静岡大学東部キャンパスには生命科学の研究・教育に携わる多くの方々がいらっしゃいます。研究は基礎から応用まで、その研究分野は生物学から化学まで、また、研究対象は微生物から哺乳類までと多種多岐に渡っています。そのため、なかなか一つの話題を話し合うことが出来ないのが現状です。しかしながら、生命科学を研究する上で、共通の話題・問題があると思います。そこで、生命科学研究を指向する方々のネットワーク作りを目的として、生命科学懇話会を発足させることにしました(96/05/24 河田雅圭・近江谷克裕)。
第178回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年12月17日(木)17:00-18:00 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
上村 陽一郎 先生 (Department of Cell Biology, Johns Hopkins University, School of Medicine) |
演 題 |
『走化性を制御するTorC2-PDK-PKB経路に関する研究』
細胞の走化性は、化学物質に対する遊走あるいは忌避といった細胞運動を伴う現象で、生物学の多くの場面で観察される。細胞性粘菌(Dictyostelium discoideum)は、栄養飢餓状態において細胞外に放出されたcAMP(cyclicAMP)に応答し、明確な前後軸を持つ形態で濃度勾配の高い方へと移動することから、走化性研究のモデル生物として精力的な解析がなされてきた。走化性は複数のシグナル伝達系から構成されると考えられるがその全貌は明らかでない。そこで、新たなシグナル経路を同定するため、cAMPに応じたリン酸化タンパク質の変化を調べた。その結果、TorC2 (Rapamycin insensitive Tor Complex 2)-PDK-PKB(Protein Kinase B)経路が走化性に重要な機能をもつことを見出した。TorC2とPDKはPKB の異なる部位をリン酸化し活性化へと導く。また、この活性化は走化性中の細胞前端でのみ特異的に起こっており、このような空間的制御に低分子量GTP結合タンパク質RasCが関与していた。今回、これらの結果を中心に、走化性の分子機構について紹介する。 |
問合先 |
静岡大学理学部生物科学科 丑丸敬史 TEL: 054-238-4772 E-mail: sbtushi ![]() |
第177回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年12月17日(木)16:00-17:30 |
会 場 |
静岡大学農学部B棟210室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 前島 正義 先生 (名古屋大学生命農学研究科) |
演 題 |
『膜輸送システムから学ぶこと:イオンポンプと金属輸送体、天然変性タンパク質』
ヒトもシロイヌナズナも2、3万の遺伝子のうち千前後の遺伝子が膜輸送に関わるとされています。私たちはいくつかの膜輸送タンパク質の発見、同定、単離に携わることができました。その一つH+輸送性ピロホスファターゼ(H+-PPase)は、既知のF型、P型等のATPaseとは全く異なり、たった一本のポリペプチドがユニークなピロリン酸(二リン酸)を基質とし、H+を能動輸送します。H+-PPaseはアグロバクテリウムやマラリア病原虫にも存在しますが、とくに植物の液胞膜に局在する分子に焦点を当てて生理的役割、分子構造や作動機構の解明を進めてきました。この点を紹介すると共に、プロトンポンプと二人三脚で機能するZn2+/H+交換輸送体の構造と生理機能についても合わせて紹介します。また、脂質修飾を受けて細胞膜に局在し、金属結合特性をもつ新発見の天然変性タンパク質も、その機能は未知ですが三合目付近の研究成果を紹介させていただきます。 ※今回、前島先生には、農学研究科特別講義の講師としてお越しいただきますが、別途、このような研究セミナーを開かせていただきました。貴重な機会ですので、植物関係の研究者に限らずご参加いただければと思います。 |
問合先 |
静岡大学農学部 原 正和 TEL: 054-238-4772 E-mail: masahara ![]() |
第176回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年12月14日(月)14:00-15:30 ←★変更★ |
会 場 |
静岡大学理学部B棟B213室 ←★変更★ (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 北川 克己 先生 (St. Jude Children Research Hospital, USA) |
演 題 |
『Bub1-mediated adaptation of the spindle checkpoint』
During cell division, the spindle checkpoint ensures accurate chromosome segregation by monitoring the kinetochore-microtubule interaction and delaying the onset of anaphase until each pair of sister chromosomes is properly attached to microtubules. The spindle checkpoint is deactivated as chromosomes start moving toward the spindles in anaphase, but the mechanisms by which this deactivation and adaptation to prolonged mitotic arrest occur obscure. We report here that the spindle checkpoint component Bub1 is degraded by the cyclosome or anaphase-promoting complex (APC/C), which helps deactivate the spindle checkpoint in anaphase in the budding yeast. Our results strongly suggest that Cdc28-mediated phosphorylation of Bub1 at T566 plays an important role for the degradation of Bub1 in anaphase, which is required for adaptation of the spindle checkpoint to prolonged mitotic arrest. |
問合先 |
静岡大学理学部化学科 山本 歩 054-238-4762 E-mail: sayamam ![]() |
静岡大学 第8回GRLバイオサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年12月11日(金)17:00-18:30 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
澤 進一郎 先生 (東京大学大学院 理学系研究科) |
演 題 |
『植物の分裂組織の機能維持に関与するCLEペプチドの解析』
多細胞生物においては、ヒトを含めた高等動物だけではなく植物でさえも確実に各細胞間で情報のやりとりを行っていて個体としての統一性を保っている。それでは、どのようにして各細胞は細胞自身の位置情報や環境、発生プログラムを認識して自分自身を分化させ、複雑な"個体"を形作っているのであろうか。 CLEドメインを持つ細胞間情報伝達因子として予想されていたCLV3は、その構造は未知であるが、植物の茎頂分裂組織の構築に機能することが明らかとなっていた。我々はCLV3の構造を決定し、CLV3がペプチドとして機能することを明らかにした。さらに、その合成ペプチドを植物に添加すると、CLV3遺伝子の過剰発現時と同様の表現型を示す上、受容体CLV1及びCLV2機能欠損株には効果を示さなかったことなどから、合成ペプチドもin vivoで機能的であることが示唆された。 我々は、この合成ペプチドを利用したケミカルジェネティックスにより、下流因子の探索や機能解析を行っている。本セミナーでは、その現状について紹介したい。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点 粟井光一郎 E-mail: dkawai ![]() |
平成21年度 創造科学技術大学院チャレンジプロジェクト 「ヌタウナギの基礎生物学とバイオサイエンスへの挑戦」 【第1回ヌタウナギ研究会 プレセミナー】 | |
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日 時 | 2009年12月04日(金)16:00- |
会 場 |
静岡大学 総合研究棟4階 創造大学院会議室(静岡地区) (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
近江谷 克裕 先生 (産業技術総合研究所ゲノムファクトリーAIST) (北海道大学医学部客員教授) |
演 題 |
『生物発光のふしぎ』
近江谷克裕先生の著書:「発光生物のふしぎ」、「図説生化学」など |
問合先 |
静岡大学創造科学技術大学院 統合バイオサイエンス 田中 滋康 E-mail: sbstana ![]() |
静岡大学 第7回GRLバイオサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年11月20日(金)17:00-18:30 |
会 場 |
静岡大学総合研究棟4F会議室 (414号室) (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
水谷 正子 先生 (サントリーホールディングス(株)知的財産部) |
演 題 |
