2003.1.7
Report No.5
臨床 3
P C I (冠インターベンション
: Percutaneous
Coronary Intervention)
倉敷中央病院 横田 忍
(岡山県アンギオ研究会)
1.はじめに
PCIとは、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患をCatheterによって治療する冠血行再建術の総称である。これは、冠血行再建のため、冠動脈内にGuide
Wire、Balloon、Stentなどの治療器具(デバイス)を挿入して行なう治療を意味する。従って、Guiding
Catheterからt-PAやUKなどの薬剤を冠動脈内に投与する血栓溶解療法は通常PCIに含めない。
PCIへの放射線技師の関わり方は、施設により大きく異なる。FilteringやCollimatingは適切か、状況に応じたI.I.
sizeを選択しているか、X線条件をほぼ決定するFramingは良好か、I.I.が離れて鮮鋭度が低下していないかなどは、放射線科技師の当然の業務として日常行われている。さらに、これら透視や冠動脈撮影のモニター像から得る情報に加え、刻々変化する心電図、血圧、患者さんの症状まで目を向けることができるようになるには、相当の経験、学習、意欲を必要とする。さらに、術者が、病変の形状や性質をどのように認識しデバイスを選択しているのか。どうしてこのGuiding
Catheter、Guide Wire、このsizeのBalloonを選択したのかなどを、共に考えることでPCIの面白さが飛躍的に向上する。術者に近づくと、様々なデバイスのシステム構成を理解することができ、また術者のテクニックや工夫も垣間見ることができる。さらに、清潔な手袋をはめて術者の助手として一歩踏み込んだ業務をこなしている施設もある。
PCIの適応や禁忌は、ACC(American College of Cardiology)/AHA(American Heart Association)のガイドラインを、また合併症や治療成績等は、専門書を参照して頂き、ここでは、主にPCI時の使用器具やデバイスについて記する。
2. PCIの種類
1)POBA (Plain Old Balloon Angioplasty)
2)Stent
3)Atherectomy
4)Aspirationパルスエコー法
3. PCIまでの流れ
1)術前検査
2)薬剤アレルギーの確認
3)前処置
4)術前準備
4. PCIに必要な主な器具
1)シースイントロデューサー
2)インナーシース
3)Guide Wire
4)Guiding Catheter (GC)
5)PTCA用Guide Wire (GW)
6)Y-コネクター
7)インデフレーター
5. デバイス
1)Balloon
2)DCA
3)PTCRA
4)Laser
5)Aspiration Catheter
6)Stent
6.おわりに
『 PCI(冠インターベンション:Percutaneous Coronary Intervention) 』
(PDFファイル 1610KB)
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