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学会長挨拶

第69回学会長挨拶

 令和6年2月5日(月)と2月6日(火)の2日間にわたり、第69回四国公衆衛生学会総会及び令和5年度四国公衆衛生研究発表会を、徳島県徳島市のあわぎんホールで開催することとなりました。徳島県での開催は令和2年以来4年ぶりとなります。
 本学会の特別講演・シンポジウムのメインテーマは、「子どもまんなか社会の実現に向けて」としました。特に、母子保健を含めた子ども・子育て支援について考える機会になればと期待しています。
 母子保健は、生涯を通じた健康の出発点であると同時に、次の世代を健やかに生み育てるための基礎となるものです。この母子保健の指標である妊産婦死亡率、周産期死亡率、乳児死亡率では、我が国は世界的に低い水準にあります。母子保健法、児童福祉法のもとで整備されてきた母子保健の取組みと、医学の進歩が相まって、わが国の母子保健は世界のトップレベルにあると考えられます。
 一方で、社会環境の変化、経済成長の鈍化を背景に、少子化の進行、母子のメンタルヘルスの悪化、家庭内暴力、子どもの虐待といった課題が顕在化しています。このため、子育て世代包括支援センターの設置、産後健診・産後ケアの実施といった新しい母子保健の取組みが全国各地で始まっています。また、令和元年12月には、成育基本法(略称)が施行され、母子保健を含めた子ども・子育て支援の取組みの法的基盤も整備されました。
 我が国においては、妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目のない支援と、妊産婦等の個々の状態に応じて包括的に対応できる体制の整備が求められています。このような背景を踏まえ、本学会では地域、四国、日本の子ども・子育て支援の現状と将来について様々な観点から意見交換できればと考えています。
 最後になりましたが、本学会は、四国四県の公衆衛生をはじめとする保健・医療分野の関係者が一堂に会する貴重な機会でもあります。一般演題の申し込みを含め多くの方々のご参加をお待ちしています。何卒、よろしくお願い申し上げます。

第69回四国公衆衛生学会
令和5年度四国公衆衛生研究発表会
学会長 森岡 久尚
(徳島大学大学院医歯薬学研究部公衆衛生学分野 教授)