セミナー・開催報告

第8回 多発性付着部炎セミナーのお知らせ

開催期日 令和6年(2024年)4月19日金曜日午後7時15分開始
開催形態 現地開催
場所 神戸商工会議所会館第2会議室(JCR2024会場の北隣に建物の3階)
参加費 無料
※事前参加登録不要
開催内容 テーマ「付着部炎の痛みを考える」
疼痛・緩和専門医による特別講演「脊椎関節炎と仙腸関節痛の関連」を予定しています。

開催報告

第7回多発性付着部炎セミナーを開催して

令和3年10月30日

本邦のリウマチ学における多発性付着部炎の位置づけは小さく、リウマチ専門医においてもこの疾患を理解しているとは言い難い現状です。その結果、多くの患者は正しく診断されず、適切な治療を受けにくい状況にあります。

この現状を打破するには国内の診療のレベルを上げ、全国の医療機関で真摯な取り組みがなされる必要がありますが、そのために必要な研修の機会は限られており、さらなる教育の場の設立が望まれております。

わたくし共は、本疾患の啓蒙、エキスパートの養成と専門医間のネットワークの構築を目的に、「多発性付着部炎研究会」(以下、本会と略)を平成25年に設立し、第1回セミナーを品川で開催後、年1回のセミナーを過去6回にわたりそれぞれ50余名の参加者を得て開催してまいりました。セミナー開催により、専門医間の全国的かつ診療科横断的な連携を活性化し、会員あるいはセミナー参加者間の学術的交流を生み出しましたが、このような取り組みは会員およびセミナー参加者から、非専門医や一般医への二次的な啓蒙の拡がりが期待されるものであります。

本会は、学術団体として、欧米における本疾患の新たな知見の紹介とともに、会員の意識調査、診療実態のアンケート調査などを介して本邦の現状と問題点の把握に尽力しております。特に後者は、本邦において付着部炎を学術的に根付かせるためには必須の作業であり、本会の基盤的事業として推し進めております。

このように本会は、従来型の研究会とは一線を画し、ソーシャルメディアを含めた多様な形での医療内外への社会貢献を目指すもので、本邦における本疾患の診療にあたる者の拠って立つ場でありたいと考えております。更なる発展を目指し、東京の地で令和2年4月25日研究会開催予定でしたが、コロナ禍の影響で延期となり同年10月24日16時より約2時間にわたり、「第7回多発性付着部炎セミナー」をウェブ開催いたしました。

第7回セミナーでは付着部炎の理解を深めるという意味で「腱鞘滑膜炎を科学する」というテーマで、関節リウマチで関節炎のみならず臨床的に共存することが多い腱鞘滑膜炎に関して東仙台リウマチ科内科クリニックの泉山朋政先生に関節炎のみならず臨床的に共存することが多い腱鞘滑膜炎に関して特別講演をお願いしました。また付着部炎を伴う症例検討もあわせて総合討論させていただきましたので記録集を送らせていただきます。このような基盤的な取り組みが将来の医療に貢献し、疾病克服および患者の苦しみからの開放に繋がると信じ、明確な目標を掲げ歩み続けていきたいと考えております。

第7回多発性付着部炎セミナー 会長  片山 耕

セミナー風景

第6回多発性付着部炎セミナーを開催して

2019年8月

2013年に発足した多発性付着部炎研究会は毎年、日本リウマチ学会総会・学術集会に合わせて多発性付着部炎セミナーを開催し、今回第6回目を行うことができました。例年は土曜日の学会最終日、閉会後に開催しておりましたが、今年は曜日が異なるため学会開催前の日曜日に変更して開催致しました。学会会場とは離れた会場でしたが、63名もの先生方に参加して頂き、活発な議論がなされました。改めて御礼申し上げます。

私自身が付着部炎という概念を知ったのは8年前です。炎症反応陰性の(ことが多い)炎症病態であり、”骨の出っ張りに一致したピンポイントの痛み”であって、”そのつもり”で診なければ検出できない付着部炎をいかに診断するかに関心を持ち、自分なりに診療を続けて参りました。8年前当時と比べれば、脊椎関節炎をテーマとする講演会やシンポジウムが大変多くなりました。その中で付着部炎という言葉を聞く機会は増えましたが、実臨床でどのように付着部炎を診るか、という議論はあまりされていないように感じています。一方、本研究会は付着部炎の診療について自由に相談・討論できる、国内でも数少ない場を提供してきました。

そこで、第6回目セミナーのテーマは「エキスパートが語る付着部炎の日常診療」としました。本領域の診療をリードしてこられ、また個人的にお話を伺いたかった4名の先生に講演を依頼しました。①付着部炎診療との出会い(初めて診断した症例)、②普段の付着部炎臨床診断(典型例)の2点についてお話し頂き、まさに明日からの診療にすぐに役立つ学びを得られたと確信しております。会員の先生方、当日御参加頂いた先生方には抄録集を送付させて頂きました。

