Last modified: Mon, 17 Mar 2014 16:10:07 +0900
調査開始から、ずいぶんと時間が経ってしまい、報告が遅くなってしまったことをまずお詫びいたします。
この調査では、みなさまからの回答をいただいた後、いくつかの学会発表を行ってきました。またようやく論文発表も行うことができました。以下に、学会発表および論文発表の概要を簡単に説明しております。
少子高齢化が進む日本で、少子化対策がうまくいったと仮定した場合、感染症対策を同時に考えていないと、より感染症が流行しやすい社会になってしまう可能性が示唆された。
全世界的に新型インフルエンザの発生が危惧されています。感染が起こらないにこしたことはありませんが、仮に発生した場合、その被害を最小限に食い止める必要があります。この研究は、もし鳥インフルエンザがヒトからヒトへの感染能力を獲得した場合の新型インフルエンザがどのように拡大するか予測するための基礎データを収集するためのものです。私どもからの郵送物を受け取られた方は、ぜひご協力いただきたくお願いいたします。
近年、アジアを中心に鳥インフルエンザの報告が増加しています。すでに東南アジアにおいては、ベトナムやインドネシアで鳥からヒトへの感染が頻繁に見られるようになり、ヒトからヒトへの感染が危惧される段階(WHO)にあります。もし仮にヒトからヒトへの感染能力を獲得されると、人類にとって未知な感染症「新型インフルエンザ」となり、重大な被害が予想されます。特に宮崎では、2007年1月に清武町において鳥インフルエンザが報告されており、流行への警戒とともに、仮に新型インフルエンザの流行が起こった場合の備えが重要な課題となっています。この際、前もって医療体制を整えることと、感染被害を最小に食い止めるために感染の広がりを予測することが非常に重要になります。
新型インフルエンザのような未知な感染症の広がり方を予測するには、コンピュータを用いて数学的に行う方法が有効で、数理モデルと呼ばれています。しかし、この数理モデルに必要な要素である「感染に関係するヒトの行動」についてのデータはここ宮崎では十分に調査されていません。「感染に関係するヒトの行動」が感染症の広がり方に与える影響は大きく、より正確な予測を行うためには、その地域における「感染に関係するヒトの行動」の詳細なデータが不可欠となります。たとえば、2006年に東京の満員電車を止めることで新型インフルエンザの広がりを3割程度防ぐことができるといった研究結果が報告されましたが、人口密度が高く、電車など公共交通機関が発達し、ヒト同士の接触の機会が多い都市部と、公共交通機関の発達が遅れ、自動車での移動が必要不可欠な地域においては、ヒトの接触行動について大きな違いがあり、この研究をそのまま宮崎県に当てはめることはできません。
そこで我々は、感染拡大予測のための基礎資料として「感染に関係するヒトの行動」について清武町の実態調査を計画しました。この調査で得られた結果から、仮にこの地域で新型インフルエンザが流行した場合どのように拡大し、被害がどの程度になるか予測するとともに、いかにすればその拡大を最小限に食い止められるかを検討したいと考えております。その結果、明らかに有効と思われる対策が見つかれば清武町および宮崎県、宮崎市に積極的に提言していくとともに、学会で発表させて頂きたいと思います。
この調査に参加するかどうかは皆様の自由です。この調査に参加しないことで何か不利益を被ることはありません。
最後に、この調査は、清武町の依頼により行われており、倫理的に問題ないかどうか宮崎大学「医の倫理委員会」に申請し受諾されております。
この研究の質問紙で得られた情報には個人を特定する情報はありませんので、この情報によって個人が不利益を被ることはありません。また、万が一に備え、皆様からの回答は厳重に管理いたしますので、漏洩する心配はありませんのでご安心ください
郵送されたアンケートに回答することでこの調査への参加を同意したものと判断いたします。また、調査への協力を辞退する場合は、アンケートに回答せず、そのまま破棄してください。この調査には、個人を特定できる情報を記入する欄はありません。くれぐれも欄外に住所や氏名を記入されないようにしてください。一度、アンケートを送付した後では、こちらも個人を特定できないため、協力の辞退はできなくなります。あらかじめご理解ください。
この調査に参加することで、直接的な利益はありませんが、新型インフルエンザが仮に流行した場合の備えとして重要な情報を提供できるようになるかもしれません。また参加することでの費用負担等の不利益は全くありません。
質問等がありましたら下記連絡先にご連絡下さい。またこの調査の結果もウェブサイトにて随時公開する予定です。興味のある方はぜひご覧下さい。
長崎県立大学看護栄養学部栄養健康学科