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こだまの世界

---倫理学者のふしぎな日記---

97年2月前半号

2月前半の主な話題


ご意見のある方は、kodama@socio.kyoto-u.ac.jpまたはメイルを送るまで。


02/01/97(土)

・真夜中・

 江口氏来室。ひたすら眠い。


・さらに真夜中・

 江口氏と将棋。一回戦敗退。

 友達のとこへバンド関係の仕事に行く。ああ、眠い。


・昼過ぎ・

 朝5時まで、「朝までテレビ」を見ながら、テープの編集。テーマは従軍慰安婦の問題で、西尾幹二なんかが出ている。様々な視点から意見を述べるだけで、全く歩み寄りが見られない。ほとんどお笑い番組である。

 と、ちょっと批判的なことを書いてしまったが、それから布団に入って友人と(もちろん別々の布団である!)、従軍慰安婦問題について議論。ぼくの意見は、「悪いことしたら謝るのは当たり前であるが、問題はそれだけではない。日本政府は基本的に遺族に何の保障もすべきではない」という、批判を蒙りそうなものであるが、これの正当化についてはまたいつか別の機会に。

 それで寝たのが7時で起きたのが8時。昨日レポート書いたばかりなのにっっ。それですぐに学校に行ってドイツ語勉強会の予習。

 終わったと思ったらすぐに勉強会。それも終わって昼を食べて、やっと今これを書いている。しかも2時からまたバンドの練習。ここっ、殺す気かっ。

 江口氏のレポート評。「おれやったら不合格やな」

 なお、現在kodamaフォルダを整理整頓中のため、目的の場所へ到達できない場合があります。ご注意下さい。(フォルダ内がごっちゃになりすぎた--明るいフォルダ計画)このページのURLも、月曜から

http://bentham.socio.kyoto-u.ac.jp/kodama/world/newworld.html

になります。あしからず。(まだ"newworld"っていうのは気が早いと思うが...)

ちょっとテスト。うわっ、エイリアスってすごいんですね...。


・宵の口・

 バンドの練習終わり。ギターのやつが自動車の教習所うんぬんで来なかったため、非常に冴えない練習であった。最後は少し盛り上がったが。これからみんなで夕飯。

 URLが変わってしまい、迷惑をかけているようです。済みません。INDEXとこのページにあるリンクは全てうまく行くはずです。が。(ただし、エイリアスの「こだまの世界」のリンクはだめです)


・夜・

 うう。うう。眠い。餃子の眠眠。とにかく倒れてしまいそうなほど眠い。無事に家に帰れるだろうか。

 夕ごはんを食べてから1時間ほど加藤先生の去年の関倫の原稿のホームページ化をしてた。疲れた。

 それでは家に帰って寝ます。また月曜日にお会いしましょう。おやすみなさい。


02/03/97(月)

・朝・

 日曜の朝、恐るべき夢を見た。ずばりっ、院試に落ちる夢っっっ。ひあああっ。こ、これだけは見たくなかった。(あ、『ぼのぼの』12,13巻買いました)いや、それで夢の話だが、何で落ちたのかというと、それがなんと、寝坊してテストを受けなかったからなのだ。しかもなぜか試験に落ちてからそのことに気付く、という展開なのだ。

 落ちてからその後に、「これからどうしようかぁ」と考えてた情景がいやにリアルで、起きてからもずっどーっんと沈んだ気持ちになってしまった。

 ま、この夢のおかげで遅刻の可能性はまずなくなったのは良いことであるが。


 そういう夢を見たせいで、昨日はかなりストイックに勉強したわけだが、真夜中になってから急に「マイクロソフト・ワードにおける差し込みフィールドのフィールドワーク」とか称して、ワードの機能の勉強を明け方までやっていたため、また寝不足になってしまった。

 さて、思い出話はここまで。予告したとおり、今日からこのページが移転しました。もしかするとあと10日でカタストロフィーを迎えるかもしれないけど...。

 レポート評一通。「B-。内容は面白いが、形式面で問題があるのでこの評価」勉強します。どうもひらめきを論証するのが苦手で・・・。


・昼過ぎ・

 奥田君との勉強会終わり、昼は中央食堂。これからこの部屋で教授と助教授が密談をするらしいので、残っていたいのは山々であるが、帰って少し寝ることにする。今日も塾のバイト。それではまた明日。

 (ところで明日はこの部屋で論文試問があるので、おそらく5時以降にならないとこのページは更新されません。ちなみにぼくの試問は11時から30分間。何を言われてもショック死しないように、抵抗力を付けておかなきゃ...)


