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香取研究室は、医学誌、盲人史、東洋医学をメインに研究しています。

香取研究室です。医学誌・盲人史・東洋医学の歴史の探索にようこそ。

はじめに

  •  筆者は江戸幕府の医療制度を概括的に研究し、その中で盲人達がどのように活躍し、そこから、盲人鍼医の代表的人物、杉山 和一(1610〜1694年)の歴史的な位置づけなど考究してきました。ホームページにアップすることで、多様な問い合わせを受けて思わぬ発見もありました。
     このデータもホームページにアップして10年近くとなり、多くの方に利用されているとのありがたい声をお聞きしています。

     筆者は長年群馬県立盲学校に奉職してきましたが、2007(平成19)年4月から特別支援教育が始まり、盲学校も視覚特別支援学校として改革していくことになりました。
     しかし、本稿では「盲学校」と記していきます。
     また、視覚障害者のことも「盲人」と記していきます。
     さて、筆者の奉職もあと数年となってきたことなども含めて考え、2014年以降は群馬県立盲学校内のホームページから個人用のホームページに変更することにしました。

     更に、研究を進めていて盲人にとって「鍼按摩」に止まらず「鍼灸・按摩」の貢献を立証できるようになり、今後は「盲人史・鍼灸・按摩」と表題を変えることにしました。


     研究面では、大きな変化も生まれています。
     ここ10年間、内藤記念くすり博物館から杉山和一の師匠の入江流の秘伝書や東京の墨田区・江島杉山神社から杉山真伝流の秘伝書が発見されて、その研究はめざましく、大きな成果を上げています。

     国立国会図書館では近代デジタルライブラリーという画像データ群があります。インターネットで、自宅にいながら著作権の切れた貴重な書籍をダウンロートできるようになってきました。近代の鍼灸についてもデータを集めてみました。

     更に、盲人の芸能面や鍼医以外の盲人(例えば塙保己一など)の情報、近代盲学校のデータなど
    按摩笛の音や画像を含めて、新たな情報を沢山加えました。

     歴史をひもとくと、どの時代にも逆風はあり、視覚障害者はその中で努力を重ね、成果を挙げてきたことが見えてきます。
    このページの内容が、先人たちへの感謝や受け継がれてきたものの重み、そして、未来へと歴史を切り開く勇気を持てるきっかけとなれば、本当にうれしいです。
     
    以下、内容を5編にまとめました。

    **今後の内容がさらに充実するよう、ご叱正いたたげれば幸いです。
  • 第1編 江戸時代までの盲人の歴史と、杉山 和一に関する内容を主に取り上げました。
  • 第2編 江戸時代から現代へ至る盲人教育の歴史について
    群馬県立盲学校の歴史を紹介しています。

  • 第3編 盲学校の理療教育に必要と感じる基本的な事項、問い合わせの多かった事項、新しく分かった事柄等をQ&A形式で述べてみました。

  • 第4編 杉山和一 生誕四百年式典の様子を紹介し、杉山和一の遺徳を偲ぶとともに、鍼灸の今後について筆者の考えをQ&A形式で述べています。
  • 第5編 これまで筆者が、発表・寄稿してきた文章を掲載しています。



     振り返りますと、2012年には私の敬愛する長尾榮一先生が2月に急逝され、親がいなくなったような寂しさを感じました。疑問や試案を批評してくれる方が一人いなくなってしまいました。5月には8年に及んだ第二次経穴委員会作業部会も解散され、それまでの多忙な毎日がなくなりました。
     今後は、天国の長尾先生に届くように研究を高め、その報恩となり、御霊を安んじられるように邁進します。

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