静岡大学東部キャンパスには生命科学の研究・教育に携わる多くの方々がいらっしゃいます。研究は基礎から応用まで、その研究分野は生物学から化学まで、また、研究対象は微生物から哺乳類までと多種多岐に渡っています。そのため、なかなか一つの話題を話し合うことが出来ないのが現状です。しかしながら、生命科学を研究する上で、共通の話題・問題があると思います。そこで、生命科学研究を指向する方々のネットワーク作りを目的として、生命科学懇話会を発足させることにしました(96/05/24)。
第54回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2001年03月19日(月)13:30〜(約45〜60分) |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B201,202教室 |
演 者 |
ミシガン工科大学 Vincent L. Chiang 教授 |
演 題 |
『植物リグニンの生合成とその改変』 Vincent Chiang 先生は,樹木の主要構成成分であるリグニンの生合成経路について生化学,遺伝子工学的に精力的に研究を展開され,リグニン生合成経路の解明に大きく貢献されてきました。また,最近では,これらの知見を基にリグニン生合成を制御したトランスジェニック樹木の創出へも研究を展開しています。多数の参加をお待ちしております。 |
連絡先 |
招聘者:堤 祐司@農・森林資源科学科(内7700)
「生命科学懇話会」世話人 竹内浩昭@理・生物(内5704) 山内清志@理・生物(内5708) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第52回,第53回 静岡ライフサイエンスセミナー (講演会「生命科学の最前線」講演1,2) | |
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日 時 | 2001年03月16日(金)15:00〜17:30 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212教室 |
演 者 1 |
15:00〜15:40 工業技術院 大阪工業技術研究所 高分子表面化学研究室 主任研究官 近江谷 克裕 先生 |
演 題 1 |
『ポストセントラルドグマを目指した細胞内プローブとしての生物発光』 ポストゲノム時代の次には一体何がくるのか? 新版Molecular Cloningの表紙を飾った発光クラゲAequorea victoriaの持つ発光タンパク、蛍光タンパクは新しい生命科学の扉を開きつつある。 そんな分子プローブとして注目されつつある生物発光の現状と未来を語ってみたい。 |
演 者 2 |
16:00〜17:30 福井医科大学医学部生化学第2講座 教授 宮本 薫 先生 |
演 題 2 |
『ゴナドトロピンと生殖内分泌(GnRH II、インヒビンから環境ホルモンまで)』 卵巣の発達(卵胞の発育)は第一義的には脳下垂体からのゴナドトロピン分泌により調節されている。 私どもは新たなゴナドトロピン調節因子として、ニワトリ視床下部 からGnRH IIを、さらにブタ卵胞液からインヒビンの単離精製に初めて成功し、ゴナドトロピン分泌の機序を明らかにした。 またゴナドトロピンは卵巣に発現するLH受容体、FSH受容体を介して作用する。 私どもはLH受容体、FSH受容体をクローニングする とともに、最近これらの受容体の発現が極微量のダイオキシンによって抑制されることを見いだした。 現在、サブトラクションクローニングを利用して、低濃度の内分泌かく乱物質の卵巣に対する影響を遺伝子レベルで検索している(平成12年度より戦略的基礎研究推進事業CREST課題に採択)。 |
連絡先 |
招聘者:田中滋康@理・生物(内5716)
「生命科学懇話会」世話人 竹内浩昭@理・生物(内5704) 山内清志@理・生物(内5708) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第51回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年12月22日(金)13:00〜14:30 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212教室 |
演 者 |
東京工業大学資源化学研究所 助教授 久堀 徹 先生 |
演 題 |
『葉緑体酵素の酸化還元調節』 光は、植物の葉緑体における物質生産(光合成)のエネルギー源であると同時に、葉緑体の中で働く多くの酵素の調節にも重要な因子である。特に、光合成の電子伝達系から還元力を受け取るチオレドキシンは、炭酸同化系、ATP合成系、脂質合成系など葉緑体内で起こる主な物質代謝の主経路の酵素を、ジスルフィド結合一本の還元によって調節している。ここ2〜3年の間に葉緑体内でチオレドキシンに調節されている酵素の研究は急速に進み、チオレドキシンカスケードとも言うべき酸化還元調節の全体像がおぼろげながら見えてきた。今回の講演では、チオレドキシンを取り巻く最近の研究の進展を紹介する。 さらに、チオレドキシンによる酵素活性の調節の分子機構に関して、私たちは、最近、ATP合成酵素を用いて非常に面白い実験に成功した。そこで、分子レベルでの酵素の調節がどのように行われるのか、私たちの実験結果を通して考察してみたい。 |