02/04/97(火)

・夕方・

 今から祝宴会。また後で来る、と思う。とりあえず卒論は合格点は頂けたようだ。その話はまたあとで。


・晩・

 教授・助教授にごちそうになる。ごちそうさまでした。

 さて、今日の話である。その前に、塾で教えていた小6の生徒二人が、最近共に私立中学入試に合格した(第一志望はだめだったけど...)。とにかく肩の荷が一つ降りた。ぼくも受かるといいけど...

 (ぼくが講師をしている塾は、スパルタ塾ではありません。念のため)

 さてとにかく、今日の話である。今日は朝11時から卒論の試問が、教授・助教授によって行われたのである。それで、ぼくの卒論が一番に審査されたのである。

 卒論を書き終わってから後、ベンタムから2千光年遠ざかっていたので、行きの電車で自分の論文を急いで読み返し、師弟対決に望んだのである。

 それで、試問の内容はというと、うわさされていた必殺人格破壊攻撃ウルトラ人権侵害ビーム・・・

参考例)

「これは論文とは言わない」

「これは日本語とは言わない」

「君は人間とは言わない」

「うちの小学生の息子の作文の方がよっぽどましだ」

「これはくそ。君もくそ。全部くそ」

・・・などは炸裂せず、ぼくがのらりくらりと答えたせいか、わりと穏やかに予定の30分が過ぎ去った。今後の参考のために、以下に教授・助教授が指摘された問題点を書いておく。

 とにかく、ベンタムの今日的意味が問われていない、現代の問題が視野に入れられていない、ということですな。確かにその通りでございまする。やっぱり(仮想)敵っていうのを常に作り出さないと、自分の研究対象(ぼくの場合はベンタム)の良さ悪さがわからないっていうことですか。(次があれば)次は頑張りますっ。


 とりあえず、明日は勉強会・読書会が目白押しなので勉強せんと。


・深夜・

 小林さん経由で板井さんの院試対策用ノートなどをお借りする。感謝。


02/05/97(水)

・真夜中・

 白水氏、大友なんとかの『AKIRA』全巻を置き土産に帰宅。この部屋に一人でいるのも何なので(何なんだ?)、むこうの研究室で勉強することにする。また朝か昼に会いましょう。おやすみなさい。


・まだ真夜中・

 『AKIRA』通読中。やられた。


・昼過ぎ・

 明け方『AKIRA』読了。死んだ。

 奥田君、深谷君とドイツ語過去問。めちゃむず。自分で首しめて死のうか、と考える。これから功利主義読書会なんだけど、『AKIRA』の感想でも述べて許してもらおうか、とか考えている。


・宵の口・

 功利主義読書会はスキップ。すみません。哲閲で少し寝てからドイツ語してました。

 それから奥田君とドイツ語勉強会。明日もたくさんお勉強。ひ、ひひ、ひひひひ、ひーんっ。

 というわけでそろそろ帰ります。また明日。


02/06/97(木)

・昼過ぎ・

 昨日はまた早々に寝てしまった。いかんっ。あきまへんがなっ。

 今日はまた深谷君・奥田君とドイツ語。英語の勉強。明日は古代倫理学史も調べてこないと行けない。

 ほんっとに一体この4年間何をぼくはしていたんだろうか。


 奥田・深谷君との勉強会終わり。これから喫茶店によって(寄るなっ--わかっちゃいるけどやめられまへん)から、塾のバイト。帰ったら死ぬ気で勉強しなくちゃ。テストまで寝ません。


02/07/97(金)

・朝・

 小林発作君にならって、一句。

やるやんけ おれの自転車 高瀬川

 いやあ、また高瀬川にチャリが放ってありましたよ。しかもパンク。押してここまで来ました。やや、やってくれるやんけっ。ちきしょっ。...今度自転車にベンツのマークでも貼っとこうかな。

 マックが落ちてたか、あるいはハングアップしてた。原因不明。

 これから奥田君と勉強会。深谷君は風邪で休むそう。くわばらくわばら。


・夜・

 今日は一日中勉強してた。奥田君と。もう疲れたので帰るが、帰ったら明日の予習をせねばならない。

 あ、自転車修理頼んでたの忘れてたっ。がびーんっ。


 ここで、(某助教授に喜んでもらわんがために)、奥田君とこだまの専門の予想問題を紹介しよう。今日は古代編である。

奥田説

こだま説

 一つも同じものがない、というのはどういうことであろうか。まあいい。明日は中世編である。


02/09/97(日)

