場無料、予約不要
(レクチャールームへの入場は無料ですが、水族館への入場は有料です)

主 催:京都大学霊長類研究所、京都大学野生動物研究センター(共催)
後 援:名古屋みなと振興財団(名古屋港水族館)、京都大学グローバル COE『生物の多様性と進化研究のための拠点形成』、同『心が活きる教育のための国 際的拠点』、日本動物心理学会、勇魚会(海棲哺乳類の会)

ワークショップ準備委員会
友永雅己(京都大学霊長類研究所准教授)
幸島司郎(京都大学野生動物研究センター教授)
中原史生(常磐大学コミュニティ振興学部准教授)
森阪匡通(京都大学野生動物研究センター研究員)
山本真也(京都大学霊長類研究所大学院生)

発表者
山本真也(京都大学霊長類研究所、日本学術振興会)
松野 響(京都大学文学研究科、日本学術振興会)
友永雅己(京都大学霊長類研究所)
Victoria Horner (Yerkes Primate Research Center, USA)
中原史生(常磐大学)
森阪匡通(京都大学野生動物研究センター、日本学術振興会)
Marie Trone (Dolphin Research Center, FL, USA)
Stan Kuczaj (University of Southern Mississippi, USA)

ワークショップの趣旨

近年、心の進化を探る研究領域である「比較認知科学」は、その対象とする種の幅をここ数年劇的に広げつつある。これまで非常に研究が進んできた霊長類、とくにチンパンジーなどの大型類人猿だけでなく、鳥類でも知性が高いといわれているカラスやカケスの仲間、そしてイルカやシャチといった鯨類などでの研究が海外では盛んになってきた。また、研究テーマの面でも広がりを見せている。これまで視覚認知など物理的世界の認識を調べる研究が主流だった霊長類での比較認知研究は、この 10 数年の間、彼らの持つ社会的な知性を探る研究が精力的に行われるようになってきた。物理的な世界を認識する知性、生態学的環境を認識する知性だけでなく、社会的なかかわりの中で発揮される知性への関心の高まりは、霊長類だけでなく、鳥類や鯨類にも波及しつつある。国内での鯨類の比較認知研究者の数は、霊長類研究者に比べてまだまだ少ない。そこで、本国際ワークショップでは、海外からイルカの行動と認知の研究の第一人者である Stan Kuczaj 氏(University of Southern Mississippi)をお招きするとともに、国内外の鯨類と大型類人猿の若手研究者を糾合して、国内外で進展している研究の現状を共有し、さまざまな形での研究の連携を探る場を提供したいと考えた。多数のご来場をお待ちしております。

問い合わせ:友永雅己 (tomonaga[at]pri.kyoto-u.ac.jp)