第144回例会 開催記録

日本動物心理学会第144回例会
第144回動物心理学会例会のお知らせ

本年度の動物心理学会例会を下記の要領で開催致しますので,多数の皆様のご参加をお待ちしています.

テーマ:社会的行動研究の多様なアプローチ
日時:2007年3月10日(土)午後2時から午後5時まで
場所:大阪市立大学文化交流センターホール(大阪駅前第2ビル6階)
司会:山口哲生(大阪市立大)

講演:
 14:00 – 14:50 服部裕子(京都大)
  「チンパンジーとフサオマキザルの視線認識と身振りの生成」

 14:50 – 15:40 佐伯大輔(大阪市立大)
  「ハトにおける他個体との共有による報酬の価値割引」

休憩

 15:50 – 16:40 菱村 豊(広島国際大)
  「マウスの社会的ストレスによる体表面温度の変化:社会的行動の生理学という視点から」

16:40-17:00 総合討論

指定討論者:
青山謙二郎(同志社大)
中島定彦(関西学院大)
中道正之(大阪大)
以上

なお,懇親会を例会終了後に行う予定です.懇親会に参加される方は,2月末日までに伊藤宛に御連絡下さい(講演者の方は懇親会費無料です)
世話人:伊藤正人(大阪市立大)E-mail: ito[at]lit.osaka-cu.ac.jp TEL 06-6605-2379 or 2382


日本動物心理学会第144回例会報告
伊藤正人教授(大阪市立大学)

日本動物心理学会第144回例会は,2007年3月10日(土)大阪市立大学文化交流センターにおいて開催された.「社会的行動研究の多様なアプローチ」という共通テーマのもと,比較認知,行動分析,神経科学分野から3名の話題提供者に,この共通テーマに関連するそれぞれの分野の最近の研究事例と各自の実験データを織り交ぜた話をしていただいた.比較認知分野からは,服部裕子氏(京都大)がチンパンジーとフサオマキザルの社会的場面における視線認識の問題を自身の実験的研究を通して紹介し,行動分析分野からは,佐伯大輔氏(大阪市大)がハトの他個体との共有による報酬の価値割引の問題を独占餌場と共有餌場の選択問題とした実験的研究を報告した.さらに,神経科学分野からは,菱村豊氏(広島国際大)がマウスを用いて社会的ストレスを体表面温度の変化から見る研究の概要と温度測定装置の検討について紹介した.以上の話題提供に対して,青山謙二郎氏(同志社大),中島定彦氏(関西学院大),中道正之氏(大阪大)の3名の指定討論者から的確なコメントをいただき,発表内容の理解や議論を深めることができた.当日は,21名の参加者があり,例会終了後は懇親会において引き続き議論がなされ,有意義な時間を持つことができた.この場を借りて,話題提供者および指定討論者の皆様に改めてお礼申し上げる.
世話人:伊藤正人(大阪市大)