今後も本研究会では、定期的な新着論文のメーリングリスト配信、参加者同士が自由に議論できるセミナーの開催などを通して会員の先生方とともに付着部炎の概念、診療について理解を深めていくことができましたら幸いです。

御参加・御協力頂いた皆様には改めて深謝申し上げます。

第6回多発性付着部炎セミナー 会長  鈴木 康倫

セミナー風景

第5回多発性付着部炎研究会セミナー開催される

2018年4月

2013年に発足した多発性付着部炎研究会は毎年、日本リウマチ学会総会の最終日閉会後に多発性付着部炎セミナーを開催し、今回は第5回目を行うことが出来ました。3日間の学会の後にもかかわらず東京国際フォーラムガラス棟6階に41名の先生方に参加していただき、活発な討論が行われました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

数年前より脊椎関節炎、付着部炎、指趾炎、炎症性腰痛など、これまでに聞きなれない病名、症候名を頻繁に耳にするようになってきました。しかし、この脊椎関節炎と言う症候群は漠然としており、分類基準の理解、解釈も各担当医によって統一されているとは思えません。私自身も他の先生方と同じように理解しているのか、異なって理解しているのか、なかなか確認することも容易ではありません。

そこで、今回、セミナーのテーマを “日常診療でもっと付着部炎に目を向けよう!” として、いろいろな症例を提示していただき、参加者から、いろいろな意見を賜りたいと考えました。参加した先生方から多くの意見を、それぞれの異なる診療科の参加者を尊重しながら、自由に、いろんな意見を出し合えば、最終的に脊椎関節炎の分類、診断、治療法に対してもある程度のコンセンサスが得られるのではないかと思いました。そうすることで、自分自身の理解が他の先生と同じなのか、異なるのかが確認出来ると考えました。実際のセミナーの自由討論の場では様々な有意義な意見がたくさん出されました。いろいろな症候、症状の解釈であっても、各担当医によって微妙に異なるところがあることがはっきりしました。大きな研究会ではなかなか実現が困難である、それぞれを尊重し自由に意見を述べ、検討できる雰囲気で会を開催することが出来ました。

同じような患者さんを、異なる科の医師が診療し、それぞれの意見を述べ合って検討していけば脊椎関節炎、多発性付着部炎という疾患がある程度、はっきりと見えてくると信じて、患者さんを診ていきましょう。最終的に患者さんの状態が改善し、満足していただくことが我々の、また、本研究会の目指すところでありますから。
準備等、いろいろと慌ただしかったですが、無事に会を開催できましたこと、御礼申し上げます。例年のようにセミナーの内容を掲載した抄録・記録集を作成し、会員の先生方には送付しております。日常診療のお役にたてば幸いです。

第5回多発性付着部炎セミナー 会長 佐藤 正夫

セミナー風景

EULAR2017 Madrid 報告 鈴木康倫世話人報告

2017年11月

欧州リウマチ学会(EULAR)が、2017年6月14日から17日までスペインのマドリッドで開催されました。

EULAR2017 Madrid 参加報告

第27回学術集会 2017年10月 秋岡親司世話人代表報告

2017年10月

第4回多発性付着部炎研究会セミナー開催される

2017年4月

2013年春に発足した多発性付着部炎研究会ですが、今回無事に4回目のセミナー開催を迎えることができました。日本リウマチ学会総会(JCR2017)最終日閉会後にご参集いただいていることから、今回は福岡の地での実施となりました。JCR最終日ということもあってお疲れのところ、35名の先生方にご参集いただき、ありがとうございました。

脊椎関節炎や付着部炎といったことばが演題名やセッション名に登場するようになり、この領域の認知度がリウマチ専門医においては意識されつつあると感じられる一方で、まだまだ実臨床では漠然とした感がぬぐえない印象があります。本セミナーでは付着部炎の啓蒙活動と理解を深める目的で、興味ある内容とすべく構成を検討いたしました。テーマは“付着部炎を診て、脊椎関節炎を知る”とさせていただきました。第3回セミナーでも好評であった付着部炎と脊椎関節炎をキーワードとした鈴木康倫先生の“Update in 付着部炎”の続編となる2016年度総括報告を筆頭に、会員の先生方に付着部炎をさらにご理解いただくための企画として私からはショートレクチャーとして“腱付着部症(腱付着部炎)の病理について”を発表させていただきました。さらに注目されている画像診断のトピックとしては岡野匡志先生をお招きして“末梢性脊椎関節炎(peripheral SpA)における超音波検査所見について”とのご演題でご講演いただきました。

