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こだまの世界

2003年1月中旬号

哲学者たちはおそらく常識に反したことを話しはするが、 道理に反したことを話すのではない。

---エピクテートス

On the continent, people have good food; in England, people have good table manners.

---George Mikes

Love is a temporary insanity cured by marriage.

---Bierce


主な話題


11/Jan/2003 (Saturday/samedi/Sonnabend)

昼下がり

浅い眠りが続き、お昼すぎまで起きられず。勉強しなければ。

母からもらった成田不動の羊羹を食べすぎ、気分が悪い。

国会図書館の近代ライブラリーで、 明治期のFragment on Governmentの訳(ゼレミー・ベンサム著) を読むことができる。ミルの著作も自伝や利用論(利学)など、 いろいろあるようだ。 こういうのもそのうちきちんと読むようにしたい。

夕方

朝刊を読んだら夕刊が来たのでそれも読み、エピクテートスをすこし勉強したり。 ニーチェ的には、「自分の意志以外に自分の自由になるものはない」 というのはルサンチマンだな。

ちょっと某所に行き、本屋で立ち読みをしたり、 タコ焼きを食べながら新聞を読んだり。買物をしてから帰宅。

賞味期限が一週間前に切れた牛乳を温めて飲む。 ロイヤルミルクティーも作って見る。 今のところまだ無事。

夜2

う、ちょっと気分が悪い。牛乳が悪かったというより、羊羹を食べすぎたり、 牛乳を飲みすぎたりという食生活に問題があるような…。 ちなみに今日食べたのは、モチ4個、羊羹半分、タコ焼き一皿、牛乳2杯。 どう見てもまともじゃない。


12/Jan/2003 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

食事。鯖のみりん焼き、 みそ汁、納豆、その他。野菜がない。

日記の整理

今日の英語: train spotter

鉄道ファンのこと。trainspotterとつなげて書く場合もある。 アメリカ英語ではrailfan。

`...a trainspotter, or railfan as they are called here (in the United States).'

ユアン・マグレガー主演の映画の題名。 そういえば、彼主演の続編が撮影されているらしい。

真夜中2 (午前)

フーのピート・タウンゼンドがペドファイル(小児性愛者)の嫌疑をかけられているらしい。 現在の英国ではほとんど魔女狩りか赤狩りの様相を呈しているようだから、 ほんとだったら彼のキャリアが危ないだろう。

お昼前

いろいろ浅い夢を見て、ようやく起きる。風邪かと思ったが、 どうやら大丈夫そう(今のところ)。

昼下がり

新聞。ビージーズの一人(モーリス・ギブ)が危篤だそうだ (BBC News)。

夕方

モーリス・ギブ、死んだそうだ(BBC News)。合掌。

夕方、だいぶ遅い昼ごはんを食べる。キムチ、みそ汁その他。

インドでは胎児の性別を調べることは禁止されているそうだが、 Guardian Weeklyによると(Dec 12-18 2002, 29)、 6才以下の男女比は1991年で男子1000対女子945、2001年には1000対927にまで 減っているそうだ。ひどいところでは、1000対820となっており、 深刻な女性不足を生み出しているそうだ。男女差別をしてきたツケと言える。 日本でも同じことが起こるだろうか。いや、すでに起こっているのだろうか。

夜2

ちょっとコタツで寝る。

やっと新聞を読み終わりそう。

夜3

やっとたまっていたGuardian Weeklyに一通り目を通した。

今日の産経朝刊の成人式についての記事に、 「今の時代、『成人』とみなせるのは社会経験を積んできた三十歳前後にまで のびていると思う」というコメントが出ていたが、 自分のことを考えると納得せざるをえない。 ようやくそろそろ社会人になってきたという感じだからなぁ。


13/Jan/2003 (Monday/lundi/Montag)

お昼すぎ

昨晩はビデオ屋でビデオを数本借りたが、 結局DVDでFawlty Towersを観たりして夜遅くまで起きていた。 お昼前に起きて新聞を読む。シャワーを浴びたら昼食を食べに行こう。

お昼は某所でパスタを食べながらサルトルの勉強。 買物をしてから帰宅。 夕方、すこしギターを弾いてから、 うたたたたっとうたた寝する。

夜、また買物。今週は野菜を食べる週間にしよう。今日はニラ、 キャベツを買ってきた。

T・REXのマーク・ボランの片割れ、ミッキー・フィンも死んだようだ。合掌。 しかし最近、英国ロック有名人がどんどん死んでいくな。 人生は短い。しっかり勉強しよう。 今日の天声人語によれば、 「一生は二度とは帰って来ないいのちの一秒だ。 おれはその一秒がいとしい。ただ逃がしてやりたくない」(啄木)だそうだ。

夜2

あれ、イギリス哲学会の報告原稿は2月末までに出さないといけないのか。 国際功利主義学会のペーパーの〆切が3月1日だから、これはたいへんだ。 非常勤が終わって引越しが済んだらすぐに書きはじめないとやばい。