『研究開発と知的財産 〜植物バイオテクノロジーにおける話題を中心〜』 特許制度は、従来、工学的な発明を保護するために設けられたものであった。しかし、近年急速に発達したバイオテクノロジー分野の発明については、特許適格性や権利範囲などについて従来の発明にはない問題があり、しばしば議論されている。 今回は、このようなバイオテクノロジー関連発明について、どのような要件を満たせば特許権が取れるのか、産業上利用性、新規性、進歩性などの特許要件や特許取得のための手続きについて概説する。特に、遺伝子関連発明については、多くのゲノム情報が明らかになる中、どの程度の知見が明らかになれば特許の対象となりうるのかを具体例を挙げて解説する。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点(農学部) 堀池徳祐 E-mail: thoriike ![]() |
静岡大学 第6回GRLバイオサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年10月26日(月)17:00-18:00 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B201室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
一柳 健司 先生 (国立遺伝学研究所) |
演 題 |
『エピジェネティクスと進化 〜種間・種内におけるエピジェノタイプの多様性』 同一種内の表現型の多型性は主として遺伝的な多型によって生み出され、種が分化する際の重要な基盤になっていると考えられている。遺伝的な情報はゲノムに格納されているが、その情報をいつ、どこで、どれくらい使用するのかということは、ゲノム塩基配列だけではなく、ゲノムDNAの化学修飾(メチル化)やヒストンの化学修飾(メチル化、アセチル化、リン酸化など)によっても制御されている。一個の受精卵から生じた細胞群が様々な性質を持ちうるのもDNAやヒストンの化学修飾の状態が細胞種ごとに異なるためである。このようにDNA配列の変化を伴わずに、しかも細胞分裂を通して伝達される遺伝子機能の変化を可能にする仕組みはエピジェネティクスと呼ばれ、また全ゲノム領域のエピジェネティックな状態を総じてエピゲノム、各細胞が保有するエピゲノムのタイプをエピジェノタイプと呼ぶ。 上記の発生過程の例は一世代限りのinheritanceであるが、エピジェネティックな変化が世代を通して受け継がれる例が近年次々と報告されている。また、一卵性双生児が異なるエピジェノタイプを持つという報告も蓄積しつつある。このよう背景から、我々はエピジェネティックな変化からも集団内の表現型分離が生じ、ひいては種分化の要因になるのではないかという仮説に立ち、哺乳類をモデルに種間および種内におけるDNAメチル化プロファイルの比較を行っている。本発表では最近の研究成果を元に、エピジェネティクスと進化の関係について議論したい。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点(農学部) 堀池徳祐 E-mail: thoriike ![]() |
第37回生命科学若手フォーラム特別セミナー 『ヤトロファセミナー』 | |
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日 時 | 2009年10月23日(金) 13:30〜15:30 |
会 場 |
静岡大学農学部B棟201室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演者1 | 高橋 広明 先生 (NPO法人地球と未来の環境基金) |
演題1 | 『インドネシアでの現地聞き取り調査に基づくヤトロファの実用可能性評価』 |
演者2 | 松田 智 先生 (静岡大学工学部) |
演題2 | 『タイにおけるジャトロファとオイルパーム事情』 |
演者3 | 明石 欣也 先生 (奈良先端科学技術大学院大学) |
演題3 | 『バイオ燃料植物ヤトロファ:植物の特性と分子育種の方向性』 |
世話人 |
静岡大学農学部共生バイオサイエンス学科 本橋 令子 E-mail: motohasi ![]() |
第175回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年9月28日(月)16:30-17:30 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
麻生 一枝 先生(成蹊大学) |
演 題 |
『サンゴ礁観光開発における生態学調査の役割: 定量的データを示すことの重要性』 サンゴ礁観光は、魚介類等の捕獲と異なりサンゴ礁生態系の資源を直接消費しないため、環境への負荷の少ないレジャーであると考えられてきた。しかし、非消費的なレジャーであっても、船舶の投錨や油漏れ、ダイバーによるサンゴへの接触など、生態系へのかく乱を起こすことを示した事例が、この15年余り相次いで報告されている。すなわち、観光客数の増加は地域経済活性化というプラス面とともに、サンゴ礁生態系へのかく乱増加の可能性というマイナス面をあわせ持つことが明らかになってきたのである。 今回のセミナーでは、米国ハワイにおけるレジャー・フィッシングと沖縄県石垣島におけるスノーケリング観光を例に、サンゴ礁観光開発・非消費的レジャー開発における生態学調査の重要性を指摘する。また、「ひとりひとりが環境に与える負荷は小さくても多人数が集まると大きな負荷になり得る」という非消費的レジャーの特色にも言及する。 |
問合先 |
静岡大学理学部生物科学科 竹内浩昭 TEL: 054-238-4773 E-mail: sbhtake ![]() |
第174回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年9月25日(金)16:00-17:00 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
嶋本 伸雄 先生(国立遺伝学研究所) |
演 題 |
『現実と認識とのギャップ: 転写のUV損傷対策と基礎科学の政策損傷対策』 生物の環境適応において、環境変化に最も敏感なセンサーが適応メカニズムで利用されると考えられてきた。生物のUV損傷は、まずDNAに起こり、DNA全体に均一に損傷塩基が生成される。このUV損傷が修復されるまで転写を停止する機構として、損傷部位で停止した転写伸張複合体が修復複合体の標的になるというTCR機構が有名である。一方、転写制御は、TCRのようにRNA伸張よりも転写開始に働くものがダイナミックレンジが大きいので、転写開始で働くUV対策因子も長い間探されたが発見されなかった。転写される部位に比べてpromoterは短くセンサーとして感度が低すぎて利用されないと考えられてきた。ところが我々は、転写開始に働くUV適応因子をついに大腸菌で発見した。それはRNA polymerase自身であり、1/50程度の感度しか持たないpromoter配列内の3−6の部位のピリミジンダイマーのUV損傷を認識して、転写開始を停止していた。低感度でも、その後の制御能力が高ければセンサーとして利用されるのである。 近年の政策による基礎生物科学の損傷は大きく、教育破壊も産業界の認識するところとなった。この現実と大学等の認識とはかなりのギャップが有るようである。社会と科学技術政策の変遷にたいして、最も効果的な対応は、転写と同じで、低感度だが教育を担う我々大学大衆の変化が必須である。またこれから被害者となりうる学生の認識も重要である。この現状を1994年に予言して対策も考えていた人達の考えを紹介し、発展させ、signal transductionの1経路となれば幸いである。 |
問合先 |
静岡大学理学部生物科学科 徳元俊伸 TEL: 054-238-4778 E-mail: sbttoku ![]() |
日本動物学会第80回大会 特別企画 シンポジウム | |
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日 時 | 2009年9月20日(日)10:00〜16:00 |
会 場 |
静岡グランシップ6階 交流ホール (〒422-8005 静岡市駿河区池田79-4,アクセス情報) |
内 容 |
プログラム 1 シンポジウムI: 「動物学者ってどんな人? 〜 不思議な動物と個性的な研究者たち」 動物の不思議な生態,働き,仕組みを分かり易く解説してもらうと同時 に,研究者(動物学者)自身がどのような発想,視点,あるいはセレンデ ィピティで,この研究を始めたかを平易に話題提供します。 (1) 日時:2009年9月20日(日)10時から12時30分(予定) (2) 場所:静岡グランシップ6階 交流ホール (3) 講演予定者: 「ヒゲムシは口も消化管もないのに,どうやって生きているか?」 笹山雄一(金沢大学 教授) 「右巻き左巻きカタツムリとわたし」 浅見崇比呂(信州大学 准教授) 「わたしとナメクジウオとの出会い」 窪川かおる(東京大学海洋研究所 教授) 「カエルの体づくりに魅せられて」 黒田裕樹(静岡大学 准教授) 「光る生物にとりつかれたわたしと応用研究」 近江谷克裕(北海道大学 教授) 2 シンポジウムII: 「国際生物学オリンピックのメダリストを目指して - 2009年日本大会を開催して」 2009 年の夏に日本(筑波)で開催される国際生物学オリンピックのなまの 情報を紹介します。また,「オリンピックを活性化することで,本当に日本 の高校生たちの理科離れを止められるのか」という根本的な問題にまで掘り 下げて,大学の生物学関係者が高校の生物教育に対してどのように貢献でき るかを議論します。 (1) 日時:2009年9月20日(日)13時から15時30分(予定) (2) 場所:静岡グランシップ6階 交流ホール (3) 講演予定者:司会:松田良一(東京大学 准教授) 「国際生物学オリンピック2009年筑波大会の開催報告」 沼田 治(筑波大学 教授) 「国際生物学オリンピックに出た試験問題の分析」 斎藤淳一(東京学芸大学附属高等学校) 「科学オリンピックの参加で高校生の理科力は向上するか?」 正木春彦(東京大学 教授) 「国際化学オリンピック2010年日本大会を開催するにあたって - 何故、国際化学オリンピックへの参加が必要か?」 渡辺 正(東京大学生産研究所 教授) 「静岡県における高校生物学教育の実情」 松本幸啓(浜松北高等学校) 総合討論 |
問合先 |
日本動物学会第80回大会準備委員会 E-mail: zsj2009-office ![]() |