連絡先 |
招聘者:天野豊己@理・生物(内5718)
「生命科学懇話会」世話人 竹内浩昭@理・生物(内5704) 山内清志@理・生物(内5708) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第50回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年12月20日(水)16:00〜17:30 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212教室 |
演 者 |
金沢大学理学部附属臨海実験所 教授 笹山 雄一 先生 |
演 題 |
『骨硬化ホルモン<カルシトニン>の比較内分泌学』 カルシトニンはペプチドホルモンで、哺乳類においては骨の破骨細胞の活性を抑制することによって骨からのCaの溶出を抑える。その結果、血中Ca濃度は低下する。一方、これまで魚類をはじめとする下等脊椎動物において、カルシトニンの役割は必ずしも明らかでなかった。しかしながら、我々は、最近、キンギョやウナギを用いてカルシトニンが少なくとも摂餌後の血中Ca濃度の上昇の抑制に働いていることを証明できた。また、カルシトニンは腸をはじめ種々の器官で発現し、一定の役割を担っているらしいこと、また、シロサケ等の卵内にはカルシトニンのmRNAがあることなどを見いだしている。カルシトニンの役割の本質を見直さねばならないかもしれない。 |
連絡先 |
招聘者:田中滋康@理・生物(内5716)
「生命科学懇話会」世話人 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第49回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年12月15日(金)13:30〜15:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212教室 |
演 者 |
東京都立大学大学院理学研究科生物科学専攻 教授 八杉 貞雄 先生 |
演 題 |
『消化器官の形成における組織間相互作用と遺伝子カスケード』 消化器官は動物の生存に不可欠の器官でありながら,その形成過程の解析は,眼や手足や神経系などに比べると著しく遅れていた。しかし近年,主として分子生物学的アプローチを用いて,消化器官形成の種々の段階について,そこに関与する遺伝子が明らかになってきた。このセミナーでは,私の研究室の研究を中心に,二ワトリ胚消化器官の形成における遺伝子発現のプログラム(カスケード)について述べることにする。 多くの器官形成システムと同様に,消化器官の形成でも組織間相互作用が重要な役割を果たしている。消化器官は内胚葉性の上皮と中胚棄性の間充織からなり,ある場合には上皮の発生運命は間充繊によって決定される。例えば,ニワトリの2つの胃(前胃と砂嚢)の上皮は,発生初期にはどちらにも分化する能力をもち,間充織の影響によってその発生の方向が決定される。このプロセスに関与する間充織因子として細胞外基質とBMP(骨形成タンパク質)が重要であることを我々は示した。また逆に,間充繊の分化(平滑筋の分化など)に対して,上皮が積極的に関わっていること,その場合にキーになる遺伝子がsonic hedgehogであることも示した。このように,消化器官の形成では,文字通りの「相互作用」が働いている。 また消化器官は,消化酵索の産生という,細胞特異的遺伝子発現のモデルにもなる。我々は胃の消化酵素ペプシンの前駆体ペプシノゲンの遺伝子に着目し,この遺伝子の発現が間充織によって制御されていること,その制御のためにはいくつかの転写因子が遺伝子の上流に存在する結合サイトに結合することが必須であることを明らかにした。 以上の結果に基づいて,消化器官の初期発生から機能分化までの,遺伝子カスケードについてまとめてみたい。 |
連絡先 |
招聘者:塩尻信義@理・生物(内5711)
「生命科学懇話会」世話人 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第48回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年12月5日(火)15:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B203教室 (★変更注意★) |
演 者 |
ペンシルバニア大学 モネル化学感覚研究所 教授 山崎 邦夫 先生 |
演 題 |
『遺伝子は匂いを操る』 体臭は多くのメッセージを伝え、多くの動物間の行動や生理面を調節する。個体間の遺伝に基づく識別を主要組織適合抗原複合体の遺伝子群に焦点を合わせて研究した結果これらが動物の匂い型(遺伝に基づく匂いの表現型)と名付けているものを部分的に特異づけていることを明らかにできた。ヒトでも母親は出生後短期間に自分の子供を識別できる。また一部の集団では結婚相手も匂い型を識別して選ぶ特徴が見られる。匂いの好みが遺伝子に操られていることを示唆するものである。 |
連絡先 |
招聘者:渡辺修治@農・応用生物化学(内7800)
