静岡大学東部キャンパスには生命科学の研究・教育に携わる多くの方々がいらっしゃいます。研究は基礎から応用まで、その研究分野は生物学から化学まで、また、研究対象は微生物から哺乳類までと多種多岐に渡っています。そのため、なかなか一つの話題を話し合うことが出来ないのが現状です。しかしながら、生命科学を研究する上で、共通の話題・問題があると思います。そこで、生命科学研究を指向する方々のネットワーク作りを目的として、生命科学懇話会を発足させることにしました(96/05/24)。
第85回 静岡ライフサイエンスセミナー, 第14回遺伝子実験施設公開セミナー | |
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日 時 | 2002年12月19日(金)16:00 〜17:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212教室 |
演 者 |
名古屋市大学・
大学院システム自然科学研究科 杉浦 昌弘 先生 |
演 題 |
『RNAエディティング:葉緑体ゲノム情報のRNAレベルでの変換』 講師である杉浦昌弘氏は葉緑体を中心とした植物分子遺伝学分野の大御所であり, 日本でただ一人のメンデルメダルの受賞者でもある。近年,葉緑体におけるRNAエディティングのin vitro系を開発され,エディティング機構の解明に励んでおられます。 本セミナーでは、本学学生および教職員を対象に、ゲノム情報のRNAレベルでの調節に関する最先端の研究内容を紹介してもらう。 |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
公開シンポジウム「静岡大学の環境研究戦略の将来展望」 | |
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日 時 | 2002年12月17日(火)13:30〜18:00 |
会 場 | 静岡大学大学会館ホール |
セッション1 13:30-15:30 |
趣旨説明 鈴木 款 (静岡大学理学部) 学長挨拶 佐藤博明(静岡大学学長) 特別講演1 小宮山宏(東京大学大学院) 「科学と環境をつなぐための知識の構造化」 特別講演2 和田英太郎(総合地球環境学研究所) 「環境科学から環境学へ − 最近の動向 −」 |
セッション2 15:40-18:00 |
講 演 須藤雅夫(工学部),佐古 猛(工学部), 加藤憲二(理学部),早津雅仁(農学部 「静岡大学の環境研究への提言」 パネル討論 ゲストパネラー: 小宮山宏(東京大学大学院), 和田英太郎(総合地球環境学研究所) 学内パネラー: 佐藤博明 学長,中井弘和 副学長,荒木信幸 副学長, 松田純(人文学部),鈴木款(司会、理学部) |
連絡先 |
問合先:
問合先: 「生命科学懇話会」世話人 |
公開シンポジウム「生命環境応答に関する統合バイオサイエンス」 | |
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日 時 | 2002年12月12日(木)10:30〜15:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B202室 |
特別講演 |
高田邦昭(群馬大学医学部教授) 「細胞膜糖輸送体の局在と動態」 上村大輔(名古屋大学大学院理学研究科教授) 「未解明生物現象の化学」 |
講 演 |
田中滋康(静岡大学理学部教授) 「両生類の水適応から見た水チャネル アクアポリン」 山崎昌一(静岡大学理学部助教授) 「生体膜素子(アクチン/フィラミンA―ゲルおよび脂質膜)の環境に対する応答」 露無慎二(静岡大学農学部教授) 「植物―病原細菌の分子相互作用」 碓氷泰市(静岡大学農学部教授) 「糖鎖を有する複合糖質の設計とバイオ素材への展開」 |
連絡先 |
問合先:
「生命科学懇話会」世話人 |
第84回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年12月10日(火)16:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学遺伝子実験施設1階セミナー室 |
演 者 |
岡崎国立共同研究機構,
統合バイオサイエンスセンター 勝 義直 博士 |
演 題 |
『エストロゲンによるマウス雌性生殖器官の増殖・分化制御』 性ステロイドホルモンであるエストロゲンは主に卵巣で生成・分泌されている。マウス雌性生殖器官である膣は、成熟後、性周期に伴う卵巣からの周期的なエストロゲン分泌に依存した増殖・退行を示す。私たちはこのエストロゲンによる膣上皮細胞の増殖・分化誘導機構を解析しており、これまで蛍光ディファレンシャル・ディスプレイ法を用いてエストロゲンにより発現誘導される遺伝子の単離・同定を行ってきました。このうちの最近単離された新規のC型レクチンについて報告します。このレクチンはエストロゲンによって発現が増加する遺伝子であり、上皮細胞の分化に関与していると考えられる。さらにエストロゲンによる細胞周期の開始機構の解析結果についても論じたい。 |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