静岡大学 第5回GRLバイオサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年9月16日(水)17:00-18:30 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
松田 史生 先生 (理化学研究所植物科学研究センターメタボローム解析研究チーム) |
演 題 |
『LC-MSメタボロミクス再入門』
液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS)を用いた植物二次代謝産物のメタボローム解析手法を概説します。幅広い研究バックグラウンドを持った方を対象に分析用語をできるだけ使わず説明したいと思います。そこで、トランスクリプトーム解析比較を通じて、LC-MSメタボロミクスの現状を解説します。つぎに理化学研究所植物科学研究センターで構築している効率的なピークアノテーションのための基盤整備の試みを説明します。また、メタボローム解析技術を用いて得られた最近の成果を紹介し、今後の展望について議論したいと思います。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点(農学部) 大西利幸 E-mail: t-oonishi ![]() |
第173回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年8月26日(水)16:00-17:00 |
会 場 |
静岡大学理学部農学部A棟110室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
綾部 慈子 先生 (名古屋大学・森林保護学研究室) |
演 題 |
『植食性昆虫の食べ痕に見られる生態学的意義 ー潜葉虫の摂食痕パターンと植物栄養・寄生との関係を探るー』 植食性昆虫の1グループである潜葉虫は、幼虫期に葉内部の葉肉組織を摂食するため、摂食箇所の葉緑素が欠け、葉に白く目立つ摂食痕を残す。この摂食痕はマインと呼ばれ、そのパターンは線状から斑状まで種特異的である。線状マインは、うねりや分岐、交差といった構造によって複雑なパターンを示すことが一般的であり、そのパターンの意義として以下の2仮説がある。1つは潜葉虫ー植物関係に関する仮説であり、マインパターンは、植物葉内の高栄養and/or低防御物質部位を選択的に摂食した結果の産物というものである。もう1つは潜葉虫ー天敵寄生蜂関係に関する仮説であり、マインの複雑なパターンは、マイン上を辿って潜葉虫を発見し攻撃する寄生蜂の探索を妨害し、寄生回避をもたらすというものである。この2仮説の検証を、「ノコンギクーハエ目潜葉虫Ophiomyia mauraーその寄生蜂群集」系を用いて行い、植食性昆虫の摂食痕パターンに隠された生態学的意義を明らかにする。 |
問合先 |
静岡大学 農学部 田上陽介 TEL: 054-238-4825 E-mail: tagamiy ![]() |
第172回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年7月31日(金)16:00-17:00 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
上野 宜久 先生(名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻) |
演 題 |
『シロイヌナズナのASYMMETRIC LEAVES1 (AS1)、AS2およびヒストン脱アセチル化酵素による葉の形成の制御』
扁平で左右相称的な葉ができあがるには、軸方向に依存した細胞増殖・分化の制御が必要である。シロイヌナズナのASYMMETRIC LEAVES1 (AS1)およびAS2は、軸に依存した葉の発生制御に関与する。AS1およびAS2タンパク質はMYBドメインおよびAS2/LOBドメインをそれぞれ有し、class1-KNOXと呼ばれる遺伝子の転写を抑制する。私たちは、植物でファミリーを形成する遺伝子を機能的に同定する方法としてRNAiライブラリー法を開発した。この方法に薬理学的手法を交え、AS1およびAS2とともに葉の軸形成に関わる新規因子を探索した。その結果、ヒストン脱アセチル化酵素であるHDT1およびHDT2を同定した。HDT1/2は、核小体に局在し、AS1, AS2とともに、microRNAであるmiR165/166と葉の向背軸極性(表・裏の決定)を制御することがわかった。AS1, AS2タンパク質は試験管内で直接相互作用することが知られている。最近、私たちはAS1との相互作用を失った変異型AS2タンパク質を取得した。この変異型AS2を用いた解析から、AS1, AS2が本来の機能を発揮するためには相互作用できる必要があることを示唆する結果を得ている。 |
問合先 |
理学部生物科学科 木嵜暁子 TEL: 054-238-4957 E-mail: sakozak ![]() |
静岡大学イノベーション共同研究センター 第18回共同研究希望テーマ説明会 〜食品・環境・バイオ分野〜 | |
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日 時 | 2009年7月30日 (木) 13:00-17:05 |
会 場 |
静岡市産学交流センターB-nest 7階大会議室 (静岡市葵区御幸町3番地の21,アクセス情報) |
内 容 |
静岡大学の14名の研究者が食品・環境・バイオ関連の研究成果を発表し、共同研究の可能性をご提案します。 13:00〜13:05 開会挨拶 13:05〜13:20 特別講演 『高齢化・福祉社会を支えるナノバイオテクノロジー ―機能性ナノマテリアルや医療補助計測装置の開発による 「よりよく食べる・よりよく暮らす」―』 イノベーション共同研究センター 副センター長 朴 龍洙 13:20〜17:00 共同研究希望テーマ説明(各15分) 1.『ストレスと身体反応』 電子工学研究所 教授 杉浦 敏文 2.『養液栽培で広がる農業ビジネスの可能性』 農学部 准教授 切岩 祥和 3.『種特異的な生分解性除草剤の開発』 理学部 准教授 天野 豊己 4.『キノコが作物を育てる?!』 創造科学技術大学院 教授 河岸 洋和 5.『リグニン及び環境汚染物質高分解性担子菌の開発』 農学部 准教授 平井 浩文 6.『木質系バイオマス資源からの生理活性物質の検索』 農学部 准教授 河合 真吾 ※14:50〜15:00休憩 7.『バルカナイズドファイバーの原料開発と製造方法の検討』 農学部 教授 鈴木 恭治 8.『白色腐朽菌およびその酵素を用いるバイオレメディエーション』 農学部 教授 西田 友昭 9.『早成バイオマス・ケナフ炭化物による室内ホルムアルデヒドの低減』 農学部 准教授 渡邊 拡 10.『メタボリックシンドロームを予防・改善する食品成分の探索』 農学部 准教授 茶山 和敏 11.『光線力学的療法用光増感剤の開発』 工学部 准教授 平川 和貴 12.『新たな創薬ターゲットとしての植物P450の可能性』 農学部 准教授 轟 泰司 13.『植物脂質合成系研究の可能性』 理学部 准教授 木嵜 暁子 14.『注意欠陥多動性障害(ADHD)の新たなモデル実験系確立をめざして』 理学部 准教授 竹内 浩昭 17:00〜17:05閉会挨拶 |
申込方法 |
必要事項をご記入のうえ、申込書をFAX、またはメールにてお申し込み下さい。 資料 第18回テーマ説明会プログラム(PDF) |
問合先 |
静岡大学イノベーション共同研究センター 静岡オフィス 担当 牧田、粟田 TEL 054-238-4630 FAX 054-238-3018 E-mail: tane8p ![]() |
2009年度第2回創造大学院バイオサイエンス専攻セミナー | |
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日 時 | 2009年7月28日(金)16:00-18:00 |
会 場 |
静岡大学総合研究棟4階会議室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
学生研究紹介(各30分) 1.百嶋 崇(D3) 『Studies on N-glycosylation of human protein expressed in silkworm larvae』 (カイコを宿主としたヒト由来タンパク質の糖鎖解析に関する研究) 2.伊藤弘幸(D3) 『フルクタン摂取の大腸生理機能に及ぼす影響は重合度により異なる』 |
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テニュア研究紹介(質疑応答含めて1時間) 堀池徳祐 助教 静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点(農学部) 『ゲノムデータを用いた情報解析』 |
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* | セミナー終了後,ビールを飲みながら懇談をします。学生無料,教員は寸志を頂きます。 |
問合先 |
古藤泰弘(理学部:D2) tina_heruga![]() 上田恵子(農学部:D2) f5844009 ![]() バイオサイエンス専攻専攻長 河岸洋和 E-mail: achkawa ![]() |
静岡大学 第4回GRLバイオサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年7月17日(金)17:00-18:30 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 有村 慎一 先生 (東京大学大学院 農学生命科学研究科) |
演 題 |
『シロイヌナズナミトコンドリアの分裂・融合とその分子機構』