会員相互の意見交換を大事にしたいとの観点から、セミナー後半で会員からの興味ある症例の供覧と討議という企画で、当研究会代表世話人である秋岡親司先生から“付着部炎に伴う疼痛障害をどう捉えるか? -病態理解と治療介入の可能性-”として疼痛障害と自律神経障害を来した症例を、また昨年から世話人になっていただきました片山耕先生から“多発関節痛と安静時腰背部痛の1例、背部重苦感を呈した1例”をそれぞれ供覧いただきました。

いずれも大変参考になる報告・講演でしたが、なにぶん短時間のセミナーでしたので十分な意見交換の時間がとれず大変申し訳なく思いました。せっかくですのでこれらの貴重な知見を先生方と共有すべく、参加いただきました先生方ならびに会員先生の皆様に記録集として本セミナー資料を送付させていただくことにいたしております。日々の日常診療に少しでもお役にたてていただければ幸いに存じます。

最後に、セミナー開催に御尽力賜りました関係各位ならびに御参加頂きました諸先生方に心より厚く御礼申し上げます。

第4回多発性付着部炎セミナー 会長 森田 充浩

セミナー風景

第3回多発性付着部炎研究会セミナー開催される

2016年4月

平成28年4月23日にパシフィコ横浜会議センターで、例年通り第3回多発性付着部炎セミナーを行った。参加者は51名で初参加は28名であった。 講演は3部構成で、金沢大学の鈴木康倫先生にPubMed海外文献情報の動向からみた世界のトレンド解析を、国立リウマチ膠原病クリニックの阿部治男先生と自治医大の杉本英治先生に症例ベースの画像診断解説を、そして京都府立医大の大内一孝先生に付着部炎診療のための関節超音波検査について話をして頂いた。

座長は森田充浩世話人(藤田保健衛生大)、佐藤正夫世話人(松波総合病院)、斉藤究先生(さいとう整形外科リウマチ科)にお務め頂いた。鈴木先生のトレンド解析は研究会のレギュラーサービスであるPubMed Weekly Updateの総括にあたり、欧米の主要論文を踏まえた教育的内容であった。画像診断に関しては、ASASのMRI基準をどう臨床医として総合診断するか、改めて難題を突きつけられた形となった。

超音波検査はすでに多くの施設で導入されていることがわかった。加えて、昨年同様、今年の2〜3月に行った会員アンケートの結果を秋岡親司世話人が報告した。今回は七川歡次名誉顧問が提唱された多発付着部炎を現時点でどう位置づけるかの意識調査が主題であった。今後の議論の起点となる可能性が指摘された。

多くの質問が参加者からあり、活発な議論が展開された。セミナーおよびアンケートのみならずエキスパートである会員参加型で引き続き議論を続けていきたい。研究会で来年は福岡で今回同様、日本リウマチ学会学術集会終了後に行う予定である。

文責:秋岡 親司(第3回多発性付着部炎セミナー会長)

セミナー風景

  • 秋岡代表世話人

  • 森田世話人

  • 杉本世話人

  • 鈴木世話人

  • 後藤氏

  • 大内氏

日本線維筋痛症学会 第7回学術集会 2015年10月 浦野房三世話人代表報告

2016年2月

ACR2015 AS関連速報 2015年11月 佐藤正夫世話人報告

2016年2月

第25回日本小児リウマチ学会 学術集会 2015年10月9日-10日 秋岡親司世話人報告

2015年11月

第43回日本関節病学会 シンポジム 2015年11月5日-6日 佐藤正夫世話人報告

2015年11月

日本脊椎関節炎学会 第25回学術集会 参加報告

2015年10月

2015年9月12日、倉敷市にて日本脊椎関節炎学会第25回学術集会へ参加致しました。会場は倉敷美観地区の中にあるアイビースクエアで、観光を楽しまれた参加者も多かったようです。

抗IL-12/23p40抗体製剤であるウステキヌマブ、抗IL-17抗体製剤であるセクキヌマブの承認に伴い、乾癬性関節炎に関する講演、演題が目立ちました。次いで、強直性脊椎炎の演題がみられ、少数ながら末梢性脊椎関節炎、SAPHO症候群の演題がありました。特別講演では本年7月から難病に指定された強直性脊椎炎について、指定に至るまでの経緯、重症度基準の策定方法に加え、制度運用にあたっての留意点の解説がありました。また、脊椎関節炎全般について、X線、CT、超音波検査、MRI、FDG-PET/CTから最新のFluoride-PET/CT, MRIに至るまで画像診断を概説するシンポジウムがあり、大いに診療の参考となる内容でした。2015年9月現在、学会会員数は146名、学会参加は200名超で、一般演題の数は30で、朝から夕方まで活発に議論されました。