理学部講演会 | |
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日 時 | 2002年10月31日(木)13:30〜15:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B202室 |
演 者 |
外務省
総合外交政策局
国際社会協力部
地球環境課長 側嶋 秀展 氏 |
演 題 |
『外務省が語る「環境問題」〜ヨハネスブルグサミットとその後〜』 |
連絡先 |
招聘者:
招聘者: |
理学部講演会 | |
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日 時 | 2002年10月22日(火)15:00〜 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B202室 |
演 者 |
東京大学大学院総合文化研究科
広域科学専攻 生命環境科学系 教授 浅島 誠 先生※ |
演 題 |
『未分化細胞からの器官形成と移植について‐新しい再生科学の流れと発展‐』 脊椎動物である両生類の胞胚期の未分化細胞を用いて、試験管内でいろいろな器官(臓器)形成や形づくりを行う。その時、分化誘導因子として主としてアクチビンを用いて行うが、他にRA(レチノイン酸)などを混合して未分化細胞に与えると拍動する心臓や前腎(腎臓)、脳、眼など15種類の器官や組織をつくり出すことができる。これら誘導された器官(臓器)は正常胚の各々の器官と比較しても形態学的にも機能的にも同じことが証明される。それでは試験管内でつくったこれらの器官は別の宿主胚に移植が可能であるのだろうか。免疫学的なことも触れながら現状と今後のこの分野の展望を述べてみたい。 ※次期日本動物学会会長,恩賜賞・学士院賞(平成13年度)受賞,紫綬褒章(平成13年度)受賞 |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第83回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年9月19日(木)11:00〜12:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212室 |
演 者 |
大阪大学蛋白質研究所,
JST・ERATO関口細胞外環境project 関口 清俊 先生 |
演 題 |
『細胞外環境センサーとしてのインテグリンと基底膜』 細胞外マトリックスに書き込まれた様々な情報は、細胞表面のセンサー分子により読み込まれ、細胞内シグナル伝達系の活性化を通じて、細胞の運動や増殖・分化の制御を行っている。このマトリックス情報を読みとるセンサー分子の代表がインテグリンである。本セミナーでは、上皮細胞に対する直近の細胞外環境である基底膜に注目し、基底膜への接着によってどのようなシグナルがインテグリンを介して細胞内に伝達され、そのシグナルが細胞の運動や増殖・細胞死をどのように制御しているかを、最近の我々のグループの研究成果を中心に紹介する。 1) Gu, J., et al.: K. Laminin-10/11 and fibronectin differentially regulate integrin-dependent Rho and Rac activation via p130Cas-CrkII-DOCK180 pathway. J. Biol. Chem. 276: 27090-27097, 2001. 2) Gu, J., et al.: Lmainin-10/11 and fibronectin differentially prevent apoptosis induced by serum removal via PI 3-kinase/Akt- and MEK1/ERK-dependent pathways. J. Biol. Chem. 277: 19922-19928, 2002. |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第82回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年9月17日(火)16:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学遺伝子実験施設1階セミナー室 |
演 者 |
東京大学大学院農学生命科学研究科
生産・環境生物学専攻
植物分子遺伝学研究室 中園 幹生 先生 |
演 題 |