顕微鏡下で細胞の中を覗き込むと、ミトコンドリアはひっきりなしに動き、また形を変えており、そのダイナミックな様子に圧倒されてしまう。この動的なミトコンドリア形態は、分裂と融合という二つの相反する現象のバランスによって決定されている。動物細胞では、ミトコンドリア分裂と融合に関与する因子が複数明らかにされ、それらがアポトーシス、遺伝性疾患などに直接関連あることが示され医学的重要性の点からも研究が進んでいる。私たちのグループは、モデル植物シロイヌナズナを用いて、植物におけるミトコンドリアの分裂と融合にかかわる因子や仕組みを解析している。 我々はまず、逆遺伝学的なアプローチを用いて、動物や酵母との共通因子を探り、ミトコンドリアの分裂においては実際にいくつかの共通因子が存在して機能していることを証明した。しかしながら、ミトコンドリア融合に関しては一次配列からは動物や酵母との共通因子を見つけることができなかった。そもそも植物ミトコンドリアが本当に融合するか否かも明らかではなかったため、蛍光タンパク質Kaedeを用いるあたらしい融合検出系を開発し、植物ミトコンドリア融合現象の存在を証明した。次に、ミトコンドリアの分裂と融合にかかわる未知の因子を同定するために、順遺伝学的なアプローチをとった。ここでは、ミトコンドリアをGFPで可視化した植物を用いて変異原処理を行い、ミトコンドリア形態異常株を探索することで、植物特異的なミトコンドリア分裂因子ELM1の同定に成功した。高等植物ミトコンドリア分裂と融合における我々の研究成果を紹介すると共に、真核生物共通のシステム、進化についても議論したい。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点(理学部) 粟井光一郎 E-mail: dkawai ![]() |
第36回生命科学若手フォーラム特別セミナー | |
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日 時 | 2009年7月14日(火) 14:30〜15:30 |
会 場 |
静岡大学共通教育D棟106室 (D棟1Fの左奥の右側の部屋) (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 橋本 主税 先生 (JT生命誌研究所 主任研究員 / 大阪大学客員教授) |
演 題 |
『両生類の原腸形成運動について 〜頭が先か尻尾が先か?〜』
左右相称動物を形づくるには、発生の初期に3次元の座標軸(体軸)を決める必要がある。近年の分子生物学的解析から、体軸形成に関わる遺伝子群は脊椎 動物を通じて共通であることが示唆されており、したがって両生類の研究からほ乳類の理解が進んでいるというのはある程度は事実である。両生類の体軸形成は、イモリやサンショウウオが主に用いられる実験発生学的研究と、アフリカツメガエルが主に貢献する分子生物学的研究の二本柱によって解析されているが、両生類の発生機構は基本的に等しいという暗黙の了解がその前提にある。しかし、あらためてその形態形成運動を見てみると両生類の種間では驚くほど異なっていることが分かって来た。 本セミナーでは、ツメガエルの原腸形成運動の解析から見えて来たこととその意味について考察する。 |
世話人 |
教育学部理科教育 黒田裕樹
E-mail: ehkurod![]() 静岡生命科学若手フォーラム事務局 E-mail: gsbyf ![]() |
第171回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年7月13日(月)16:00-17:00 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 1 |
東 義明 先生(Dept. of Molecular Biosciences, Univ. of Kansas) (静岡大学理学部生物学科の1988卒業生) |
演 題 |
『SUMOペプチドによるタンパク質の翻訳後修飾: 細胞分裂期におけるその制御機構と被修飾タンパク質の解析』 タンパク質の翻訳後修飾の一つとして、近年同定されたUbiquitin類似ペプチドであるSUMOは、その構造のみならず、修飾時の反応機構等の生化学的性質も、Ubiquitinと相同点が多い。SUMO修飾は、真核生物において、保存された反応であり、様々な細胞機能の制御に関わる事が示されている。遺伝学的、並びに生化学的実験により、SUMO修飾は正常な細胞周期の維持、特に細胞分裂期、に必須であることが示唆されている。 我々は、アフリカツメガエル卵抽出液を用いた解析により、脊椎動物のM期特異的な SUMO修飾が、姉妹染色体分配に必須な役割をもつ事を明らかにした。そのM期特異的修飾には,真核生物間で保存された SUMO Ligase, PIASy,の活性が必要であり、PIASyは複数の染色体結合タンパク質のM期特異的SUMO-2/3修飾を担う事が明らかとなった。PIASy依存性M期特異的SUMO修飾の役割を解析するため、PIASy依存性SUMO化タンパク質として同定された DNAトポイソメレースIIのSUMO修飾による機能制御、ならびに新たに同定されたSUMO化タンパク質の機能解析を行った。その結果、PIASy依存性SUMO-2/3修飾が基質タンパク質の活性を直接制御する可能性が示唆された。また、SUMO Ligase, PIASy, はSUMO化反応を促進するだけでなく、SUMO paralogueとSUMO化サイトの選択の機能をもつ事も示された。 |
問合先 |
理学部生物科学科 徳元俊伸 TEL: 054-238-4778 E-mail: sbttoku ![]() |
第35回生命科学若手セミナー | |
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日 時 | 2009年7月6日(水)17:00-18:00 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 丑丸 敬史 先生(静岡大学理学部生物科学科) |
演 題 |
『染色体の正確な分配に必須なAurora kinaseの分裂期局在移動機構の解析』
分裂後期における染色体分配が正しく行われるためには、それ以前の分裂中期に染色体が微小管に正しく結合(KT-MT結合)されることが必要である。この正確なKT-MT結合の確立に必須な働きを果たすプロテインキナーゼがAurora kinaseである。分裂中期にはAurora kinaseは動原体に局在し、正しいKT-MT 結合の確立に寄与するが、染色体が両極に分配される分裂後期には微小管の中央部(ミッドゾーン)へ移動しそこで細胞質分裂を制御する。本セミナーでは、このAurora kinaseの移動についての、演者の研究室の知見を含め最近の研究の進展を紹介する。 |
問合先 |
静岡大・理・生物 丑丸敬史
E-mail: sbtushi![]() |
主催 |
静岡生命科学若手フォーラム事務局
E-mail: gsbyf![]() |
静岡大学 第3回GRLバイオサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年6月26日(金)17:00-18:00 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B202室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 田中 剛 先生(農業生物資源研究所) |
演 題 |
『国際イネプロジェクトとそのデータを用いた情報解析』
1991年に日本で開始されたイネゲノム情報解読計画は、国際イネゲノム解読プロジェクト(IRGSP)の発足を経て、2005年のイネゲノム配列決定により完了した。この成果を受け、我々は2004年からイネアノテーション計画(RAP)を遂行している。この計画はイネを中心とする植物研究者に高精度のゲノムアノテーションデータを提供することを目的としている。そこで、大量に決められたイネ完全長cDNA(FLcDNA)情報をアノテーションに活用することで、Abinitio遺伝子予測プログラムよりも高精度な遺伝子構造データを作成し、遺伝子機能情報は文献情報を利用することで実験に基づく機能情報付与を行っている。更に、次世代シーケンサーの出現によって安価に大量の配列情報を取得することが可能となったので、トランスクリプトーム解析を行い、新規遺伝子構造アノテーションを実行中である。今後はゲノム配列そのものの修正やイネ品種間の多型解析に用いる予定である。 我々は、これらのデータの中から20万件以上FLcDNAマッピング情報を用いた転写開始点同定とイネ・シロイヌナズナ間の転写開始点の種間比較解析を実行した。その結果、2種で遺伝子座あたり平均2つの転写開始点が明らかになった。また、複数個の転写開始点が見つかった遺伝子座では、最上流と下流の転写開始点周辺で塩基組成が大きく異なること、それらの特徴が種間で高度に保存されていることが明らかになった。これらの結果は、転写開始点によって転写制御が異なることを示している。これらのデータを含めて植物における転写開始点進化について考察したい。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点(農学部) 堀池徳祐 E-mail: thoriike ![]() |
第34回生命科学若手セミナー | |
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日 時 | 2009年6月24日(水)16:00-18:00 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B212室 → B213室に変更★ (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 1 | 天野 豊己 先生(静岡大学理学部) |
演 題 1 |
『植物由来FtsHプロテアーゼの分子機構』
FtsHプロテアーゼは膜結合性のATP依存性プロテアーゼである。植物においては、葉緑体のチラコイド膜に局在しており、光化学系IIの主要サブユニットであるD1タンパク質の代謝回転を担っている。このタンパク質は原核生物の細胞膜にも存在し、膜タンパク質の品質管理を行っている。本発表では、植物のFtsHプロテアーゼについて、原核生物型の酵素には見られなかった新たな機能について紹介する。また、本酵素の応用的活用法についても議論を深めたいと考えている。 |
演 者 2 | 堀池 徳祐 先生(静岡大学農学部/静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点) |
演 題 2 |
『DMRを特徴づける配列パターンの探索』
