2003年下旬号 / 1月中旬号 / 最新号

こだまの世界

2004年1月上旬号

今年の抱負 (aka Hypocrite's Oath)

  1. D論を書きます
  2. 読み、書き、話します
  3. 一日一善します

投票権の問題は、……、 経済的および政治的権力が社会でどのように配分されているかによって 投票の結果が左右されてしまうということよりもむしろ、 より直接的で、より激しく、 より「表現的」な種類の政治行動、 より効果的であると同時により満足の行く政治活動が、 投票権があるがために非合法化されてしまうということにある。

---Albert O. Hirschman, Shifting Involvements

日本型論争の作法には二つあって、一つは、ほめてから反論せよ、 ということで、もう一つは、語尾を丸めることである。 こうして、「甲委員のご発言はまことにごもっともで、 たいへん的確なご指摘だと思うのだが、ただ若干の反論をさせていただくとすれば」 とか、「これこれかな、というような気もいたしますが」 「これこれとも考えられるのではないか、と」などの自分の立場を明らかにしない 曖昧な言い方が審議会に蔓延することになる。

---桂木隆夫『自由とは何だろう』


主な話題


01/Jan/2004 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

夜中

新年明けましておめでとうございます。 今年もなにとぞ、かさねがさね、くれぐれも、よろしくお願いします。

昨夜は兄夫婦のところにお世話になった。 晩ごはんを食べて、 紅白やらボブサップやらスティーヴィーワンダーやらを見る。 兄に皮のジャケットのチャックが壊れていたのを直してもらい、 たいへん助かった。感謝。

今日は母のマックにソフトウィンドウズをインストールしたり、 鍋を食べたり。仕事のことが気になるので晩で失礼して戻ってきた。

`Don't it always seem to go, that you don't know what you've got till it's gone?' (Joni Mitchell)というのも真理だが、 もう一つの自分にとって深刻なのは、本にしろ音楽にしろ、 最初に手にしたときにはその重要性が理解できず、 ずっとあとになってからわかるという問題だ。

`To everything, there is a season.' (The Byrds)というように、 本にも音楽にも(当人にとっての)旬があるというのもこれまた真理だろうが、 新しい本についてはなるべく出たときにその重要性・非重要性が わかるようになりたい。

あれ、何かほかにもいろいろ考えていた気がしたが、 今回はリブレットを持って行かなかったので忘れてしまった。

真夜中

あ、思い出した。 米国の狂牛病騒ぎで、 日本のマクドナルドが
「うちは百パーセントミミズ肉を使用しておりますから安全です」
という貼り紙を出すというネタ。 それに触発されて、吉野屋も 「うちも実はミミズで作ってました」と発表し、 松屋もなか卯も「うちも」「うちも」と追従して 一大スキャンダルに発展するという話。

…う〜ん、やっぱりありがちか。


02/Jan/2004 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

日記の整理

そういえば、体脂肪などを計れる体重計で測定したところ、 体重は約60キロ、体脂肪は15% (男性30才未満の適正は14-20%、25%以上が肥満)、 一日のカロリー摂取の目安量は約1350カロリーだそうだ。 一応メモ。

昼下がり

遅寝遅起き。二度寝、三度寝してしまう。 さっき、ここにはとても書けない恐ろしい夢を見て飛び起きた。 あれが初夢になるのか。つかん。

夕方

大学に来ると、すでに日が暮れはじめている。勉強しよう。

メタ倫理学の勉強。ハーマン、スタージョンとか、ブラックバーンとか。 翻訳もしないとな。

カップラーメンを食べて汗をかく。

夜2

メタ倫理の勉強。人の論文にコメントを書くのは、 とても勉強になる。

夜3

翻訳中。ラジオのニュースに合わせて、 一時間おきにストレッチをするようにする。

真夜中

翻訳。う、そろそろ帰らないと帰れなくなる。 今日もあんまり進まなかったなあ。


03/Jan/2004 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

帰宅して、 こないだ借りてきた『マトリックス』をついつい最後まで観てしまう。 最後に主人公が生き返ってしまう部分を除けば、 哲学的SFとカンフーアクションが絶妙に混ざりあったよく出来た映画だと思う。B++。 最初に観たときはあんまり感想を書いてないな。