『Laser Capture Microdissection (LCM)/cDNA microarrayによる特定の植物組織・細胞で発現する遺伝子の同定』 Laser Capture Microdissection (LCM)は、レーザー光を利用して、組織切片上の特定の組織・細胞のみを単離する技術である。これまでの実験手法では、様々な細胞の混在したサンプルからしかRNAやタンパク質を調製できなかったために、興味のある特定の細胞で特異的に発現する遺伝子の解析が困難であった。しかしながらLCM技術の開発により、均一な細胞集団を正確に単離できるようになり、個々の細胞レベルでの精度の高い遺伝子発現解析が可能となった。我々はトウモロコシの子葉鞘から維管束と表皮細胞をLCMにより単離し、RNA抽出を行った。さらにそのRNAをプローブにして、cDNA microarrayを実行し、多数の維管束特異的遺伝子または表皮細胞特異的遺伝子の同定に成功した。本セミナーでは植物におけるLCM技術を紹介し、今後解決する必要のある問題点についても指摘したい。 |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第81回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年8月6日(火)13:30〜15:00 |
会 場 | 静岡大学遺伝子実験施設1階セミナー室 |
演 者 |
アプライドバイオシステムズジャパン株式会社 津幡 卓一 氏 |
演 題 |
『MALDI-TOF/MSを用いたプロティオミックス研究の流れ』 先日(6月19日)に島津製作所のMALDI/TOFMSの紹介をしましたが、今回 は、アプライドバイオシステムズジャパン株式会社のMALDI-TOF質量分析装置Voyagerシリーズのセミナーを開催させていただくことになりましたので、 ご案内させて頂きます。参加申し込みは特に必要ありません。 |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第80回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年7月26日(金)15:00〜16:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212教室 |
演 者 |
大阪大学微生物病研究所 助教授 (静岡大・理・生物の出身:学部卒業1980,修士課程修了1982) 野崎 正美 先生 |
演 題 |
『生殖細胞の分化:マウス精子形成関連遺伝子群の解析』 生命の設計図であるゲノムは生殖細胞を通じてのみ、世代を越えて伝えられる。種を安定に保つために生殖細胞のもつゲノムは変化に対する抵抗力を持つが、逆に、組み換えを起こして両親のゲノムをシャッフルすることで、個の多様性を生み出す。このように体細胞にはない生殖細胞の特徴を理解するために、様々な試みがなされている。生殖細胞は卵と精子に分化して、お互いが受精することによって発生を始めるが、私たちは特に雄性生殖細胞である精子形成の分子機構に焦点を絞り、遺伝子の包括的解析を行ってきた。精子形成は生殖幹細胞の自己複製から分化への転換、減数分裂、半数体細胞の形態形成による精子完成の3段階を経て完了する。このセミナーでは最近の雄性生殖細胞分化におけるトピックスとともに、精巣生殖細胞特異的遺伝子群の解析から得られた知見をあわせて紹介したい。 *理工学研究科前期課程「発生生物学特論(野口担当)」の受講者は授業の一部になります. |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第79回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年7月23日(火)17:00〜18:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212教室 |
演 者 |
中央農業総合研究センター 耕地環境部 鳥獣害研究室 室長 藤岡 正博 博士 |
演 題 |
『広域的な個体数と生物多様性モニタリングの重要性』 ある干潟が埋め立てられたり、天然林が伐採されれば、その場所での生物多様性が損なわれるのは自明である。ところが、それが各々の生物個体群にどの程度のインパクトがあるのかを評価しようとすると、理論的にも実践的にも困難な問題が多々ある。さらに、農法の変更のように変化としては一見小さなものでも、広域的に広がることによって生物個体群に大きな影響を及ぼすことがある。 サギ類繁殖個体群のモニタリングを一つの事例として、広域的に個体数や生物多様性を評価することの重要性について議論したい。 |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第78回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年7月19日(金)15:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212教室 |
演 者 |
東京都医学研究機構 東京都臨床医学総合研究所 分子腫瘍学研究部門 研究部長 田中 啓二 博士 |
演 題 |