DMR(Differentially methylated region)は単孔類を除く哺乳類において父親由来、あるいは母親由来のアリルのみがメチル化される現象であり、ゲノムインプリンティングの原因の一つとなっている。しかしメチル化されている領域、あるいはその境界がどのようなメカニズムで酵素によって認識されるか分かっていない。本発表ではこれらの配列の特徴を検出する試みについて紹介する。なお、この解析では発表者が以前所属していた国立遺伝学研究所、人類遺伝研究部門により得られ、論文に発表されたデータを用いた。 |
主催 |
静岡生命科学若手フォーラム事務局
E-mail: gsbyf![]() |
2009年度第1回創造大学院バイオサイエンス専攻セミナー | |
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日 時 | 2009年6月22日(月)16:00-18:00 |
会 場 |
静岡大学理学部A棟2階A209大会議室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
学生研究紹介(各30分) 1.古藤泰弘(D2) 『下水処理場流出水の甲状腺系攪乱活性調査およびウシガエル オタマジャクシ体内でのトリヨードフェノールの代謝』 2.上田恵子(D2) 『キノコ由来小胞体ストレス誘導細胞死抑制物質の化学的研究』 |
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テニュア研究紹介(質疑応答含めて1時間) 粟井光一郎 助教 『光合成膜にはなぜ糖脂質なのか』 |
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* | セミナー終了後,ビールを飲みながら懇談をします。学生無料,教員は寸志を頂きます。 |
問合先 |
バイオサイエンス専攻専攻長 河岸洋和 E-mail: achkawa ![]() |
第170回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年6月12日(金)17:00-19:00 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 1 |
角田 裕志 博士(東京農工大学大学院/JSPS研究員) (静岡大学理学部生物地球環境科学科の2003卒業生で生態ゼミOBです) |
演 題 1 |
『外来魚オオクチバスの在来魚類に対する影響とその管理のあり方』
近年、淡水域における生物多様性の劣化をもたらす問題の一つとして、北米原産の肉食性外来魚であるブラックバスの問題が取り上げられることが多い。マスメディアの影響もあって、一般には「ブラックバス=在来魚を食べ尽くす害魚」とのイメージが定着している。しかし、日本におけるこれまでのブラックバス研究は特に食性研究(ブラックバスが何を食べているのか)に偏っており、在来生物群集に対する影響の実態把握や被害防除に応用可能な知見はまだまだ少ない。今回のセミナーではオオクチバスを中心として、その生態と在来生物に与える影響、被害防除対策の効果等について演者らの研究グループの成果を報告する。また、既往研究や様々な社会的・政策的背景等も踏まえながら、ブラックバスの被害防除対策をいかに進めるべきか、という点についても議論したい。 |
演 者 2 |
田辺 晶史 博士 (筑波大学大学院生命環境科 准研究員) (静岡大学理学部生物地球環境科学科の2003卒業生で生態ゼミOBです) |
演 題 2 |
『不必要な仮定の排除が分岐年代の推定精度を向上させる: 新しい分岐年代推定法 Advanced NPRSの開発と実装』 分岐年代推定は、生物の分化と同時代にあった現象との対比を可能にする。そのため、その分化の機構を解明する上で非常に役立つことがある。また、形成に要した累積時間によって生物の多様性を表せるようになるなど、進化生態学、群集生態学や環境保全において重要な技術である。 ところが、1990年代後半までは分岐年代の推定は分子進化速度が一定な場合にしか行えなかった。そんな中、分子進化速度の一定性が担保されない場合でも分岐年代の推定を可能にするNonparametric Rate Smoothing法(NPRS)が1997年に発表され、この方法やより発展させた手法を適用した研究が多数公表されるに到っている。NPRSは、較正点の分岐年代を単一の固定値ではなくある程度の幅を持つ年代制約として与えることや、多数の較正点間での矛盾を解決することを可能にした点でも画期的であった。 本講演では、このNPRSに不必要な仮定が内在することを示す。また、この仮定を除去したAdvanced NPRS法(ANPRS)を開発し、化石記録が豊富で年代較正点が多数確保できる有胎盤哺乳類の分子系統樹にてNPRSと分岐年代推定精度を比較した結果を示し、その原因を考察することでより高精度な分岐年代推定を可能にするにはどのような手段があるのかを議論する。 |
問合先 |
理学部生物科学科 竹内浩昭 TEL: 054-238-4773 E-mail: sbhtake ![]() ご希望が多ければ、セミナー後に懇親会を静岡大学近辺 or 静岡駅近辺で開きたいと思います。 懇親会参加希望者はsbhtake ![]() |
第33回生命科学若手セミナー | |
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日 時 | 2009年5月28日(木) 17:00-18:30 |
会 場 |
静岡大学 大学会館一階研修室(生協トラベルセンター横) (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 1 | 安部 淳 先生(静岡大学 農学部) |
演 題 1 |
『処女雌の繁殖戦略:交尾なしでも産卵行動を調節する寄生バチ』
ハチやアリなどの昆虫は、単数倍数性の性決定機構を持ち、雌は受精卵から、雄は未受精卵から成長する。そのため、交尾経験のない処女雌であっても、雄個体のみを産むことが可能である。その中でも、寄生バチMelittobiaの処女雌は、ごく少数の雄卵を産み、自らの息子と交尾した後、正常に雌雄を産卵することが知られている。今回は、処女雌が他の交尾雌と同じ寄主に産卵する場合について検討した。この場合、処女雌の息子は交尾雌の娘と交尾できるため、処女雌は単独で産卵するときよりも多くの息子を産んだほうが有利であると、数理モデルによって予測される。実際に、DNAマーカーを用いて、交尾雌と一緒に産卵した処女雌の息子数を測定したところ、モデルの予測どおり、単独産卵時よりも多くの雄を産んでいることがわかった。雄しか産めないという形で繁殖戦略が限定されている処女雌であっても、状況に応じて産卵行動を適応的に変化させていることが本研究によって示された。 |
演 者 2 | 粟井 光一郎 先生(静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点) |
演 題 2 |
『色素体-小胞体間脂質輸送に関わるタンパク質複合体』
光合成膜であるチラコイド膜の脂質合成には2つの経路が存在する。1つの経路では、葉緑体で合成された脂肪酸が一度小胞体に運ばれた後、グリセロ脂質前駆体であるフォスファチジン酸(PA)に取り込まれ、再び葉緑体に戻ってチラコイド膜のガラクト脂質合成に用いられる(真核型経路)。もう1つの経路では、脂肪酸が色素体内でグリセロール骨格に取り込まれ、ガラクト脂質合成に用いられる(原核型経路)。これらのうち、真核型経路が阻害された変異株をモデル植物であるシロイヌナズナから単離したところ、チラコイド膜脂質の合成が原核型経路に依存するようになった。また、これらの変異株では葉においてトリアシルグリセロール、トリガラクトシルジアシルグリセロール(TGD)の蓄積が観察されことから、tgd変異株と名づけられた。tgd変異遺伝子座の1つ、TGD1はバクテリアのマルチサブユニット型ABCトランスポーターの膜貫通タンパク質をコードしていた。また、TGD2はバクテリア型ABCトランスポーターの基質結合タンパク質と相同性を持ち、色素体内包膜に局在していた。TGD2のタ末端基質結合領域を用いて脂質結合解析を行ったところPAを特異的に結合することがわかった。TGD3は葉緑体に局在するATPaseであることがわかり、これらのタンパク質が複合体を形成し、色素体外包膜から内包膜へのPAの輸送に関与していると考えられた。一方、TGD4タンパク質は小胞体膜に存在することがわかり、これらのタンパク質群を介した、小胞体から葉緑体への脂質輸送が提唱された。 |
主催 |
静岡生命科学若手フォーラム事務局
E-mail: gsbyf![]() |
第1回 GRL-バイオサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年4月17日(金)16:10-17:30 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B202室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター 大林 武 博士 |
演 題 |
『遺伝子共発現データベースATTED-II, COXPRESdbを利用した遺伝子機能推定法』
1995年にマイクロアレイ技術が世に発表されて以来、この分野の技術革新は著しい。集積化により遺伝子の網羅性は上がり、ノイズの抑制によって感度や再現性が向上した。そしてこれらのデータを蓄積する公共のデータベースも整備されており、近年になって精度の良いデータが大量に蓄積するようになった。これらの公共のデータベースに登録された大量のマイクロアレイデータを用いて、遺伝子発現パターンの相同性を定義することができる。注目している遺伝子と発現パターンが相同な遺伝子のことを共発現遺伝子(coexpressed gene)と呼び、機能的相関を期待することができるため、共発現遺伝子を表示するデータベース(共発現データベース)は近年特にモデル植物のシロイヌナズナで盛んに利用されている。我々はこれまでに植物研究者向けのATTED-II (http://atted.jp)、動物研究者向けのCOXPRESdb (http://coxpresdb.hgc.jp)を公開し、現在も開発を続けている。 共発現ネットワークの例を挙げる。図(http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~dkawai/090417.pdf)はヒトやマウスのArp2/3複合体の構成要素の一つであるACTR3の周辺共発現ネットワークである。同じく複合体の構成要素であるACTR2, ARPC2,3,5と強く共発現をしている。線が赤くなっているのはタンパク質感相互作用の報告があること示している。また、アクチン両端をキャップするタンパク質であるTMOD3とCAPZA1も共発現しており、線がオレンジになっているのは、この共発現がマウスに於いても保存していることを示している。このような共発現ネットワークから注目する遺伝子の機能パートナーを探すことが可能になる。 |
