2003.4.5
Report No.9
臨床 7
腹部のIVR
山形大学医学部附属病院
佐藤 俊光 (東北循環器撮影研究会)
はじめに
IVRという概念は1967年にDr.Margulisによって提唱され、1976年、雑誌cancerにDr.Wallaceが総説を発表した。その特長は症例によるが、なんといっても外科的手術と比較しはるかに低侵襲でありながら、それに勝るとも劣らない効果が得られることである。体にメスを入れなくてもよい、麻酔によるトラブルが避けられるなど患者にとっては大きなメリットである。概念が提唱されてから35年が経つ現在ではデバイスの進歩、開発により適応が拡大され、それにともなう手技の高度化も著しく、頭部から四肢末梢にいたるまで全身をほぼカバーしている。
ここでは、腹部領域の血管系IVRを当院で行っているものを中心に、初学者向きに簡単に紹介する。メジャーなところは書いたつもりであるが、書いていない場合やもっと深く勉強したいという方はIVRに関する書は多く出版されているのでそちらを参考されたい。
1. 肝動脈塞栓療法(TAE:transcatheter arterial embolization)
1-1 概要
1-2 肝臓の血流支配
1-3 適応
1-4 塞栓物質
1-4-1 油性造影剤
1-4-2 ゼラチンスポンジ
1-5 方法
2. 肝動注化学療法のためのリザーバー留置術
2-1 概要
2-2 適応
2-3 血流改変術
2-4 ヒューバー針
2-5 方法
3. バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO:Balloon-occluded retrograde
transvenous obliteration)
3-1 概説
3-2 適応
3-3 胃腎シャント
3-4 肝性脳症
3-5 方法
4. 経静脈的肝内静脈門脈短絡術(TIPS: transjugular intrahepatic portosystemic
shunt)
4-1 概説
4-2 適応
4-3 ステント径
4-4 方法
5. 経皮経肝的門脈枝塞栓術(PTPE:percutaneous transhepatic portal
embolization)
5-1 概説
5-2 適応
5-3 肝の代償性肥大
5-4 方法
6. 腎血管形成術(PTRA :percutaneous transluminal renal angioplasty)
6-1 概説
6-2 適応
6-3 腎血管性高血圧症
6-4 成功率
6-5 方法
7. 消化管出血に対する塞栓術
7-1 概要
7-2 適応
7-3 撮影時の注意点
7-4 金属コイル
7-5 方法
『 腹部のIVR 』
(PDFファイル)
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