『ユビキチンとプロテアソームによる蛋白質の品質管理機構』 蛋白質は誕生から死に至るまでの一生の間に常に異常性を獲得する危険性を孕んでいる.それは細胞内で生合成された蛋白質がフォールディングやパートナー分子との会合に失敗する確率が予想以上に高いことや正常に合成された蛋白質であったとしても様々な環境ストレスによって恒常的に損傷を受けていることが判明したからである.このため細胞には構造に異常をきたした(ノンネイティブな)蛋白質を修復あるいは破壊する装置が準備されている.シャペロンシステムとユビキチンプロテアソームシステムである.分子シャペロンは細胞内蛋白質を手厚く看護してそれらが正常に機能できるように支援する分子群であり,損傷蛋白質の再生装置でもある.他方,もはや修復し難くなった異常蛋白質はユビキチンプロテアソームシステムの働きで速やかに分解・廃棄される.この蛋白質の健康状態を点検するシステムを「品質管理」といい,この品質管理システムが破綻すると,異常蛋白質は凝集・沈着し封入体を形成する.長い間この状態に陥ると,細胞は死を選択する方向に傾斜する.その影響は,再生不能なニューロンでは致命的な障害となり、部位特異的な脳機能不全ひいてはアルツハイマー病,パーキンソン病,プリオン病などの様々な神経変性疾患の発症を誘発する共通の原因となる. 本講演では動物細胞における品質管理について小胞体関連分解(ERAD)とシャペロン依存性ユビキチン連結酵素CHIPの機能を中心に概説する. |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第78回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年7月12日(金)17:00〜18:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B203教室 |
演 者 |
インスブルック大学(オーストリア) 教授 Bernhard Krautler 博士 |
演 題 |
『On Chlorophyll Catabolites and Chlorophyll Breakdown in Higher Plants (高等植物のクロロフィル分解と代謝について)』 クロロフィルの代謝は秋の紅葉でわかるように最も目に付きやすい生命現象である.毎年10億トンものクロロフィルが分解されていると考えられているが,1990年にクロロフィルの開裂した分解産物が発見されるまでは,この分解過程はほとんどわかっていなかった. Krautler 博士はこの研究の進展につながった分解産物の発見と同定に携われたお一人で,今回の講演では,高等植物のクロロフィル・マクロ環の開裂機構および分解産物について解説していただく予定である. |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
講演会 | |
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日 時 | 2002年7月1日(月)15:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B210教室(大学会館3階ホールから変更)★ |
演 者 |
大阪府立大学総合科学部 教授 上田 純一 先生 |
演 題 |
『宇宙植物科学の実際: スペースシャトルを用いた植物宇宙実験を中心として』 近年,宇宙環境に注目が集まり,様々な科学実験が宇宙環境において実施されています.植物科学の分野におきましても,例えば,1998年にスペースシャトルを用いた植物宇宙実験が実施され,数々の成果を挙げることが出来ました.今回は,宇宙環境における植物科学の実際を,私達が取り組みましたSTS-95宇宙実験(「宇宙環境下における高等植物の成長,発達,ならびにオーキシンの極性移動に関する研究」)を中心にお話致します.また,このような宇宙実験に関係する地上基礎実験についても御紹介したいと考えています. |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第76回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年6月19日(水)13:30〜16:00 |
会 場 | 静岡大学遺伝子実験施設1階セミナー室 |
演 者 |
Shimadzu Biotech 川畑 慎一郎 氏 |
演 題 |
『質量分析計を用いたプロテオーム解析: MALDI/TOFMSの特徴・性能と応用』 ヒト、マウスのゲノム解析結果の概要が明らかにされた以後、発現するすべてのタンパク質であるプロテオーム解析への期待は大きく、その中でも基本となるタンパク質の一次構造解析や修飾および質量を解析することは生命科学の解明に重要であります。最新の質量分析計(MALDI/TOFMS)がプロテオーム解析における役割は非常に大きく、その特徴・性能と応用についてのセミナーです。 |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
講演会 | |