世話人 |
静岡大学創造科学技術大学院 粟井光一郎
E-mail: dkawai![]() |
第32回生命科学若手フォーラム特別セミナー | |
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日 時 | 2009年3月31日(火) 15:30〜16:20 |
会 場 |
静岡大学 大学会館一階研修室(生協トラベルセンター横) (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
カリフォルニア工科大学 Elliot Meyerowitz研究室 (http://www.its.caltech.edu/~plantlab/) 杉本 薫 博士 (ポスドク) |
演 題 |
『シロイヌナズナにおける異なる組織由来のカルスの解析』
(Common characteristics of the plant regeneration initiated from different organs in Arabidopsis) 植物体の組織片を、適当量の植物ホルモン存在下で培養すると、シュートや根などの植物体を構成する全ての組織が誘導される。これより、多くの動物細胞と異なり、植物細胞には分化全能性が備わっていることが古くから提唱されてきた。しかし、何が植物細胞に分化全能性をもたらしているのか、そのメカニズムは依然として多くが未解明である。再生過程の植物細胞がどのような分化状態をたどっているのか、また、異なる組織由来の再生現象同士に共通の機構が存在するのか、といった基礎的な疑問ですら未だ解明が待たれている。これらの基礎的な疑問に答えるため、われわれは、根、双葉、花弁の三つの組織を用いて植物再生実験を行い、新組織形成の前段階に誘導される無定形細胞塊(カルス)のキャラクタリゼーションをそれぞれの組織について行った。その結果、共焦点顕微鏡を用いた根組織マーカーの観察と、マイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析により、われわれは、どの組織由来のカルスもみな、根端分裂組織(root apical meristem)に類似した組織であることを示した。さらに、遺伝子変異体の解析と組織マーカーの観察により、カルス形成と側根原基形成が、それぞれの開始段階で同様の分子制御下にあり、ともにpericyclecells(内鞘細胞)の分裂により開始されることを示した。以上より、われわれは、pericycle様細胞のroot meristem様組織への分化が、植物体の地上地下さまざまな組織由来のカルス形成に共通する機構であることを示唆した。 |
世話人 |
教育学部理科教育 黒田裕樹
E-mail: ehkurod![]() 静岡生命科学若手フォーラム事務局 E-mail: gsbyf ![]() |
第169回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年3月24日(火)16:30-17:30 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
味の素(株)医薬研究所 創薬開発研究部 竹鼻 健司 博士 |
演 題 |
『アミノ酸の薬理作用とmTORシグナル』
肝硬変治療薬「リーバクト」は、分岐鎖アミノ酸を薬効成分とする医療用医薬品であるが、臨床エビデンスや基礎研究により、糖代謝改善効果や発癌抑制などの新たな薬理作用を有することが見出されている。こうした分岐鎖アミノ酸のもつ多彩な作用を紹介し、その作用機序をmTORシグナルの視点から議論したい。 |
問合先 |
理学部生物科学科 丑丸敬史 TEL: 054-238-4772 E-mail: sbtushi ![]() |
静岡大学理学部附属放射科学研究施設 菅沼 英夫教授 最終講義 | |
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日 時 | 2009年3月9日(月)15:00-16:30 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟202教室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
講義名 |
『ポロニウム、ビスマス、およびf-ブロック元素の39年間』
放射科学研究施設の菅沼英夫先生は、昭和45年に静岡大学理学部に赴任されて以来、39年の長きにわたって、静岡大学の研究・教育ならびに施設等の運営にご尽力されてこられました。この3月をもちましてご退職されることになりましたので、下記の通り最終講義を開催します。 皆様方におかれましては、年度末でお忙しいことと存じますが、ぜひ、多数の方がご参集くださるようお願いします。 |
世話人 |
放射科学研究施設 奥野健二
E-mail: srkokun![]() 放射科学研究施設 矢永誠人 E-mail: srmyana ![]() |
静岡大学理学部生物科学科 山田眞平教授 最終講義 | |
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日 時 | 2009年3月9日(月)13:30-14:30 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟202教室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
講義名 |
『生体におけるエネルギー変換のメカニスムに魅せられて40年』
生物科学科の山田眞平先生は、昭和42年に本学文理学部を卒業され、大阪大学で学位を取得された後、昭和47年に本学理学部に赴任されました。以来36年間を当大学の研究・教育・運営にご尽力されてこられましたが、この3月をもってご退職されることとなりましたので、下記の通り最終講義を開催します。 |
世話人 |
生物科学科 藤原健智
E-mail: sbtfuji![]() |
第10回 静岡ライフサイエンスシンポジウム (平成20年度科学交流フォーラム) < 命をつむぐもの、命をつなぐもの ー 染色体の素顔 ー > (ポスター) | |
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日 時 | 2009年3月6日(金) |
会 場 | 静岡大学大学会館ホール (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
ポスター |
![]() |
問合先 |
主 催 : 静岡県/平成20年度大学ネットワーク静岡/ 静岡生命科学若手フォーラム 世話人: 静岡大学理学部 丑丸敬史 TEL: 054-238-4772 E-mail: sbtushi ![]() 静岡生命科学若手フォーラム事務局 sbyf-office ![]() |
第2回 生物機能を活用した先進的ナノバイオテクノロジーシンポジウム 「Trends in Plants-Secondary Metabolism Recent Findings in Relation to Biosynthesis, Physiology, Chemical Biology, Genetic Manipulation and Innovations」 (パンフレット・参加申込書PDF) | |
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日 時 | 2009年3月6日(金)10:00-18:30 |
会 場 |
エスパティオ3F 静岡県看護協会会議室ほか (静岡市駿河区南町14-25) (アクセス情報) |
プログラム | |
10:00-10:05 |
開会の辞 中村 高遠 氏 Takato Nakamura 静岡大学副学長・理事 Opening Remark |
10:05-10:50 |
大西 利幸 氏 Toshiyuki Ohnishi 静岡大学創造科学技術大学院 『シトクロムP450 酵素が制御する植物ホルモンの生合成および代謝』 『 Cytochromes P450 involved in plant hormone biosynthesis and metabolism』 |
10:50-11:50 |
Eran Pichersky 氏 University of Michigan 『 Function and Evolution of Enzymes for Specialized (Secondary) Metabolites in Plants 』 『植物二次代謝産物生合成に関わる酵素機能と分子進化』 |
11:50-13:00 | Lunch Time |
13:00-13:45 |
高林 純示 氏 Junji Takabayashi 京都大学生態学研究センター センター長 『かおりの生態学:葉のかおりが媒介する生物間相互作用・情報ネットワーク』 『 Scent Ecology: Biological interaction/information networks mediated by leaf scent 』 |
13:45-14:30 |
Tai-Hyun Park (School of Chem. and Biol. Eng., Seoul National University) 『 Olfactory Receptor-Based Biosensor 』 |
13:45-14:30 |
平竹 潤 氏 Jun Hiratake 京都大学化学研究所 『植物二次代謝産物の生合成とオーキシン恒常性を制御する化学ツールの開発 - 4-Coumaroyl CoA ligase (4CL) およびGH3 阻害剤の設計と合成 -』 『 Development of Chemical Tools to Probe the Biosynthesis of Plant-Secondary Metabolites and Auxin Homeostasis - Design and Synthesis of Inhibitors of 4-Coumaroyl CoA ligase (4CL) and GH3 - 』 |
