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*** 静岡大学 生命科学懇話会 ***

                    【生命科学懇話会発足のお知らせ】                      

 静岡大学東部キャンパスには生命科学の研究・教育に携わる多くの方々がおります。
研究は基礎から応用まで、その研究分野は生物学から化学まで、また、研究対象は微
生物から哺乳類までと多種多岐に渡っています。 そのため、なかなか一つの話題を
話し合うことが出来ないのが現状です。 しかしながら、生命科学を研究する上で、 
共通の話題・問題があると思います。 そこで、生命科学研究を指向する方々のネッ
トワーク作りを目的として、生命科学懇話会を発足させることにしました(96/05/24)。

   					世話人  河田雅圭@教育・生物(内4561)
   					     近江谷克裕@教育・化学(内4554)

   					98/08/30現在の世話人   					   					
   					     近江谷克裕@教育・化学(内4554)
   					     山内清志@理・生物(内5708)
   					     竹内浩昭@理・生物(内5704)
   					     天野豊己@理・生物(内5718)

[静岡ライフサイエンスセミナー(生命科学懇話会セミナー)]

第1回 96/06/03 近江谷克裕 先生(静岡大・教・化学)
         「生物発光の基礎と応用について」

第2回 96/07/16 松島俊也 先生(名大・農・資源生物環境学)
         「家禽ヒナ刷り込み学習の脳内機構」

第3回 96/10/17 鷲谷いずみ 先生(筑波大学生物系)
         「サクラソウの保存生態学」

第4回 96/12/12 長谷川眞理子 先生(専修大・法・自然科学論)
         「インドクジャクにおける性淘汰」

第5回 96/12/19 岡良隆 先生(東京大・臨海実験所)
         「ペプチドニューロンと神経修飾作用」

第6回 96/12/20 前多敬一郎 先生(名大・農・動物生殖制御学)
         「飢餓ストレスと生殖機能:その脳内メカニズム」



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第1回 生命科学懇話会セミナー
日 時 1996年6月3日(月)午後5時30分より
会 場 静岡大学教育学部K棟4階407室
演 者 静岡大学 教育学部 理科・化学 助教授
 近江谷 克裕 氏
演 題 『生物発光の基礎と応用について』
 発光生物が発する光、生物発光は、多くの場合ルシフェレース・ルシフェリン反応に起因しますが、発光生物によりルシフェレース、ルシフェリン構造及び補因子が異なり、なお未知の発光系が多く存在します。一方、生物発光系の応用はバイオイメージングの興隆と共に、盛んに行われつつあるのが現状です。今回、分子生物学、生化学の研究対象としての生物発光の魅力を、発光クラゲやウミボタルを例として、お話ししてみようと思っています。
連絡先 「生命科学懇話会」世話人
河田雅圭@教育・生物(内4561)近江谷克裕@教育・化学(内4554)

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第2回 生命科学懇話会セミナー
日 時 1996年7月16日(火)午後5時より
会 場 静岡大学大学会館(1階)研修室
演 者 名古屋大学 農学部 資源生物環境学科 助教授
 松島 俊也 先生
演 題 『家禽ヒナ刷り込み学習の脳内機構』
 幼弱期の経験は、しばしばその後の行動と脳の発達に対して決定的な影響を及ぼすことが知られています。例えば、ヒトの場合、幼少期のほんの数週間に渉って眼帯などで視覚を遮断すると、少年期以後に非気質性の(つまり中枢の未発達に由来する)弱視を引き起こします。同じ視覚遮断は、しかし成体の視覚系に永続的な影響を持ちません。このように発達初期の動物の脳は(1)一回の比較的短い経験が不可逆的作用を及ぼすこと、(2)その作用が発現する期間が時期的に限られておりいわゆる「臨界期」あるいは「感受性期」を持つこと、の特徴を示します。
 ここではこれらの特徴を備えたもっとも良い学習モデル系として家禽ヒナの「刷り込み学習」を取り上げ、最近の世界の研究者たちがどんな事を見つけているか、紹介したいと思います。
連絡先 招聘者:竹内浩昭@理・生物(内5704)
「生命科学懇話会」世話人
河田雅圭@教育・生物(内4561)近江谷克裕@教育・化学(内4554)竹内浩昭@理・生物(内5704)

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第3回 生命科学懇話会セミナー
日 時 1996年10月17日(木)午後6時15分より
会 場 静岡大学教育学部K棟407号室
演 者 筑波大学生物系 助教授
 鷲谷 いずみ 先生
演 題 『サクラソウの保存生態学』
連絡先 招聘者:河田雅圭@教育・生物(内4561)
「生命科学懇話会」世話人
河田雅圭@教育・生物(内4561)近江谷克裕@教育・化学(内4554)竹内浩昭@理・生物(内5704)