「生命科学懇話会」世話人 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第47回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年11月30日(木)17:00〜18:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212号室 |
演 者 |
静岡大学 保健管理センター 助教授 池谷 直樹 先生 |
演 題 |
『ヒト腎疾患とその実験モデルについて』 これまで腎臓内科の臨床医として勤務して、また腎臓病の分野で研究をしてきました。この4月から、静岡大学にきまして、これまでの腎疾患に加えて動脈硬化等の生活習慣病も対象に研究をして、医学部以外の先生方とも議論できたら良いなと考えております。 今回、まずヒト各種腎疾患の病態,進行経過とその進行機序についての知見をお話します。腎疾患が進行して機能がおちてくると様々な組織的変化がみられますが、特徴的なものとしては、細胞増殖そして線維化という変化が起こり、肉眼的には萎縮した状態となります。その病態の機序を解明するために用いたラット抗胸腺抗体腎炎モデルの説明をして、そこで得られた実験の結果を紹介します。次に動脈硬化の原因として知られているhomocysteineに関して作られたラットの高homocysteine血症の実験モデルについてのデータも示し、みなさんのご意見を伺い、また議論してみたいと思います。 |
連絡先 |
招聘者:竹内浩昭@理・生地環(生物学教室) 内5704
「生命科学懇話会」世話人 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第46回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年11月29日(水)15:30〜17:30 (★変更注意★) |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B210教室 (★変更注意★) |
演 者 |
大正製薬株式会社 医薬事業企画部参事 新井 好史 先生 |
演 題 |
『HTS (High Throughput Screening) への取り組み』 近年、製薬企業ではHTSに取り組んでいる。HTSとは、新たなリード化合(医薬品の候補化合物)物を発見するために、極めて多数の化合物資源を効率的にスクリーニングして、新規な生理活性化合物を見いだすことである。効率的なスクリーニングをするための様々な取り組みについて、スクリーニング法とその特徴、アッセイ系作成技術等、HTS全般についての解説をする。 |
連絡先 |
招聘者:渡辺修治@農・応用生物化学(内7800)
「生命科学懇話会」世話人 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第45回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年11月29日(水)14:00〜15:30 (★変更注意★) |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B210教室 (★変更注意★) |
演 者 |
オーストリア ウイーン大学 Wolfgang J. Schneider 先生 |
演 題 |
『Chicken Oocyte Development:Growth and Extracellular Matrices』 (ニワトリの卵子形成:卵子の発育と細胞外マトリックス) |
連絡先 |
招聘者:森誠@農・応用生物化学(内7404)
「生命科学懇話会」世話人 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第44回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年11月13日(月)13:00〜14:00 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟208号室 |
演 者 |
東京大学 名誉教授 岡田 吉美 先生 |
演 題 |
『分子病理学への先導的役割を果たしたタバコモザイクウイルス』 |
連絡先 |
招聘者:露無慎二@農・生物生産学科(内線 7413)
「生命科学懇話会」世話人 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第43回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年10月23日(月)16:30〜17:30 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212号室 |
演 者 |
Brown Univ., RI, USA Prof. Samuel I. Beale |
演 題 |
"Multiplicity of alternative reactions in tetrapyrrole biosynthesis" 『テトラピロール生合成における選択的(代替)反応の多様性』 ポルフィリン化合物の1種であるクロロフィルやヘムは,ピロールが4分子リング状に連なった構造をしており,テトラピロールとも呼ばれる.1分子のピロールは,2分子の5−アミノレブリン酸から生成される. 動物や細菌類では5―アミノレブリン酸はグリシンとスクシニルCoAから生成されることが知られていたが(C2経 路),植物においては,5―アミノレブリン酸がどのように生成されるかは長い間分かっていなかった.Beale 教授は,植物においては,グルタミン酸から生合成されること(C5経路)を始めて発見するなど,テトラピロールの生合成に関して数多くの優れた研究成果をあげ,高く評価されている. このセミナーでは,Beale教授が最近興味を持っているテトラピロール生合成における反応の多様性についてより一般的な角度から講演をしていただく予定です. |
