2003.2.24
Report No.8
臨床 6

IVRにおける被検者の被曝線量測定と被曝低減対策
                            松山赤十字病院  水谷 宏
                                (愛媛アンギオ研究会)
1.緒言
 IVR(Interventional Radiology)は、他の診療手技と比べ比較的低侵襲で高い治療効果が得られ、大きな成果を上げていることは周知の通りである。しかし、その一方で透視時間が長くなることや撮影回数が増えることにより、被験者の皮膚に確定的な影響を及ぼす線量を与える事もある。現に皮膚科学会等において、IVRによる放射線皮膚傷害例が数多く報告されている。IVRが被験者に多大な利益を与えるものであっても、真にやむをえない事例を除き確定的な影響の発現は容認されるものではない。IVRを安全でより有効性の高いものにするためには、確定的影響の発現を防止し、確率的影響の発現リスクを容認できる水準にする必要がある。そのためには、被験者の皮膚線量等の測定が必須である。
 本講座では、実用的であり、かつ多くの施設で臨床時に実施可能な測定方法について述べる。なお、本講座は日本放射線技術学会学術委員会「IVRにおける被験者被曝線量の測定と防護に関する研究」班(班長:松山赤十字病院 中央放射線室 水谷 宏、班員:九州大学医学部附属病院 放射線部 梅津芳幸、山形大学医学部附属病院 放射線部 江口陽一、自治医科大学 RIセンター 菊地 透、山梨医科大学医学部附属病院 放射線部 坂本 肇、大阪大学医学部附属病院 放射線部 山口和也)の班活動の成果を元にしたものである。
2.IVRにおける被験者被曝線量の問題点
3.各種被曝線量測定方法とその問題点
 3-1 TLD(Thermoluminescence Dosimeter)
 3-2 スキンドースモニタ(Skin Dose Monitor)
 3-3 NDD法 (Non Dosimeter Dosimetry Method)
 3-4 フィルム法
 3-5 面積線量計(Dose Area Product Meter)19)〜21)
4.臨床の現場で実施可能な吸収線量測定法
 4-1 単位の換算
 4-2 アーム角度の補正
 4-3 全線量に占めるPSDの割合
 4-4 面積線量計による測定方法のまとめ
5.カテーテル検査の被曝低減のための環境整備
 5-1 附加フィルタの最適化
 5-2 透視の最適化
 5-3 シネ撮影の最適化
 5-4 システムの性能維持管理
 5-5 術中におけるアーム角度の変更
6.確定的影響の可能性がある被曝があった場合の対処方法22)
 6-1 被験者および家族への説明
 6-2 皮膚科医への説明
7.まとめ





IVRにおける被検者の被曝線量測定と被曝低減対策

                               (PDFファイル 1746KB)
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