真夜中2 (午前)

自分にプレッシャーをかけるために、 毎日「今日のD論」欄と「今日の一善」欄をもうけることにした。 前者はいくら本を読んで勉強しても書かないと意味がないので、 単位は字数で表わすことにする。

あ、D論のことを考えると冷汗が出てきた。とりあえず寝よう。

お昼前

遅寝遅起き。今日もがんばるべし。

夕暮れ

お腹の調子が悪い。

真夜中

夜、ちょっと品川へ。

今日はぜんぜん勉強できなかった。

責任についてメモ

責任とか帰責とかいうものについて、ようやく関心が湧いてきた。

「あっ、あんた花瓶落として割ってもたな。それ高かったのに」

「そもそもおまえがこんなとこに置いておくのが悪いんやろっ」。

どちらの言い分も正しいように思われるが、どちらに(より)責任があるんだろうか。 上のように解釈するのではなく、 合理的基準(通常の注意深い人だったら…)を入れた解釈を用いるとすると、

これのどちらかもっともらしい方が責任を負うことになるんだろうか。 これは過失の場合だな。悪意がある場合はまた違うものと思われる。

やっぱり誰が(何が)責任を負うのかという問題は気になるので (とくに「あの時右折しなければあんなことにならなかったのに」 というような表現が気になる)、ちゃんと本でも読んで勉強しよう。


04/Jan/2004 (Sunday/dimanche/Sonntag)

お昼すぎ

遅寝遅起き。今日はゆっくりすることにする。

昼下がりから明治神宮に行ってくる。 群衆に混ざって一応お参りしてくる。 明治天皇のありがたいお言葉によると、 今年は「忍の一字」だそうだ。

渋谷まで歩いてから帰宅。つかれた。

夜2

晩ごはんは適当に作って食べた。眠い。


05/Jan/2004 (Monday/lundi/Montag)

早寝早起き。

いろいろユーウツで頭を抱えたくなることがあるが、`It's not the end of the world.'と思って元気を出そう。いや、`Adopt, adapt, improve.'か。

お昼前

朝から真面目に大学へ。ユーウツなことの一つはなんとか解決。 Adopt, adapt, improve. 元気に行こう。

お昼すぎ

ちょっと合鍵を作りに外に出る。 ついでに某定食屋でネギトロイクラ丼を食べる。

午前中はけっきょく何もできなかったので、午後は勉強する予定。

昼下がり

ブリットニー・スピアーズが幼なじみと衝動的に結婚して、 二日で結婚を取り消しにしたそうだ (BBC)。 別にどうでもいいんだが。

夕方

翻訳。進まない。

夕暮れ

今日から新しい人が研究室に三人来たようだ。

ハクビシンは`civet'と言うようだ。

真夜中

夜、某氏と某相談。そのあと二人で適当に飲み喰いし、帰宅。


06/Jan/2004 (Tuesday/mardi/Dienstag)

早寝早起き。行かねば。

お昼前

大学へ。

さて、勉強勉強。以下は昨日某氏に教えてもらったもの。

Gilbert Harman
プリンストン大学のハーマンのウェブサイト。最近の論文はPDFで読めるようだ。
Geoffrey Sayre-McCord
ノース・キャロライナ大学のセア・マッコードのウェブサイト。 オンラインペーパーがある。

お昼すぎ

勉強中。

モロッコで、24年間婚約していたカップルがようやく結婚したんだそうだ。 夫が戦争捕虜で捕まっていたのが原因だとか。彼は捕虜のあいだ、 婚約した彼女が待っていてくれることを一度も疑わなかったそうだ。

キンクスのレイ・デイヴィスがニューオーリンズ滞在中に銃で足を撃たれたと のこと。男性二人に連れの女性の財布が盗まれたので、追っかけたら撃たれた そうだ (BBC)。