連絡先 |
招聘者:塩井祐三@理・生地環(生物学教室) 内5701)
「生命科学懇話会」世話人 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第42回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年10月20日(金)15:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟208号室 |
演 者 |
甲南大 理学部生物学科 教授 田中 修 先生 |
演 題 |
『つぼみの形成/開花/キノコの話』 「つぼみの形成」:植物は昼と夜の長さに反応してつぼみを形成する。しかし、ストレスを感じてつぼみの形成を始める仕組みもある。今回は、窒素欠乏により誘導されるつぼみの形成機構について話しをする。 「開花」:多くの植物は開花する時刻が決まっている。その時刻になると、ごく短時間の内につぼみは開花する。開花するために、つぼみの花弁の中で起こっている出来事について解説する。 「キノコの話」:自然の中でのキノコの生活は、ベールに包まれている。私たちがきのこの栽培を通して出会う、菌糸の増殖、子実体形成、キノコ形成の栄養などについての”不思議”について、紹介する。 |
連絡先 |
招聘者:河岸洋和・渡邉修治@農・応用生物化学科 内7819, 7800)
「生命科学懇話会」世話人 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第41回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年09月28日(木)17:30〜18:30(理学部教授会終了後) |
会 場 | 静岡大学理学部C棟310号室 |
演 者 |
信州大学 医療技術短期大学(微生物生態学) 教授 加藤 憲二 先生 |
演 題 |
『Geology とMicrobiology をつなぐ』 1990年代に入って、遺伝子の釣り針(プローブ)を使ってバクテリアを顕微鏡下で識別できる手法が見いだされ、いよいよ「機能」と「構造」を結びつけた研究ができる可能となった。さて、「周囲から独立したシンプルな系で」、「生態系の構成メンバーが限られている」ところはないかと考えて、思いついたのが温泉である。硫黄芝 と呼ばれる仲間を集めて高熱の硫黄酸化細菌の研究がはじまった。しかしながら、高温で酸素濃度が低い、というのは原始的な地球環境のモデルでもある。のんびり温泉にでもつかって、と思っていたのが、研究はgeologyと密接に関係し始め、深く(地下へ、という意味で〕潜り始めた。 |
連絡先 |
招聘者:北里洋@理・生地環(地球科学教室) 内5810)
「生命科学懇話会」世話人 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第40回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年09月11日(火)13:00-14:15? |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212室 |
演 者 |
広島大学 理学部 生物科学科 教授 吉里 勝利 先生 |
演 題 |
『幹細胞の分化』 |
連絡先 |
招聘者:山内清志@理・生物(内5708)
「生命科学懇話会」世話人 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第39回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年07月19日(水)16:00-17:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212室 |
演 者 |
お茶の水女子大学 理学部 生物学科 助教授 千葉 和義 先生 |
演 題 |
『in vivo, real timeにおける細胞内酵素活性の定量法』 細胞を生かしたまま,細胞内の酵素活性を定量する。もしもこれが可能になれば,情報伝達や刺激応答に伴うであろう素速い活性変化が追跡できる。細胞を破壊するために生じるかもしれないア−ティファクトの心配もない。さらに1細胞で測定すれば,量的に十分調製できない貴重な試料においても対応可能となる。このような要求を満たすためには,どのような技術が必要となってくるのだろう。 本セミナーでは、生きた細胞内でのプロテアーゼ活性を求める手法を紹介し、減数分裂や受精現象の解明に利用した結果を報告する。 |
連絡先 |
招聘者:徳元俊伸@理・生物(内5709)
「生命科学懇話会」世話人 近江谷克裕@教育・化学(内4554) 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
