AGA(男性型脱毛症)について


AGAとは

AGA(男性型脱毛症):Androgenetic Alopecia

男性や女性において、遺伝的な要因、ホルモンの影響、または生活習慣などによって引き起こされる脱毛症の一種。

AGAは毛髪の質や数の減少が特徴的であり、頭頂部などの特定の部分に顕著に現れることもある。

AGA(男性型脱毛症)の原因

AGAの原因は複数の要因によって引き起こされるが、主に以下のような要因が挙げられる。

  1. 遺伝的要因
  2. ホルモンバランスの変化
  3. 生活習慣
  4. 環境要因

遺伝的要因

AGAは家族歴がある場合により引き起こされやすい傾向がある

ホルモンバランスの変化

男性ホルモンの一種であるテストステロンの変化

生活習慣

ストレス、睡眠不足、不健康な食生活、喫煙など

環境要因

化学物質や放射線などの環境要因

AGAの原因は一つではなく、複数の要因が重なって引き起こされる。

AGAを引き起こす原因を明確にすることは困難であり、個々人によって異なる。

AGAの薬物療法

国内で承認されているAGA治療薬は以下の3種類 主なAGA治療薬一覧

  1. フィナステリド内服
  2. デュタステリド内服
  3. ミノキシジル外用

フィナステリド内服

フィナステリドは,テストステロンをより強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換する II 型5-α 還元酵素に対する阻害剤。

フィナステリド内服の有用性に関して,男性型脱毛症に対する 1 件のシステマティック・レビューと12件のランダム化比較試験、また女性型脱毛症に対する 1 件のランダム化比較試験が実施されている。

フィナステリドの副作用に関して、フィナステリド(1 mg/日、0.2 mg/日)を用いた414 名の「日本人」男性被験者を対象とした観察期間 48 週間のランダム化比較試験に続く 374 名の「日本人」男性被験者を対象としたフィナステリド(1 mg/日)を用いた観察期
間 2 年間の非ランダム化比較試験において、0.2 mg/日から 1 mg/日、プラセボから 1 mg/日に移行した患者で性機能に関する副作用はなく、プラセボから 1 mg/日に移行した患者で 1 例ずつ出現した。胃潰瘍、大腸ポリープに関しても因果関係は不明としている27)。重要な副作用として、頻度は明らかではないが、まれ
に肝機能障害があらわれることがある。

27)川島 眞,溝口将之,五十嵐敦之ほか:男性型脱毛症(AGA)に対するフィナステリドの長期投与(3 年間)試験成績 多施設共同オープン試験,臨皮,2006; 60: 521―530(レベル III)

妊婦または妊娠している可能性のある女性,授乳中の女性への投与は禁忌

デュタステリド内服

デュタステリドは,テストステロンをより強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換する 5-α還元酵素の I 型,II 型両者に対する阻害剤。

男性型脱毛症に対するデュタステリド内服の有用性に関して,1 件のメタアナリシス、3 件のランダム化比較試験、1 件の非ランダム化比較試験が実施されている。

女性型脱毛症に対するデュタステリドの臨床試験は実施されていない.

デュタステリドの副作用に関して、国内非ランダム化試験(120 例,52 週間)では,リビドー減少 8.3%,インポテンツ 11.7%,射精障害 5.0%と比較的高率であった。38)

38)Tsunemi Y, Irisawa R, Yoshiie H, et al: Long-term safety and efficacy of dutasteride in the treatment of male patients with androgenetic alopecia, J Dermatol, 2016; 43: 1051―1058.(レベル III)

妊婦または妊娠している可能性のある女性,授乳中の女性への投与は禁忌

ミノキシジル外用

ミノキシジルの有用性に関して、男性型脱毛症に対する14件のランダム化比較試験と1件のシステマティック・レビュー、女性型脱毛症に対する10 件のランダム化比較試験と1件のシステマティック・レビューが実施されている。

ミノキシジル外用の有害事象として、男女を通して瘙痒、紅斑、落屑、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛などが報告。

ガイドラインでは、ミノキシジルの内服療法は、利益と危険性が十分に検証されていないため、男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに行うべきでなはいと推奨。


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