・夜・

 復活。

 土曜日の朝から工事の関係で、日曜の夕方まで停電だったのだ。しかも当初は5時半に電気が復活するはずだったのに、遅れに遅れ、7時になっても停電しっぱなし。寒い中30分外で待って、仕方がないから食べ物屋に退避。戻ってきたら復活していた、というのがあらすじ。

 しかも、まだ日の落ちない頃に、電気も通ってない暗い暗い研究室で奥田君と一緒に英語の勉強をしていたら、突然、どぐわらがらがらぐしゃがしゃああんと、非常ベルが鳴り出した。場内騒然、ってほとんど誰もいないけど、とにかくひどいことになった。そこで調べてみると、文学部東館全域で非常ベルが、がらがらぐがぐぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃあん、と鳴り響いている。けれども誰も止めに来ない。どうやら、宿直の人、というのも存在しないようである。なんてずさんな危機管理なんだろうかっ。


高校生カット2000円について

 自宅生であるぼくは、毎朝自転車でチャリチャリと駅へ行くのだが、その通り道に美容院があったりする。小さなマンションの一階にあるその美容院は、それはそれはこぎれいな美容院である。

 さて、この美容院の前にはいわゆる立てカン(看板)があって、それはそれは大きな手書きの字で、

高校生

カット

2000円

とまあ、書いていたりする。

 さて、ここから哲学が始まる。一体、この「高校生カット2000円」の意味することは何なのであろうか?

 ぼくが常識と信じるところにしたがって68字以内で答えれば、こうなる。

「これは、高校生であればカット料金は2000円とお安くなっています、ただしパーマなどは別料金でいただきます、ということを簡潔に書いている。」(句読点を含めて68字)

 しかし、果たしてこの解釈は本当に正しいのであろうか?この説明にはどこかこじつけの感がある。

 そうだ、もしかしたら、流行遅れのぼく(やあなた)が、最新のヘアスタイルである「高校生カット」を知らないだけかもしれない。いや、そうに違いない。決まってますっ。そう考えた方が「高校生カット2000円」は23字以内で無理なく説明することが出来る。

「高校生カットは2000円とお安くなっています。」(句読点を含めて23字)

 ・・・現役高校生のみならず、小学生も中学生も大学生も、中年のおじさんおばさんも、よろよろのじいさんばあさんも、みながやってる流行の「高校生カット」。これは一体どのようなヘアスタイルなのであろうか。きっと誰もが求めるヘアスタイルであるに違いない。

 ぼくもそのうちこの美容院に行って、「す、すみません、あの、その、例の、こっ、高校生カットで、お願いします」と言おうとひそかに考えている。

(しかし店長がユーモアの分かる人であれば、丸刈りか虎刈りにされて2000円払わされるかもしれない・・・)


「・・・っていうか」

 最近、この憎むべき言葉を他ならぬ自分が使っているのに気付いて戦慄した。しかも、使うまい使うまいと努めているのに、この言葉はぼくの口を無理矢理こじ開けて這い出てくるのだ。

 ・・・とにかくこれはひどい言葉なんである。「確かにあなたの言ってることは必ずしも間違ってはいないが、より正確に言うとむしろ・・・である」というのが、この言葉の持つ一般的な意味だと思われてるのではないだろうか。確かに良く言えばこういう説明になろう。

 しかし、この接続詞には論理も正確さもくそもないのである。これはただ単に、相手の意見を軽視して、「おれの意見の方が直観的にいっておまえのより優れているし、より正しいんだから、おまえはもう口を閉じて早くおれにしゃべらせろっ」と主張するためだけに用いられるのである。つまり「・・・っていうか」は自分の表現力や美的センスを誇らしげに主張するために存在するのである。

 ちょっと言い過ぎたか。ともかくぼくは今後二度とこの言葉を口にしないとここに宣言する。


 書きたいことがたまってたので、まだ書く。ではちょっとここで、しりとりに参加して欲しいんですが、よろしいでしょうか。それじゃぼくから始めます。

 (メディチ家の)ロレンツォ

 ん、いきなりぼくの勝ち?