14:30-14:45 |
Poster Short Presentation 若手教員、博士、修士学生、ポスドク等 10名前後 |
14:45-15:30 | Coffee Break and Poster Session |
15:30-16:15 |
東原 和成 氏 Kazushige Touhara 東京大学大学院新領域創成科学研究科 『昆虫の嗅覚による植物の香り感知と行動』 『Plant odor sensing by the insect olfactory system and regulation of behavior』 |
16:15-17:00 |
田中 良和 氏 Yoshikazu Tanaka サントリー株式会社 『フラボノイドの代謝工学による多様な色の花の作出』 『Engineering flavonoid biosynthetic pathway to yield more colorful flowers』 |
17:00-17:05 |
閉会の辞 永津 雅章 氏 Masaaki Nagatsu 静岡大学創造科学技術大学院院長・教授 Closing Remark |
17:15-18:30 | 交流会(学生以外は2000円) |
問合先 ・ 申込先 |
シンポジウム事務局 静岡大学創造科学技術大学院 (農学部応用生物化学科) Tel/Fax 054-238-4870 E-Mail acnwata ![]() ファックスまたはメールにてお申込み願います。 |
参加申込期日 | 2009年2月25日(水) |
主催 | 静岡大学創造科学技術大学院 |
後援 |
静岡大学生物産業創出推進拠点 静岡大学イノベーション共同研究センター協力会 |
平成20年度科学交流フォーラム サテライトセミナー | |
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日 時 | 2009年3月5日(木)15:30-17:00 |
会 場 |
静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 1 |
Laboratory of Chromosome and Cell Biology, The Rockefeller University 船引 宏則 先生 |
演 題 1 | 『 DNA-Induced Sumoylation and Ubiquitylation in Xenopus Egg Extracts 』 |
演 者 2 |
Institute of Molecular and Cell Biology, Agency for Science Technology and Research, Biopolis, Singapore Uttam Surana 先生 |
演 題 2 | 『 Premature chromosome segregation and a chemical entity 』 |
問合先 |
静岡大学理学部 丑丸敬史 TEL: 054-238-4772 E-mail: sbtushi ![]() |
第168回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年3月5日(木)15:00-16:30 |
会 場 |
静岡大学遺伝子実験施設1階セミナー室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
Dept. Molecular, Cellular, Developmental Biology, University of Michigan Professor Dr. Eran Pichersky |
演 題 |
『How plants evolve the ability to make so many aroma compounds』
Scent compounds are relatively small organic molecules that are generally hydrophobic. Scent substances are typically in the liquid phase at ambient temperature, but they easily volatilize (evaporate) at temperatures below their boiling point, thus being present in the air around the source. Volatiles emitted from plants serve various ecological roles. Flowers emit scents to attract pollinators. Scent molecules in fruits enhance the flavor and attract animals that consume the fruits and thus disperse the seeds. Volatile compounds in vegetative parts of the plants repel pests and attract beneficial animals that protect the plant. Scientists have identified several thousands scent compounds made by plants, but each plant species makes only a subset of these compounds, and there is great variation in the type of volatiles molecules made by even closely related species. It therefore appears that the molecular mechanisms responsible for the formation of these compounds in plants are constantly evolving and creating new types of volatiles. My research group has isolated many genes that encode enzymes responsible for the synthesis of plant volatiles and have characterized how these enzymes catalyze the formation of the volatiles. We discovered that volatiles are produced from basic hydrophilic metabolites by various chemical reactions, catalyzed by these enzymes, that remove the hydrophilic part of the molecule or add a hydrophobic part, so that overall the compounds become more hydrophobic and thereby less soluble inside the cell. The scent compounds then go into the hydrophobic membrane that envelops the cell, and eventually volatilize and escape into the atmosphere. Each molecule that serves as a scent precursor can be modified by multiple enzymes, and every plant has a slightly different set of enzymes, the result of the constant evolution of the genes, resulting in the large number of different scent compounds found in the plant kingdom. 植物二次代謝産物の分子生物学、生理学等広範囲の研究領域に関心を持たれる学生、研究者、教職員の聴講、参加を歓迎いたします。 |
問合先 |
静岡大学遺伝子実験施設 センター長 露無愼二 TEL: 054-238-4929,4823 E-mail: tsuyumu ![]() 静岡大学農学部応用生物化学科 渡辺修治 TEL: 054-238-4870 E-mail: acnwata ![]() |
第167回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年2月23日(月)15:00-16:00 |
会 場 |
静岡大学農学部B棟208室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
国立遺伝学研究所 特任教授 舘野 義男 先生 |
演 題 |
『ゲノム情報にもとづく系統樹の作成』
生物学の基本課題の一つは、生物の多様性と共通性を理解することと思われます。この理解のため、私は1970年代から生物種や集団の系統関係を探ることに取り組んできました。系統樹で表現された系統関係は、多様性と共通性を一目瞭然に示します。ところが、当時はゲノムはおろか遺伝子のDNA配列情報もほとんどありませんでしたので、コンピュータシミュレーションにより進化模擬実験をしていました。この実験の一つの結果が、ゲノム上の遺伝子を多く使用すればするほどより正しい系統樹を得ることができる、ということでした。当たり前の結果ともいえますが、私たちは、多分世界で初めて、この事を定量的に示しました。 現在は、DNA配列決定技術の急速な発達により、多くの生物種でゲノムのDNA配列が決定され、DNAデータバンクから入手できるようになっています。例えば、DNA Data Bank of Japan(DDBJ)では、現在数十万種におよぶ生物のDNA配列情報や800種以上の細菌についての完全ゲノム情報を提供しています。私たちは、ゲノム規模の情報を使用して、新たに考案した方法を用いることにより系統樹を作成してきています。今回のセミナーでは、その過程で直面した、タンパク質レベルとDNAレベルの系統樹や系統樹の評価などの問題についてお話いたします。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点(農学部) 堀池徳祐 TEL: 054-238-4249(呼) E-mail: thoriike ![]() |