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日 時 | 2002年6月10日(月)15:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B210教室(大学会館3階ホールから変更)★ |
演 者 |
慶應義塾大学理工学部化学科 助教授 上田 実 先生 |
演 題 |
『概日性リズムを示す植物就眠運動の生物有機化学: 生物現象への有機化学的アプローチ』 マメ科植物が夜になると葉を閉じ、朝には再び葉を開く就眠運動は、古くはアレキサンダー大王の時代から人類の興味を集めて来た。また、この運動は、生物時計によってコントロールされることから、世界中の科学者によって膨大な研究がなされてきた。我々は、永年不明であった就眠運動をコントロールする化学的因子について研究を行い、種々の植物から葉を閉じさせる就眠物質、並びに、葉を開かせる覚醒物質を単離・構造決定した。これらの化学物質を手がかりに、就眠運動の生物時計による調節機構、活性物質の生体内における標的細胞、さらには、就眠運動の生物学的意義、就眠運動を利用した特異的除草剤の開発などに関して独自の有機化学的アプローチに よる研究を展開して来た。本講演では、これらの研究経過について、我々の発想を交えて紹介したい。 |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第75回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年5月15日(水)13:00〜14:00 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B203教室 |
演 者 |
京都大学木質科学研究所 黒田宏之先生 |
演 題 |
『木材中の二次代謝・通水の制御 --- マツ枯れから見えてきたもの ---』 マツ属心材の代表的な成分であるピノシルビンモノメチルエーテルは、材線虫に対して比較的強い殺虫活性を持っています。そこで、先ずピノシルビン生成に直接関与している遺伝子群(スチルベン合成酵素やO-メチル基転移酵素)に着目して進めてきた研究を紹介させていただきます。次に、マツ枯れの分子機構と関連して、土壌中の水分が樹木の全身に行き渡る「通水」(なぜ水が10メートル以上高い葉まで届くのでしょう?)の遮断について述べたいと思います。最後に、木材中の生きた細胞の話(木材は生きている!)や、木が枯れる過程と植物進化の関係(?)についても触れてみたいと思います。 |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第74回 静岡ライフサイエンスセミナー (主催:British Council, 共催:静岡大学遺伝子実験施設,静岡大学農学部) | |
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日 時 | 2002年5月12日(日)14:00〜15:00 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B208室 |
演 者 |
Scotish Crop Research Institute Dr. Ian Toth |
演 題 |
『Saving plants from disease by genomics and other approaches』 Toth博士は、特にスコットランドにおける多くの植物病害をきれいな写真で示しながら、植物の病気がどのようなものであるのかについて紹介して下さいます。また、現在、彼等は植物病原細菌Erwinia carotovora subsp.atrocepticaのゲノミクス研究をSanger研究所と共同で行っていますので、植物が病気にかからないようにするために、ゲノミクス研究やその他の研究手法によって、いかに重要な情報が得られるのかについても説明して下さいます。本講演会は、British Councilからの依頼で、静岡県内の高等学校に案内が出されており、高校生にも参加を呼び掛けています。もちろん、本学学生、教職員にも多数参加していただきたいと思っています。(文責:露無慎二) |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第73回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年4月19日(金)13:00〜14:30 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B205室 |
演 者 |
Wright State University, College of Science and Mathematics Assistant Professor Dr. Tohmas J. Van't Hof |
演 題 |