昼下がり

ドイツ語のウェブサイトから情報を得ようとして、ユーウツになる。 ドイツ語も勉強しないとなあ。

昼下がり2

弁当。

翻訳。

なぜか胃が痛くなる。これがストレスか。

夜2

翻訳と雑用。

夜3

朗報あり。

翻訳。遅々たる進みだが、それでもあともう少し。

真夜中

夜はインド料理屋でカレー。 ケーキも食べる。

早く寝て明日もがんばろう。


07/Jan/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

早寝早起き。今日は寒い。

朝2

大学へ。今日はまじめに勉強しよう。

伝統文化と憲法

今日の産経抄は首相の靖国や伊勢神宮参拝について。いつもどおり、 この手の話(神社に参拝するかどうか)は日本の伝統文化の話だから…というやつだが、 今回は内政干渉ではなく政教分離を原則とする憲法との整合性について 論じてある。

日本人の生き方にかかわる伝統文化を守ることと、 紙に書かれた憲法を守ることのどっちが大切か。 小学生にもわかる問題だろう。 伝統文化を守ることが憲法違反になるというなら、 憲法が間違っているのである。(産経抄本日付)

と、明治時代の「民法出でて忠孝滅ぶ」のような議論をしている。 あるいはアンティゴネか。 たしかに、法は文化(道徳)を最大限に尊重すべきだと言えるが、 法ではなく文化が矯正されるべき場合もあるので (産経抄はこの点を認めないかもしれないが)、 上のように伝統文化の絶対的な優越性を主張することはできないだろう。

いずれにせよ、 「紙に書かれた憲法」というように憲法を軽視する発言には同意できない。 憲法九条などを巡って護憲・改憲などの立場の違いはあるだろうが、 一応国家の根幹を規定する法律なので、 それ相応の敬意を払うべきだろう。 そういえば、 先日の産経でも石原慎太郎が憲法は窮屈だから行政は超法規的措置をどんどん 取るべきだというような発言をしていたが、 これにも同じような態度を感じる。 憲法を軽視してよいような風潮を作ると、 法の支配が成立しなくなる。

「…ふん、この律法主義者が。パリサイ人め」

「違いますよ。Censure freely, obey punctuallyですよ」

お昼すぎ

翻訳。

エクセルの使い方も覚えないとなあ。 セル内の改行はAlt&Enterで出来ることを今日知った。

昼下がり

翻訳。昼食はまだ。

眠い。一時間ごとのストレッチ励行。

昼下がり2

翻訳。あと少し。

夕方から駒場でメタ倫理の勉強会。 マクダウェル。少し見通しがよくなった気がするが、 やはりあまり理解できていないようだ。

夜は昨夜に続きまたインド・カレー。おいしい。


08/Jan/2004 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

早寝早起き。

高校のときに1年ほどオハイオにいたのだが、 昨日、 オレがいたのと同じ時期に同じ高校に通っていた人(男性)からメールが届いた。 検索していたらたまたまオレのこのサイトがひっかかったので、 なつかしくてメールしたとのこと。 日本の小中高の同窓生からはまだほとんどメールが来たことがないのに、 めずらしいこともあるもんだ。

しかし、名前を見てもはっきり思い出せないので、 さきほどダンボールの山をかきわけかきわけ、 やっとイヤーブック (その年の全校生徒と教員の写真が載っている記念アルバム) を見つけだした。 パラパラめくると、なつかしいというか、恥ずかしいというか。 「いつのことだか、思い出してごらん、あんなこと、こんなこと、 あったでしょう」とつい口ずさんでしまう。