遺伝子実験施設 講演会 | |
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日 時 | 2000年07月18日(火)16:00-17:00 |
会 場 | 大学会館3階大ホール |
演 者 |
帝京大学 教授(東大医学部 名誉教授) 養老 孟司 先生 |
演 題 |
『情報と生物学』 養老先生は、1995年まで東京大学医学部教授、現在は、北里大学教授。先生は、脳の解剖学における世界的権威者ですが、「唯脳論」、「からだの見方」、「日本人の身体観の歴史」、「形を読む」などの多数のご著書や、「NHKテレビスペシャル:驚異の小宇宙、人体シリーズII」の「脳と心」等のメディアを通してお馴染みの先生です。 先生は、その幅広い見識と深い洞察力で、御専門の脳についてばかりでなく心の問題や、学問とは何ぞやという問題までについて言及されております。その内容は非常に高度であるにもかかわらず、語り口は軽妙であり、一般の読者、視聴者にも大きな感銘を与えていらっしゃいます。 この講演会は、遺伝子実験施設竣工記念事業の一環として行われ、一般の入場も歓迎しています。 |
連絡先 | 招聘者:露無慎二@遺伝子実験施設 [内線 7413]) |
第38回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年07月17日(月)17:00-18:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212室 |
演 者 |
早稲田大学 政治経済学部(応用生物学) 教授 長谷川 眞理子 先生 |
演 題 |
『戦前日本における女子死亡率の過剰と富国強兵政策』 哺乳類では一般に雄の死亡率の方が雌のそれよりも高く、ヒトにおいても同様である。しかしながら、女性差別の顕著な社会では、親による女児の養育差別が原因で、女児の死亡率が男児を上回る事態が生じる。現代の日本では、すべての年齢において男性の死亡率の方が女性よりも高いが、戦前には、およそ2歳から45歳までにわたって、女性の死亡率が男性よりも高くなっていた。彼女らは、富国強兵政策と男尊女卑イデオロギーの犠牲者であった。 *長谷川眞理子先生: 東大・理・人類の出身,理学博士。 専門は行動生態学・進化生物学。 下記のような著書・訳書あり。 著書 ・長谷川眞理子,「オスの戦略 メスの戦略」,NHK出版,1999. ・長谷川眞理子,「科学の目 科学のこころ」,岩波書店,1999. ・長谷川眞理子,「進化とはなんだろうか」,岩波書店,1999. ・長谷川眞理子・三中信宏・矢原徹一,ダーウィン著作集 別巻1 「現代によみがえるダーウィン」,文一総合出版,1999. ・養老孟司・長谷川眞理子,「男学女学」,読売新聞社,1995. ・長谷川眞理子,「オスとメス=性の不思議」,講談社,1993. ・長谷川眞理子,「クジャクの雄はなぜ美しい」,紀伊国屋書店,1992 ・長谷川眞理子,「野生ニホンザルの育児行動」,海鳴社,1983 訳書 ・ダーウィン,C.,ダーウィン著作集1「人間の進化と性淘汰 I」 , 文一総合出版,1999. ・リドレー,M.,「赤の女王」,翔泳社,1994 ・クローニン,H.,「性選択と利他行動 - クジャクとアリの進化論」, 工作舎,1994. ・ダイアモンド,J.,「人間はどこまでチンパンジーか? 人類進化の栄光と翳り」,新曜社,1993. |
連絡先 |
招聘者:竹内浩昭@理・生物(内5704)
「生命科学懇話会」世話人 近江谷克裕@教育・化学(内4554) 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
静岡大学農学部応用生物化学科講演会 | |
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日 時 | 2000年06月09日(金)15:00-16:30 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B201室 |
演 者 |
早稲田大学 教育学部 教授 石居 進 先生 |
演 題 |
『日本のトキ:その絶滅の経過,人工繁殖の努力,そして将来の問題』 日本のトキが絶滅する経過と復活の方策に関して、石居先生の研究グループが開発してきた科学的方法を紹介する。トキを通じて石居先生は何を考えてきたか、「自然環境復活のために、我々はいま何をなすべきか」という重要な問題にも言及する。 |
連絡先 |
招聘者:森誠@農・応用生物化学(内線 7404)
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静岡大学農学部生物生産学科講演会 | |
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日 時 | 2000年06月02日(金)10:30- |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B208室 |
演 者 |
日本ケンタッキーフライドチキン社 取締役社長 大河原 毅 氏 |
演 題 |
『日本に於けるフードサービスビジネスの現状と展望』 大河原氏は若くして同社の社長に就任し、その後日本のフードサービス業界の牽引者として活躍されている方です。業界の大きな流れだけでなく、経営者としてどのような人材を求めるのか等、就職活動に大変参考になるお話も伺えると思います。どなたも、ご来聴大歓迎です。 |
