(株)東芝 那須電子管工場 医用電子管技術部
三好 邦昌
1.X線の発生
X線は電磁波のある周波数帯に分類されるエネルギ−の一種である。真空中また、固体を通り抜けながらエネルギ−をある場所から他の場所へと運ぶ。 X線は、原子レベルにおいて、ある電荷が高いレベルから低いレベルへ移った時、または、高速で動く電荷が急に減速された時発生する。高速で動く電子の減速により発生するX線照射は”bremsstrahlung” と呼ばれ、これは”制動放射”という意味のドイツ語である。
物質中の電子は原子核を回るあるべき軌道からたたきれることにより電子の穴ができ、原子はエネルギ−的に不安定な状態になる。原子核の最内殻のひとつに電子の欠損が発生すると、すぐに原子核からより離れた殻から電子が移ることで安定した状態になる。この電子の遷移は単一原子特有のエネルギ−をもつ放射線(特性X線と呼ぶ)の発生をともなって起こる。放射線のエネルギ−は、電子欠損の起こった殻と電子の遷移が起こった殻とのエネルギ−レベル差に等しい。しかしながら、ほとんどのX線は”bremsstrahlung”により発生し、特性X線が占める割合は10%以下である。
2. X線管
2-1 陽極と陰極
2-2 焦点外X線
2-3 実効焦点と熱入力の関係
2-4 熱冷却
3.あとがき
X線管装置(PDFファイル 134KB)
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