第135回例会 開催記録

演題:「ハト、サル、類人猿」
日時:2004年3月9日(火) 午後4時 ~ 7時
場所:名古屋キャッスルプラザホテル・3階福の間
講師:ドラ・ビロ(オックスフォード大学)
   エリザベッタ・ビザルベルギ(イタリア認知科学認知工学研究所)
   ジョゼップ・コール(マックスプランク進化人類学研究所)
企画・司会:友永雅己・松沢哲郎(京都大学霊長類研究所)


日本動物心理学会第135回例会報告
松沢哲郎教授(京都大学霊長類研究所)

日本動物心理学会第135回例会は、日本学術振興会先端研究拠点事業HOPEプロジェクト (京大霊長類研究所・マックスプランク進化人類学研究所共同事業)との共催でおこ なわれた。冒頭に、辻敬一郎会員(日本心理学会理事長)と渡辺茂本会理事長から 歓迎の挨拶があった。その後、3名の外国人研究者が講演し質疑をおこなった。ドラ・ ビロ(イギリス、オックスフォード大学動物学部)は、伝書バトのナビゲーションに おいて視覚手がかりが使われていることを、GPSを利用した研究から実証した。エリ ザベッタ・ビザルベルギ(イタリア、認知科学認知工学研究所)は、キャプチンモン キー(フサオマキザル)の食物摂取における他者の採食行動の観察の効果について実 験的研究を紹介した。また、最近ブラジルで撮影に成功した「野生キャプチンのハン マー石を使ったナッツ割り」のビデオを紹介した。ジョゼップ・コール(ドイツ、マッ クスプランク進化人類学研究所)は、チンパンジー・ボノボ・ゴリラ・オランウータ ンの大型類人猿4種を対象として、推論や因果に関する実験のいくつかを紹介した。 一般公開の無料講演会としておこなわれた。参加者は38名だった。渡辺理事長はじ め遠方からの参会者をえて、こじんまりとした和やかな雰囲気の中で、活発な討論が おこなわれた。