真夜中

晩ごはん。キャベツ、ニラ、玉ネギの野菜炒め、みそ汁、納豆その他。 野菜を食べること。

あ、ひさしぶりに聴くとすごくいいな、ヴァン・モリソンの`Brown Eyed Girl'。 ヤング・ラスカルズもひさしぶりに聴くと良かった。 「ひさしぶり」というのはすごい効果だと思う。 友達もひさしぶりに会うと良いやつだったりするし。 この「ひさしぶり」効果をもう少し研究してみる必要があるかもしれない。


14/Jan/2003 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

サルトルの勉強。

Supergrassの`Seen the Light'。T. REXみたいだ。

夜明け前

サルトルの勉強。よく読むとわからなくなってくるところも多いので、 もっときちんと勉強する必要がある。

お昼すぎ

お昼前に起きて、サルトル。もっと深く勉強する必要あり。

うどん。

昼下がり

大学に来る。今日は奇跡的に余裕を持って授業に行けそうだ。

某授業。ニーチェの続きとサルトル。時間がなくて駆け足になってしまった。 雨だったのでタクシーに乗ろうかと思ったが、 思い直して傘を差して自転車で行った。偉い。これこそ実存的選択だ。 サルトル先生、人類のために選択しました。みんな自転車に乗れ。

明日からまた寒くなるそうだ。冬眠しようかな。


15/Jan/2003 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

昨夜は一昨日と同じような晩ごはんを食べた。 新聞を読んだりしていたら次の日になってしまった。 自分が選択したわけだが。オレは徹底的に自由だっ。 人類を代表して朝食も夕食も選択するぞっ。

医者「たいへん気の毒ですが、彼は自由の刑に処されています」

昼下がり

お昼に電話で起きる。風呂、洗濯、キムチ雑炊。積雪。

米国を批判したらすぐに「反米」、 日本を批判したら「反日」と呼ぶ人がいる。 たとえば米国のいわゆる単独行動主義(unilateralism)を批判したら、 「じゃああなたは反米なんですね」とくる。 まあ批判する方も気をつけなくてはならないが、 そういう単純な「敵か味方か」的思考では健全な国際関係・人間関係は 築けないだろう。 良い友とは相手の長所と欠点を知ったうえで認めあうものであり、 相手の欠点に目をつぶって付き合うものではない。 以上、某産経の記事を読んで思ったこと。

「モラルの崩壊」。その内実は、古い道徳の崩壊であり、 新しい道徳の創造なのかもしれない。

八木秀次氏によると、 住民投票は間接民主主義で議会で多数派を形成できない社会主義勢力の戦略だそうだ。 参加民主主義についてもっとよく勉強する必要がある。マクファーソンと ヘルドをきちんと読むこと。

今日の英語: insularity

島国根性のこと。英国と日本に共通する特徴。 英国と日本では国際感覚については歴史が違うために 圧倒的に彼我の差があると思われるが、 両国民とも外国語が下手という共通点がある。 英国がEUに対して一定の距離を置こうとすることもinsularityの一例として よく指摘される。

形容詞形のinsularは「ひきこもりがちの、孤立した」という意味。 名詞、形容詞ともに否認の含意が伴う。

夕方

降雪。大学に来たら文閲が閉まっていた。 なぜ?

某テストを作成しなければ。

テスト作成中。けっこう時間がかかる。

夜2

某ルネで注文していた本とDVDを受け取る。 そのあと中央食堂で食事。鮭汁、ほうれん草など。

夜3

いちおうできた。後は下宿に戻って某編集委員会の用意を終わらせねば。

真夜中

自転車で下宿に戻ってくる。今夜はかなり冷える。

買ってしまったDVDはナスターシャ・キンスキーの 『恋の病い』。


16/Jan/2003 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

『恋の病い』、つい最後まで見てしまった。し、しびれる。

真夜中2 (午前)

最近の新聞記事。

  1. 機内で隣の肥満女性に押しつぶされた女性、13000ポンド受けとる
  2. 英国の刑法改正案: 二重の危険(Double Jeopardy)の導入、性犯罪の見直し
  3. 英国で毛皮の需要が高まる
  4. 英国でゲイ・カップルが結婚と同様の法的権利を与えられることに
  5. 英国、教育レベルの向上が寛容な社会の形成に貢献
  6. 英国の高等裁判所、「デザイナーベビー」の作成を差し止める
  7. 英国、新規採用の医療従事者にHIVテストを義務化する予定

腹減ったな。しかし明日も早いし、もう寝なければ。

無事に早朝に起きてバスで某大学へ。 時間前にテストをコピーし(奇跡だ)、 無事に一コマ目の試験を終える。

今日の英語: womaniser

女遊びをする人のこと。米語ではwomanizer。 womaniseは「女っぽくなる、女性化する」という意味もあるが、 「女遊びをする」という意味がある。

`Admiral Howe, a gambler, womaniser and playgoer, personified the decadence of the regime.'