そんなことしてないで、大学に行かねば。

お昼前

なんとか午前中に大学へ。

自転車や電車で移動しているときにいろいろ思いつくことも多いので、 今度からメモ帳(というか、共済からもらった今年のスケジュール帳) を持って歩くようにしよう。

メモ。最近日記に書いた価値の負荷された語を忘れないようにまとめておく。 イラクの「占領」と「解放」、テロリズムとレジスタンス、 監視カメラと防犯カメラ。

メモ。マッキーの錯誤説に対して、マクダウェルとブラックバーンがそれぞれ どこを問題にしてそれぞれ「エラーはない」と論じたのかを、わかりやすく 説明できるようにすること。『実践哲学研究』第26号も参照せよ。 簡単に書いておくと、マクダウェルの場合は、マッキーが 「(道徳的性質を二次性質と類比的に語るとしても) 一般の人々の二次性質理解にはエラーが含まれている」 というところを問題にして、 一般の人々の二次性質理解にはエラーが含まれていないことを示すことにより、 実在論を展開する。 それに対してブラックバーンの場合は、 「(実在論を前提していると解釈される) 人々の道徳的思考や言葉遣いには、エラーが含まれている」 というところを問題にして、 投影説の立場から一見実在論的な道徳の「現象」を説明することにより、 準実在論を展開する。

お昼すぎ

某弁当屋のノリ弁当。

あれ、「たまにきず」というのは、「玉に瑕」という意味か。 「たまに」という部分は「ときどき」という意味だと思っていた…。

夕方

予算関係の仕事など。エクセルと格闘。

新しいレファレンス・ルーム用に倫理学の基礎文献(和書・洋書)をリスト・アップする 必要があるのだが、いざ基礎文献と言われるとなかなか難しい。 洋書の方はある程度リスト化できそうだが、 和書の倫理学の基礎文献となると、よくわからんが、 フランケナ、ハーマン、ヘア、シンガー、レイチェルズ、 尚武ぐらいだろうか。ほとんど翻訳だな。 カントとかアリストテレスとかも必要か。 しかし、カントのグルントレーグングは良い訳のものはみな絶版になっている。 あとは事典か。 岩波のと、哲学の木(まだ読んだことないが)ぐらいか。

つかれたので洋書はまたにしよう。

夜2

この部屋は夜になると寒くなる。 窓から冷気が浸み込んでくる感じだ。 ブランケットを持ってくるようにしよう。

夜3

翻訳。あともう一息。

カップラーメン。発汗する。

真夜中

某マルエツで少し食料品を買ってから帰宅。 終わりかけの『巨塔』を見ながら晩ごはん。

今日もあまりはかどらなかったなあ。 早く寝て明日もがんばろう。


09/Jan/2004 (Friday/vendredi/Freitag)

早寝早起き。快晴だが今日も寒そうだ。

朝2

しまった、昨日『巨塔』を録画したつもりが、 午後9時からの二時間ではなく、 午前9時からの二時間録画していた。 う〜ん。 なんでビデオ録画ってこんなに難しいんだろう。

お昼前

やっと大学へ。

お昼すぎ

〆切が迫っていた某発表の要旨を書く。 京都の某資料集に載せる用のやつ。

昼下がり

お昼はいつもの弁当。昨日からサラダも注文するようにしている。

翻訳。ほんとにもうあと少し。

夕方、御茶の水まで地下鉄、そこから走って神保町へ。 新年最初の授業に参加する。まだブラックバーン。いろいろ勉強になる。

夜、新年の飲み会に参加。日本語が達者な外国人も来ていた。 まわりの人々がいろいろ苦労しているようで、すこし涙する。

ワインの飲み過ぎとカレーの食いすぎで気分が悪くなりつつ、帰宅。 もう今週はカレーは食べなくてよい。

産経が今週やってたキッスとエアロの歴史についての記事は それなりにおもしろかったが、クイーンがいないのが物足りなかった。


10/Jan/2004 (Saturday/samedi/Sonnabend)

お昼前

早寝遅起き。 まだ寝たりないが、とりあえず起きて部屋を探しに行かなければ。

研究室に来る。

本郷で部屋探し。あまり物件がないが、 とりあえず一つ二つめぼしいものを見つけた。 できれば来週中に決めてしまおう。

夜2

やっと翻訳が一通り終わった。今週末に見直しをしたら出そう。

夜3

疲れたしお腹も減ったので、 喫茶店で一服してから帰宅。


何か一言

your name:

subject:

body:

/


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Sun Jan 7 11:55:21 JST 2007