2001.12.10
Report No.2
臨床 1

心臓カテーテル検査における心内圧測定・酸素飽和度測定
                         東北大学医学部附属病院 中田 充
                                (東北循環器撮影研究会)
T. 心内圧測定
 心内の血行動態や病態の把握、心機能を評価する上で、心臓カテーテル検査にて心内圧波形を測定し解析することは重要なことである。
 右心系では末梢静脈より、スワン・ガンツ カテーテルやウエッジ・プレッシャー カテーテル等の先端バルーン付カテーテルを挿入し、大静脈、右心房、右心室、肺動脈、肺動脈楔入部等で心内圧測定を行う。肺動脈楔入圧は、肺動脈末梢において血管腔を先端孔カテーテルで完全に楔入させるか、バルーンを用いて楔入させ圧測定するもので、記録される圧波形は時間的な遅れが見られるものの、肺毛細管床を通して肺静脈圧や左心房圧を反映する。
 また、左心系では末梢動脈より逆行的にピッグテールカテーテル等を進めて左心室、大動脈等で心内圧測定を行う。なお、ASD等の欠損孔を介して経静脈的に左心カテを行うこともある。
1. 測定方法
2. 心内圧周期
3. 各部位における心内圧波形
4. 引き抜き圧測定・同時圧測定

U. 酸素飽和度測定
 心内および大血管内部の様々なレベルにおいてサンプリングを行い、酸素飽和度を測定することは、心大血管系の短絡の存在、方向、および量の決定に役立ち、先天性心疾患の血行動態を評価する上で重要である。
 動脈血の酸素飽和度の正常値は95%以上であり、これを下回るようであれば右→左短絡が疑われる。また、肺動脈血の酸素飽和度の正常範囲は75〜80%であり、予想以上に高い数値を示すときは左→右短絡の存在が疑われる。右心系において短絡部位を越えた位置で酸素飽和度の上昇に加え、動脈血の酸素飽和度の低下が存在すれば,両方向性の短絡を示唆している。
1. 測定原理
2. 短絡血流量




心臓カテーテル検査における心内圧測定・酸素飽和度測定
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