02/10/97(月)

・真夜中過ぎ・

 遊んでる場合じゃない。倫理学史勉強しなきゃ。

 予餞会(追い出しコンパのことらしい)は、2月18日6時からになったようだ。院試の合格発表が前日にあるんだから、なかなか厳しい日程。小心者のぼくには、落ちても平気なふりして行ける度胸はないなあ。


・日の出前・

 風邪引いたかな?やっぱり帰るべきだったか。


・朝・

 う、つかれた。倫理学史の勉強がなかなか進まない。五日で全部カヴァーするはずなのに。奥田君済まぬ。


・まだ朝・

 ひゃあ、ねむいねむい。工事の音も気にせずにストーブに抱きついて居眠り。


・昼過ぎ・

 奥田君との勉強会終わり。バイトがあるのでとりあえず帰って少し寝る。また明日。


02/12/97(水)

・朝・

 うわーもう下にたくさん受験生が来て、なんか本を読んでます。

 昨日は風が吹きすさぶいて(こんな日本語あるか?)いたので、自宅待機してました。今日はあんまり寝てないけど、ライブの日みたいで、気分が高揚してる。あんまり勉強できなかったけど。

 さきほど「ついたて」にぶつかって前輪パンク。やられた。

 ま、とにかく、ここでホームページ更新してる場合じゃない。頑張って勉強します。みなさん、9時から12半まで、メッカの方に向かってお祈りをし続けてくださいね。


02/13/97(木)

・夕方・

 とりあえず、一次試験は合格させてもらった。まず、みなさんのおかげです、ありがとうと言いたい。しかしなぜ、「一次試験は合格させてもらった」などという表現をしたのかというと、合格者全員(?)の専門科目の成績が悲惨だったらしく、ぼくなどが合格できたのは、純粋に、教授・助教授の慈悲深さのおかげであるからなのだ。とても偉そうな顔をして誇る気持ちにはならない。これからただただ御慈悲にすがって謙虚に勉学に励むのみである。

 ところで、いましりとりに答えたつわものからメイルが来た。曰く「ツォンカパ(チベットの宗教者)」。ううむ。次を考えねば。

 あのですね、しりとりで「ん」がだめなのは次が続かないからでしょ。だから他にそんな言葉ないのかなあって。けど、確かアフリカかどっかに「ン」から始まる地名がなかったっけ?

 昨日リンリー教授に久しぶりに会って、一次試験の専門科目の解説をしていただいた。おひまな方はお読みください。

 今日は奥田君とドイツ語の単語を暗記していた。発表結果も見たし、塾もあるのでそろそろ帰る。とにかく、二次で落とされないように勉強せねば。

 (ところで、最近ここに居づらくなったんだよね。当たり前だけど。だからこれからしばらくは、あまり頻繁には更新されません。たぶん。ま、二次に受かったら、某助教授に頼んで倫理研究室の方でも通信が出来るようにしてもらおう。その時はみなさん、某助教授にブラックメイルを送るのを手伝ってくださいね。「こだまにホームページを書かせろっ」って)


02/14/97(木)

・夕方・

(妄人日記)

 きょう。じてんしゃの。きい。わすれた。こまった。

 どいつご。おそる。べし。いっひ。ふえあしてえ。どいちゆ。がんつ。にひと。

 あす。てすと。おそる。べし。もう。かえ。る。


02/15/97(土)

・宵・

(妄人独症)

 きょう。あさ。じてんしゃ。なかっ。た。きのう。てっきょ。され。た。やられ。た。ち。くしょ。


 今日二次試験だった訳です。ドイツ語は思ったより出来た。文法的に良い問題だった(と、一応ほめたたえておく)。講演の調子で、「〜であります」とか「〜と申しますのは」的な訳仕方をしたら、後で某助教授に戒められた。ううう。

 それで、昼過ぎから論文試問。しかし、内部生はすでに卒論の試問を終えているので、一次試験と二次のドイツ語の出来についての論評と、修士に入ってから何をするか、という質問が主だったものであった。いろいろ叱られたが、それはまた今度書く(かも知れない)。

 前回の卒論試問のときに引き続き、またしても某助教授が、ラップトップのコンピュータをカチカチ鳴らして、われわれ受験生を震え上がらせた。かの助教授は、受験生が何か質問に答える度に、カチカチカチとコンピュータに何かを打ち込むのである。今回、ぼくはこのことを、先に試問を終えた友人から聞いて、事前に知ったので、倫理学研究室にあるマックのクラシック2という、それはそれは古いコンピュータの、キーボードとマウスだけを担いで試問に臨んだのである。が、残念、某教授と某助教授はそれに気付かなかったらしい。馬鹿なことをしてしまった。

 今からバンドの練習。ああ。解放感。今日はそのまま帰るので、次に更新されるのは、たぶん月曜でしょう。今度自転車を取りに行かなきゃ。遠いんだよな。


Satoshi Kodama
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Last modified: Tue Feb 14 00:13:32 JST 2006