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第4回 生命科学懇話会セミナー
日 時 1996年12月12日(木)午後5時〜6時
会 場 静岡大学教育学部K棟407号室
演 者 専修大学 法学部(自然科学論) 教授
 長谷川 眞理子 先生
演 題 『インドクジャクにおける性淘汰』
 クジャクの雄の美しさは、ダーウィン以来、性淘汰のシンボルとして取り扱われてきました.生存には不利であるにもかかわらず、雌による配偶者の選り好みの上で有利さがそれを補うというアイデアです.しかし、この有名なストーリーを実証する研究は非常に少なく、クジャクの雄の美しさについての謎は実際にはまだ解けたとはいえません.私たちは1994年から伊豆シャボテン公園で放飼されているインドクジャクを対象に、雄の交尾成功と上尾筒の形態的な特徴との関係を調査してきました.過去3年間の観察から、先行研究で報告されるような目玉模様の数と雄の交尾成功の相関は追認できませんでした.一方、これまで最も交尾成功の高かった雄は、目玉模様の配列にみられる対称性のゆらぎ(FA)が最も小さい(すなわち、最も対称な)雄でした.FAは厳しい気候条件のような環境ストレスを敏感に反映する指標のようです.
 今回のセミナーでは、クジャクを軸に近年の性淘汰研究を理論と実証の両面から幅広く紹介してみたいと思います.
連絡先 招聘者:竹内浩昭@理・生物(内5704)
「生命科学懇話会」世話人
河田雅圭@教育・生物(内4561)近江谷克裕@教育・化学(内4554)竹内浩昭@理・生物(内5704)

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第5回 生命科学懇話会セミナー
日 時 1996年12月19日(木)午後5時〜6時
会 場 静岡大学理学部生物学科演習室(理学部A棟6階A608室)
演 者 東京大学 理学部附属臨海実験所 助教授
 岡 良隆 先生
演 題 『ペプチドニューロンと神経修飾作用』
 脳の中には各種の神経ペプチドが存在しており、それらがホルモンとして働くだけでなく神経修飾物質として働く可能性が示唆されているが、その詳細については未知の点が多い。神経修飾作用は動物行動の長期的変化、例えば、動機付けや覚醒のレベルの変化などに重要であると考えられ、生物学的に意義のある現象である。私共は、従来生殖線刺激ホルモン放出ホルモンとして視床下部に存在が発見されたペプチド、GnRHを産生するニューロンを材料として神経修飾作用の一般的性質を調べようとしている。
 本セミナーでは、GnRH神経系の多様性とその形態学的・生理学的な性質についてこれまでに私共が調べてきた結果と、ペプチドニューロンの修飾作用に関する作業仮説をお示ししようと思う。
連絡先 招聘者:竹内浩昭@理・生物(内5704)
「生命科学懇話会」世話人
河田雅圭@教育・生物(内4561)近江谷克裕@教育・化学(内4554)竹内浩昭@理・生物(内5704)

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第6回 生命科学懇話会セミナー
日 時 1996年12月20日(金)午後5時〜6時
会 場 静岡大学理学部生物学科演習室(理学部A棟6階A608室)
演 者 名古屋大学 農学部 動物生殖制御学講座 助教授
 前多 敬一郎 先生
演 題 『飢餓ストレスと生殖機能:その脳内メカニズム』
哺乳類において、さまざまな外的環境因子(光周期、吸乳刺激、ストレス、栄養)が生殖機能を調節していることが知られている。これらの外的環境因子に関する情報は、さまざまな感覚器でとらえられ、その後脳内で統合され、最終的には、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の分泌に置き換えられ、性腺の活動が制御されている。自然界にいきる動物にとって、食糧供給の多寡は生殖機能にもっとも大きな影響をもつ環境因子であり、季節繁殖、泌乳期などさまざまな場面で主要な役割を演じていることが明らかとなってきた。演者らは、ラットを用い、飢餓ストレスが顕著に性腺機能を抑制することに着目し、さらにその神経経路をあきらかにした。飢餓あるいは低栄養条件では、血糖値がもっとも重要な因子であり、非常に特異的な受容機構と神経経路を介して、摂食行動と生殖機能の両方が共通に制御されている。
 本講演では、ここ10年間にわたる演者らのグループの研究結果を元に、飢餓ストレスによる生殖機能抑制の神経メカニズムと、いくつかの興味ある点、すなわち、ステロイドの役割と血糖値の受容機構に焦点を当てて話してみたいと思う。
連絡先 招聘者:竹内浩昭@理・生物(内5704)
「生命科学懇話会」世話人
河田雅圭@教育・生物(内4561)近江谷克裕@教育・化学(内4554)竹内浩昭@理・生物(内5704)

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