『Circannual Rhythms: Endocrine aspects of migration and urban effects』 (鳥類の年周期リズム: 渡りのホルモン支配と都市の影響) Tohmas J. Van't Hof 先生は、鳥類のメラトニンでは世界的第一人者で、ムクドリ、アトリ科ツメナガホオジロ、スズメ、カナリア、ゼブラフィンチ、フクロウ等の野鳥を対象にした概日リズムや季節繁殖、渡りのホルモン制御が御専門です。最近では鳴禽類の終脳の順応性とメラトニンとの関係を解析したり、消化管とメラトニンの関係を追求したりと精力的に新しい研究を展開されています。(文責:森誠) |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第72回 静岡ライフサイエンスセミナー 生命科学分野におけるものづくり教育の実践 ワークショップ2 | |
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日 時 | 2002年3月28日(木)15:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B212(or B202) |
演 者 |
オリンパス光学工業株式会社 阿部 勝行 さん (エバネッセント光を用いた全反射式蛍光顕微鏡の開発関係者) |
概 要 |
『最新式光学顕微鏡の動作原理と開発史を学ぶ』 生命科学分野で高頻度に用いられる光学顕微鏡は、様々な研究開発により日進月歩の進化を遂げている。光学機器メーカーの開発担当者を招いて、最新式光学顕微鏡の動作原理や開発史についての講演を聞く。また、デモ機や現有機器を用いて、光学顕微鏡の正しい使用法や効果的な使用法・応用例などを実地形式で学ぶ。 このワークショップの実施によって、最新機器の動作原理や開発史についての理解が進み、ユーザーとしてその機器を多方面で有効利用しうる柔軟性や、メーカーの立場になったときユーザーに優しい機能的なものをつくるという開発姿勢が育まれることを期待する。 (文責:竹内@静岡大) |
対象者 |
学部学生,大学院生,教官など 約30名 ★資料作成・準備の都合上、参加希望者は sbhtake@ipc.shizuoka.ac.jpまで事前連絡(メールタイトルに「ものづくりWS1参加希望」と明記)をお願いします。 |
連絡先 |
参加希望宛先:
「生命科学懇話会」世話人 |
第71回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年3月18日(月)13:00〜14:30 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B207室 |
演 者 |
TU Braunschweig,
Institut fur Lebensmittelchemie Professor Peter Winterhalter Dr. Peter Fleischmann |
演 題 |
『○ Norisoprenoid 系香気成分 ○カロテノイド分解酵素 ○Multiple Layer Couter Current Chromatograpyと食品など の香気成分前駆体精製、分析への応用』 Carotenoid-derived Aroma Compounds Peter Winterhalter (30 min) C13, C15-ノルイソプレノイドと総称されるカロテノイド由来の化合物のなかには、香料分野での重要な香りの閾値が低い化合物が多く知られている。しかしながらその生合成に関してはほとんど知見がなく、そのため、生物工学的手法による生産手段の開発もされていない。ここでは、ノルイソプレノイドの化学の進歩、現時点での生合成に関する知見、および将来への展望を解説する。 Carotenoid Cleavage Enzymes in Plants Peter Fleischmann (30 min) カロテノイド分解酵素に関しては、動物起源の分解酵素や植物ホルモンであるABAの生合成に関わる酵素以外はほとんど明確になっていない。クインスフルーツ、スターフルーツ、キンモクセイの花、茶葉は多くの重要なノルイソプレノイド系香気成分を生合成している。ここではこれらの植物におけるノルイソプレノイド系香気成分の生成に関わるカロテノイド分解酵素の発見の経緯、酵素の性質等を紹介する。 Application of Countercurrent Chromatography in Natural Product Analysis Peter Winterhalter (30 min) 液滴向流分配クロマトグラフィーの進歩にはめざましいものがあり、演者らの改良によって開発されたマルチコイル型遠心液滴向流分配クロマトグラフィーの利用によって30グラムスケールでの精製、単離も可能となってきた。本法は吸着剤などの担体を用いないため、特に不安定な天然物の精製・単離に適している。ここでは、この方法の原理、およびanthocyanins, isoflavones, lignans等の分析への応用例を紹介し、さらに最近新たに開発された2つの手法:centrifugal precipitation chromatography (CPC) と low-speed rotary countercurrent chromatographyについても紹介する。 ○生理活性物質、香料などの化学、生合成、単離、精製などに関心のある学部学生,院生,教職員の御来聴を歓迎します。 |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第70回 静岡ライフサイエンスセミナー 生命科学分野におけるものづくり教育の実践 ワークショップ1 | |