また、学会として強直性脊椎炎に対する全国疫学調査およびガイドライン作成について準備中である旨、報告がありました。

一言に脊椎関節炎といってもその病態は多岐に渡っており、今回最も注目された乾癬性関節炎のように生物学的製剤が革新的な治療成果を挙げている領域から、末梢性脊椎関節炎のように治療に関して課題が残る領域まで、幅広い疾患群であることを実感しました。炎症性背部痛や付着部炎といった症候を軸に脊椎関節炎全体を広く捉え、知識を診療に還元するためには幅広い分野の勉強を続けることが必要であると、気持ちを新たにした学会でした。

金沢大学附属病院 リウマチ・膠原病内科 鈴木 康倫

第2回多発性付着部炎研究会セミナー開催される

2015年4月

4月25日午後5時半から名古屋市、愛知県産業労働センター・ウインクあいちにおいて、多発性付着部炎研究会第2回セミナーが開催された。参加者は約40名であった。

最初に片山整形外科リウマチクリニック(北海道旭川市)の片山耕先生が座長をつとめ、岐阜県松波総合病院リウマチ科の佐藤正夫先生が「脊椎関節炎(SpA)をどの様に理解すべきか -今まで診てきた症例を省みて-」を講演された。続いて、八田和大先生(天理よろづ相談所病院)の座長により、大阪市立大学医学部付属病院の後藤仁志先生が「気をつけよう、内科診療でもしばしば遭遇する付着部炎」を講演。次に首藤敏秀先生(宮崎県千代田病院整形外科リウマチ科)の座長により、藤田保健衛生大学整形外科の森田充浩先生が「整形外科外来における脊椎関節炎(SpA)診療-他疾患との鑑別と治療経験を踏まえて-」を講演。最後は今年1月から2月に当研究会で施行したアンケートについて「多発性付着部炎研究会第1回アンケートの結果について」を秋岡 親司世話人(京都府立大学小児科)が発表した。
昨年の出席につづいて参加された会員も多く、地域で診療に苦労している医師たちにとって参考になる発表であった。

セミナー終了後、同じ階の会議室において、情報交換会が行われた。約半数の18名の参加があり、友好的な雰囲気で幕を閉じた。

セミナー風景

EULAR 報告

2014年11月

2014年6月にパリで行われたEULARに参加し、脊椎関節炎関連の演題を中心に聴講してきました。特にドイツのSieper教授、Braun教授の講演を伺い、短時間ですがお話させて頂きましたので報告致します。

自身二度目のパリでしたが、EULAR参加は初めてで大変有意義でした。初日のオープニングセレモニーでは、歌・ダンス・アートのパフォーマンス等々、非常に豪華で海外の学会に来たことを実感しました。一方、日本人の参加者・発表者も多く、日本の学会ではあまりお話しできない著名な先生方と(気軽に?)お話させて頂く機会を得ました。

鈴木 康倫先生 手記全文を読む

2014年11月 加賀市民病院 内科/金沢大学附属病院 リウマチ・膠原病内科 鈴木 康倫 記

  •  満月とライトアップされたエッフェル塔 / EULAR会場の概観

  • 上からSieper、Braun両先生のサイン

日本線維筋痛症学会 第6回学術集会を開催して

2014年9月

日本線維筋痛症学会 第6回学術集会が 2014年9月13日(土)、14日(日) JA長野県ビル(長野市)にて開催されました。

日本線維筋痛症学会 第6回学術集会を開催して

第1回多発性付着部炎研究会セミナー開催される

2014年4月

4月26日午後5時半から東京品川区、AP品川のホールにおいて多発性付着部炎研究会第1回セミナーが開催された。参加者は49名でありほぼ予想通りであった。

会に先立って、4月21日にご逝去なさった当研究会顧問の七川歓次先生への黙祷が捧げられた。講演は浦野世話人(JA長野厚生連 篠ノ井総合病院)が「脊椎関節炎からみた多発性付着部炎−強直性脊椎炎と付着部炎−」、小竹世話人(東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター)が「腸炎性関節炎」、杉本世話人(自治医科大学放射線医学/放射線科)が「脊椎関節炎 Spondyloarthropathies: 特に早期のMRI所見について−画像所見によるSpA分類−」、今野世話人(時計台記念クリニック リウマチ科)が「広範囲疼痛 Widespread painと付着部炎」、秋岡世話人(京都府立医科大学小児発達医学/小児科)が「こどものからだの痛みにおける多発性付着部炎」を講演した。

参加者は脊椎関節炎に造詣の深い医師が多く、熱心な討論が交わされた。特に小児科領域では専門的な内容が数多く質問された。終了後、品川駅近くの日本料理店で懇親会が開かれ、約10名が参加。次回への課題などが話し合われ、友好的な雰囲気で幕を閉じた。

セミナー風景

  • 浦野世話人

  • 小竹世話人

  • 杉本世話人

  • 今野世話人

  • 秋岡世話人