連絡先 | 招聘者:露無慎二@農・生物生産学科(内線 7413) |
第37回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年05月01日(月)15時〜 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟B201室 |
演 者 |
岐阜薬科大学 分子生物学講座 教授 古川 昭栄 先生 |
演 題 |
『神経細胞の生死,機能を調節する神経栄養因子』 神経栄養因子と総称される一群のタンパク質は神経細胞の発生過程を調節する ばかりでなく成熟後の神経細胞機能や生死を調節する役割を担っている。特に成熟し た神経細胞は内外からの種々の侵襲によって常に死の危険にさらされているが,神経 細胞自身や周囲のグリア細胞が産生する神経栄養因子によってこれを防御していると考えられる。この機構が破綻すると特定の神経細胞に細胞死が誘導され,パーキンソン病やアルツハイマー病といった神経変性疾患が引き起こされる。私達はこの本来生体に備わった防御物質としての神経栄養因子を活用することにより,神経変性疾患を予防し治療する方法を開発するための基礎研究を行っている。代表的な神経栄養因子 であるニューロトロフィンファミリーを例にあげて,その生理機能,産生調節,医学的応用へのアプローチを述べる。 |
連絡先 |
招聘者:河岸 洋和 先生@農・応用生物化学(内7819)
「生命科学懇話会」世話人 近江谷克裕@教育・化学(内4554) 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第36回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年04月17日(月)午後5時45分〜6時45分 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟2階B213室 |
演 者 |
静岡大学理学部生物地球環境科学科 教授 増澤 武弘 先生 |
演 題 |
『南極の自然 ー大陸・氷・植物・歴史ー』 南極大陸のほとんどは厚い氷(氷河)に覆われています。 厳しい環境の中でも、夏の間(1〜2月)にはわずかですが、陸地が顔を出します。 そこには植物や動物が住んでいますが、植物のほとんどはコケと地衣類です。 南極に分布しているコケの中に、富士山山頂と同じものが見られます。 特にコケと藍藻が共存しては南極では一般的ですが、それ以外では富士山山頂でしか見つかっていません。 今回はその構造を詳しく調査してきました。また、調査地であるテラノバ基地(イタリア)周辺は、かつて南極点を目指した多くの探検隊の通り道でもありました。記念すべき場所でもあるため、このことについてもお話しします。 |
連絡先 |
招聘者:竹内浩昭@理・生物(内5704)
「生命科学懇話会」世話人 近江谷克裕@教育・化学(内4554) 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |
第35回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2000年03月22日(水)午後4時〜5時 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟2階B212室 |
演 者 |
静岡大学理学部生物地球環境科学科 助手 丑丸 敬史 先生 |
演 題 |
『ビタミンCのリサイクルを行う酵素DHARから見た植物とビタミンCの関係』 ヒトにとってビタミンC (アスコルビン酸)が重要であることは誰しも知っているが、植物にとってもアスコルビン酸は重要な働きをになっている。 動物の細胞内と同様に植物細胞内でも反応性の高い活性酸素分子種が恒常的に生じていて、これがタンパク質、核酸、脂質等の細胞内成分に対して酸化的ダメージを与える。これを未然に防ぐために活性酸素消去系という防御システムが植物にも備わっている。 アスコルビン酸は過酸化水素を消去する際のいわゆる抗酸化物質(アンチオキシダント)として機能している。 また、同じく傷ついたビタミンEを修復するのにもアスコルビン酸が機能する。 しかし、これらの反応でアスコルビン酸は身替わりに酸化され、酸化型アスコルビン酸となってしまい、これはもはや抗酸化物質としては機能し得ない。 そこで酸化型のアスコルビン酸を使える形の還元型アスコルビン酸に戻す酵素が植物には備わっている。 それがdehydroascorbate reductase (DHAR)である。この酵素の存在はすでに1980年代に明らかになっていたが、遺伝子は長らく不明であった。 我々は、このDHARをイネから精製し、次いでその遺伝子をやはりイネからクローニングすることに成功した。 更にこの遺伝子を過剰発現するシロイヌナズナを作出して現在、その影響を調べている。 今回のセミナーではこれら一連の仕事を紹介させていただきたい。 |
連絡先 |
招聘者:天野豊己@理・生物(内5718)
「生命科学懇話会」世話人 近江谷克裕@教育・化学(内4554) 山内清志@理・生物(内5708) 竹内浩昭@理・生物(内5704) 天野豊己@理・生物(内5718) |