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日 時 | 2002年3月11日(月)13:30〜15:30 |
会 場 | 日本平動物園 (当日は休園日で入園料不要・参加費無料) |
演 者 |
日本平動物園 清水 定夫 さん (ペンギン,フラミンゴ,キジ類,猛禽類の飼育担当者) |
概 要 |
『動物飼育におけるものづくり』 医学・生命科学分野では、多種多様な実験動物を用いた研究や実験が必要不可欠であり、質の高い動物実験を安定的に継続するためには、実験動物を健康に保つことに十分な注意を払う必要がある。動物飼育・維持のプロである動物園の担当者に、動物飼育・維持のコツやいろいろな工夫(機器の試作・改良など)について話を伺い、また、実際に手を動かしながら動物飼育におけるものづくりを実地形式で学ぶ。 このワークショップの実施によって、動物飼育・維持の知識・技術が増すだけでなく、既存の機器に頼らず自らの力で目的にあった装置の試作や既存装置の改良・システムアップを行うなど、最新機器・機材が未整備な環境でも教育活動・研究活動を推進できるような自活力・応用力が身に付くことを期待する。 (文責:竹内@静岡大) |
対象者 |
学部学生,大学院生,教官など 約30名 ★資料作成・準備の都合上、参加希望者は sbhtake@ipc.shizuoka.ac.jpまで事前連絡(メールタイトルに「ものづくりWS1参加希望」と明記)をお願いします。 |
連絡先 |
参加希望宛先:
「生命科学懇話会」世話人 |
第69回 静岡ライフサイエンスセミナー, 第9回遺伝子実験施設公開セミナー | |
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日 時 | 2002年2月8日(金)16:00 〜17:30 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212教室 |
演 者 |
北海道大学・
大学院農学研究科 尾之内 均 先生 |
演 題 |
『シスタチオニンγ-シンターゼ遺伝子の部分翻訳産物によるmRNA安定性の自己制御』 植物のメチオニン生合成の鍵段階で働くシスタチオニンγ-シンターゼ (CGS) の遺伝子発現は、mRNA安定性の段階でメチオニン添加に応答したフィードバック制御を受ける。この制御は、CGS自身の第1エキソンにコードされる領域の十数アミノ酸からなるペプチド配列が、自分自身をコードするmRNAの安定性の制御に関与するというユニークなものである。その第1エキソン領域のポリペプチドはこの制御においてシスに作用する、すなわち自分自身の鋳型となったmRNAに対してのみ作用することから、CGS mRNAと新生ポリペプチドが互いに近接している翻訳中にこの制御が働くと考えられる。翻訳中に新生ポリペプチドがシスに作用して遺伝子発現を制御する例は、真核生物においても最近いくつか知られるようになったが、それらのうちの多くの場合では、20アミノ酸くらいまでの小さなORFにコードされるポリペプチドによって下流のORFの翻訳が制御される。CGSの制御のように、主たるORFの中に制御領域が存在し、そこにコードされるポリペプチドが自身のmRNAの安定性制御に関わる例は他に一例のみであり、そのメカニズムの詳細は明らかにされていない。現在、遺伝学的解析やin vitro 翻訳系を用いた解析によって、この制御機構の解明を目指している。 |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第68回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2002年01月31日(木)14:00〜16:00 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B201教室 |
演 者 |
立命館大学理工学部化学生物工学科, 助教授 今村 信孝 先生 |
演 題 |
『水溜まりに棲む小さな生物達の化学戦争』 アオコ現象の多くは、有毒種の多い藍藻ミクロキスチスの異常増殖であり、その消長には、取り巻く微小生物達との生存競争が関与すると言われている。そこで、アオコ発生に関与する植物プランクトンの捕食者ミジンコ、および消滅に関与する溶藻細菌と、ミクロキスチスとの関係を化学的側面から検討した。その結果、身を守るための、また狩りのための武器として化学物質を生産し、利用する生物達の智恵が見えてきた。 |
連絡先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |