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第3回日本神経内分泌腫瘍研究会学術集
会長 笹野 公伸
東北大学大学院医学系研究科 病理診断学分野

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この度、第3回日本神経内分泌腫瘍研究会学術集会を平成27年9月12日に仙台市で開催させていただく運びとなりました。

日本神経内分泌腫瘍研究会(JNETS)は、希少疾患である神経内分泌腫瘍(NET)に関する調査と研究を行い、その診断、治療に関する国内の知見を集約、普及を図るとともに、その成果を国内外に発信する事を目的に、京都大学名誉教授の今村正之先生を理事長として平成24年に発足致しました。発足後は全国のNET患者の登録事業、各種診断、治療に関する委員会を立ち上げ、国内の資料環境の調査、進歩に向けた取り組みを行っておるところです。年1回行います学術集会は、研究会の取り組みを発表するとともに、国内外の研究者がその成果を披露し、会員間で知見を共有する重要な機会であると考えております。特にこの学術集会はNETに関心のある消化器/内分泌/呼吸器外科医、腫瘍/消化器/内分泌内科医、病理診断医など多くの領域の関係者が一同に介する本邦におきますNETに特化しました唯一の研究会です。

平成27年9月に開催致します第3回学術集会では、テーマを「NETの診断と治療の個別化に向けて」といたしました。NETは他の悪性腫瘍と比較して多くの標的治療が導入されてきております。 予後因子もKi67標識率などを用いる事でエビデンスに基づくより正確な検討が個々の患者で可能となって参りました。 しかし小さな生検検体などでどのように正確にこれらの因子を同定していくのか? 又新規標的治療に関し個々の患者で治療標的をどのように正確に再現性を持って検索すれば良いのかなどはまだまだ検討が必要であります。 このような観点から、今回の研究会ではこれらの領域に関します2つのシンポジウムを計画しております。 イタリアのGuido Rindi教授にその定義の変遷も含めましてNEC/NENG3の最新の話題と、ENETS ( Euroepan Neuroendocrine Tumor Society)がNET患者の診断/治療を定められたセンターで集中して行おうと規範しましたCenter of Excellence (COE)の選択基準とその実態に関して最新のトピックを講演していただく事になっております。 COEに関しては、いわばNET拠点病院のみに希少疾患であるNET患者の診断/治療を集約化しようとする試みが本当にうまくいっているのかどうかが本邦でも興味がもたれるのではないかと考えます。 国内からも講師をお招きして教育講演を行う予定にしております。このように第3回JNETSは、国内外の最新知見を持ち寄り、活発な討論を行っていただくことで、NET患者の診断と治療の着実な進歩へ貢献するものと考えます。ぜひ多くの先生方に演題をご提出いただき、初秋の杜の都で熱い討論が交わされることを期待しております。 宜しくお願い申し上げます。