第1回 生物機能を活用した先進的ナノバイオテクノロジーシンポジウム 「進化するナノバイオ研究」(パンフレットPDF) | |
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日 時 | 2009年2月6日(金)12:50-16:50 |
会 場 |
静岡科学館 る・く・る 8Fマルチルーム (静岡市駿河区南町14-25エスパティオ) (アクセス情報) |
プログラム | |
12:50
-13:00 |
開会あいさつ 興 直孝(静岡大学 学長) |
13:00
-13:35 |
長棟 輝行(東京大学大学院工学研究科) 『細胞内シグナリング伝達の可視化と制御』 |
13:35
-14:10 |
Tai-Hyun Park (School of Chem. and Biol. Eng., Seoul National University) 『 Olfactory Receptor-Based Biosensor 』 |
14:10
-14:45 |
都甲 潔(九州大学大学院システム情報科学研究院) 『感性ナノバイオセンサ』 |
14:45
-15:00 |
休憩 |
15:00
-15:35 |
高田 邦昭(群馬大学大学院医学系) 『哺乳類の細胞膜水チャネルをみる - 蛍光標識からナノゴールド標識まで -』 |
15:35
-16:10 |
本多 裕之(名古屋大学大学院工学系研究科) 『ナノバイオの医療への応用「ナノ微粒子を用いた細胞評価技術」』 |
16:10
-16:45 |
遠藤 達郎(東京工業大学大学院総合理工学研究科) 『ナノ光学デバイスを用いたバイオセンシング』 |
16:45
-16:50 |
閉会あいさつ 永津 雅章(静岡大学創造科学技術大学院長) |
問合先 ・ 申込先 |
静岡大学創造科学技術大学院 統合バイオサイエンス部門 生物工学研究室 Tel 054-238-4887 Fax 054-238-3018 E-Mail acypark ![]() |
参加申込期日 | 2009年1月30日(金) |
※ | 事前申込みが無い参加の場合、500円の入館料が必要となりますので、ご留意願います。 |
主催 | 国立大学法人 静岡大学 |
共催 | 静岡科学館 る・く・る |
後援 | 静岡大学生物産業創出推進拠点 |
第6回しずおか里山体験学習施設 遊木の森 主催行事 日高敏隆氏 講演会 | |
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日 時 | 2009年1月31日(土)14:30-16:30 |
会 場 |
静岡県立美術館 講堂 (静岡市駿河区谷田53-2,アクセス情報) |
演 者 |
総合地球環境学研究所顧問 日高 敏隆 先生 |
演 題 |
『人と生きものが集う森・里山 〜動物行動学者から見る自然〜』
日高敏隆さん一風変わった(?)動物行動学者。 虫や動物の行動を研究しているのに、書かれた文章を読むと、なんだかあったかい気持ちになるのです。それは、虫や動物という区別をこえ、私たち人間を含む生きものたちが「生きる」という「不思議」に、日高さんが深いまなざしを向けているからだという気がします。 今回は日本平を中心とした「里山」にスポットをあて、自然とはなにか、またわたしたち人間はこの先、他の生き物たちとどのように付き合っていけばよいのか、という視点で話をしていただきます。 |
定員 | 200名(定員になり次第、締め切らせていただきます) |
料金 | 無料 |
申込先・問合先 | 氏名・住所・連絡先お明記してFax, E-mail, もしくは郵送でNPO法人しずおか環境教育研究会(エコエデュ)まで申込み下さい。 |
企画・運営 |
NPO法人しずおか環境教育研究会(エコエデュ) 〒422-8002 静岡市駿河区谷田1170-2 TEL:054-263-2866 FAX:054-263-2867 E-mail: eco-edu21 ![]() http://www10.ocn.ne.jp/~ecoedu/index.htm |
主催 | 静岡県 |
第166回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2009年1月29日(木)15:20-16:50 |
会 場 |
静岡大学農学部B210室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門 近藤 隆一郎 先生 |
演 題 |
『キノコの新たな機能を求めて〜環境浄化と健康増進〜』
キノコなかでも白色腐朽菌が有している特異な機能を利用した環境浄化、またキノコによる前立腺肥大症改善・骨粗鬆症改善効果についてご紹介し、キノコの新たな機能について考えます。 |
問合先 |
静岡大学創造科学技術大学院 河岸洋和 TEL: 054-238-4885 E-mail: achkawa ![]() |
理学部講演会 - 理学部同窓会後援 | |
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日 時 | 2009年1月29日(木)15:00-16:30 |
会 場 |
静岡大学理学部B202室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
京都大学大学院 人間・環境学研究科 教授 加藤 真 先生 |
演 題 |
『共生の自然史』
生物の種間には、競争や搾取といった、利害が対立している関係が多く見られる。しかし、密接にかかわりあう生物同士はしばしば、対立する利害を乗り越えて相手の利益のためにふるまうように進化することがある。そしてこのような共生関係が、さまざまな生態系に無数に見られ、それらのネットワークが多様性の創出や系の安定性に寄与していることが明らかになりつつある。 森林生態系で特に重要な関係は、送粉共生・種子散布共生・菌根共生・防衛共生という四つの共生関係である。送粉共生は動物媒の植物と送粉動物との間に見られる共生関係である。これらの植物は、花蜜や花粉といった報酬を提供するかわりに、昆虫や鳥などによって送粉サービスを受け取る。現在の地球の緑の大半を占めているのは被子植物であるが、被子植物は動物媒を採用することによって、適応放散を遂げることができたらしい。送粉共生の中でもひときわ注目される系が、イチジクとイチジクコバチ、ユッカとユッカガの間に見られるような絶対送粉共生である。近年、第三の絶対送粉共生系がコミカンソウ科カンコノキ属とハナホソガとの間に発見された。寄主特異性のきわめて高い一対一の共生関係がどのように起源し、パートナー同士がどのように共進化を遂げ、そしてどのように共種分化していったかが解明されつつある。 種子散布共生は、陸上植物と種子散布者との間に見られる関係である。宿命的に移動できない植物にとって、種子と花粉は移動できる散布体である。被子植物の多くが、果肉などの報酬を進化させてまで動物散布を採用していった背景には、指向性のある移住への強い選択圧があったと考えられる。 植物は根圏においても共生関係を結んでいる。多くの陸上植物は接合菌類や子嚢菌類、担子菌類などの菌根菌と共生することによって、水や無機塩類の吸収を助けてもらっている。 植物は多くの植食者の食害を受けているが、その植食者と共進化することによって実に多様な二次代謝産物を進化させてきた。しかしその一方で、一部の植物は植食者の加害から身を守るために、花外蜜などを提供することによって、護衛者を雇うという適応を遂げている。このような四つの共生のネットワークという視点は、「森の自然を守るとはどういうことか?」という問いに明快な解答を与えてくれる。 森から海に目を転じると、そこにはまた全く別の共生のネットワークがあることに気づく。海で卓越する共生関係は、光合成共生と住み込み共生と呼ばれるものである。ここにも、海の生物たちが辿ってきた長い多様化と共進化の歴史が刻まれている。そしてさらに私たち人類の文明も、栽培植物との共生という希有な共生関係の上に成立したことに気づかされる。 |
問合先 |
理学部生物科学科 藤原健智 TEL: 054-238-4776, E-mail: sbtfuji ![]() |
静岡理工科大学公開シンポジウム 「脳と機械をつなぐ新技術 〜ブレイン・マシン・インターフェイスを巡って〜」 | |
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日 時 | 2009年1月24日(土) 13:40〜17:10 |
会 場 |
静岡理工科大学学生ホール3階300講義室 (静岡県袋井市豊沢2200-2) (アクセス情報) |
プログラム | |
13:40
-14:00 |
開会・学長挨拶 |
14:00
-14:30 |
話題提供1 奥村哲(静岡理工科大・総合情報) 「BMI技術の進歩」 |
14:30
-15:00 |
話題提供2 植原亮先生(東大・哲学) 「BMI技術の進歩」 |
15:00
-15:15 |
休憩 |
15:15
-15:55 |
基調講演 竹内薫先生(サイエンスライター) 「科学と人間」 |
15:55
-16:05 |
休憩 |
16:05
-17:05 |
パネルディスカッション |
17:10
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閉会 |
※ |
基調講演をされる竹内薫先生は、「99.9%は仮説(新書)」などで知られるサイエンスライター。植原先生は新進気鋭の哲学者です。 詳細は、ビラhttp://www.justmystage.com/home/tetsuok/SISTSyompoFly.pdf) をご参照下さい。 当日は、学バスがお休み(愛野駅からは坂道を徒歩20分)ですが、自家用車向けの駐車場を開放します。 詳しくは奥村 哲(tetsuok-tmdu ![]() 静岡理工科大学総合情報学部 0538-45-0210 |