ちなみに、womaniseに対応するmanise「男遊びをする」という言葉はない。

お昼

二コマ目も終わった。この授業も今回で終了。 半期だけど英語が教えられておもしろかった。

昼下がり

授業のあと、某師匠とパスタ。ごちそうさまでした。

そのあとバスで大学に来て、文閲で本を借りたりコピーをしたり。 テストの採点もさっそく済ませた。

アルクの英辞郎には `manize'という言葉があるというご指摘をメールでいただく。 手元のCD-ROM版の英辞郎には入ってないから、最近追加されたのだろう。 調べたかぎり、他の辞書には載ってないようだ。政治的公平の配慮からの 新しい造語だろうか、 それとも男遊びする女性が実際に増えてきたという社会的なものだろうか。

昼下がり、某ニューズレター編集委員会。 そのあと、バスで帰宅。

採点関連の手続きを済ませたあと、 クローズアップ現代を見ながらコタツで寝てしまう。 サリドマイドのおもしろい話だったのに。

それにしても部屋が寒い。コタツから一分間外に出たら凍死してしまう。


17/Jan/2003 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

新聞を読んだり、 ホットゾヌの使い方を(今ごろ)覚えたり。

真夜中2 (午前)

もうそろそろ夜が明けるかな。

昨日アマゾンから届いた本。

う〜ん、そろそろ寝ないと風邪を引きそうだ。

もうすぐ震災8周年。黙祷。

早朝

あれ、MP3プレーヤーについて調べてたら朝になってしまった。

腰が痛い。やばいのでもう寝よう。

昼下がり

お昼すぎに起きる。紅茶を飲みながら新聞。

米国政府がアジアの情報規制の厳しい国々(チベット、ベトナム、ラオス、中国) に流しているRadio Free Asia。 北朝鮮への放送を二時間から四時間に拡大するそうだ。 情報で市民を啓蒙し政府を倒そうというもくろみだ。 北朝鮮の人はBBCやRFAを聴いているのだろうか。

ミッキーマウスが20年延命。 1998年に成立した著作権を20年延ばす法律について、 その違憲性を争う裁判が15日に結着したことによる。 これで2023年まではミッキーマウスの版権はウォルトディズニー社が 所有することになったらしい。これって外国も尊重しないといけないの? 日本がアトムやゴジラの版権を100年に延ばす法律を作ってもかまわないという ことなのだろうか。

夕方

あら、朝刊を読んでたらもう夕刊が。

起きてからまだ何も食べてない。腹減った。

夕方、遅刻して某生命倫理勉強会に出席。精神病をわずらっている女性が妊娠 して本人は産みたいと言っているとき、中絶すべきかどうか、 また誰が判断すべきかというような話。

それから某所で某氏とパスタ。いろいろ話す。ごちそうさまでした。

真夜中

あれ、もうこんな時間か。

子宮内膜症、痛そう。低容量ピルでコントロールできるの?

真夜中2

日本子宮内膜症協会サイトを見ろとのこと。さんくす。

こないだ買ったMP3プレーヤーの後継機が出るようだ。 より小さくなり、再生時間が伸びただけでなく、 オレのよりはるかに使いやすくなっているようだ。 しかし、今のもそこそこ気に入っているので、つぶれるまで使うだろう。


18/Jan/2003 (Saturday/samedi/Sonnabend)

夜明け前

電話したり、2chを見たり。レポートの採点をしなければならないのだが、 なかなか着手できず苦しむ。今からやるぞ。

夜明け

すこし採点。腰がやられそうなのでそろそろ寝る。外はどうも雨らしい。

昼下がり

お昼すぎに起きる。レポートの採点。

道徳を下部構造によって説明したり、無意識の働きによって説明したり するのがいかさまっぽく感じるのと同様に、 道徳を功利性によって説明するのをいかさまっぽく感じる人もいるんだろうな。

採点が済んだら生命倫理の勉強をしないと。ビデオも見ないと。

夕方

腹減った。そういえば昨日の夕飯から何も食べてない。

一応採点が終わった。うどん。

朝刊読む。「三重の空中衝突」という見出しで、 「すごいな、三つの飛行機がいっぺんに空中でぶつかったのか」 と思う間もなく、三重県で事故があったことに気付いた。

今日の英語: WMD (weapons of mass destruction)

大量破壊兵器。イラクが持っているらしい。

米国アメリカ方言学会(ADS)が毎年流行語を選んでいるそうだが、 去年の流行語はMNDだったそうだ (産経1月18日夕刊より)。 ちなみにその前年は「9.11」、 その前年は`chad'(大統領選で使われたパンチカード式の投票用紙のこと)。

真夜中

あれ、もうこんな時間。夜ちょっと買物に行った。いちごを買って食べる。

そういえば、昨日か今日の産経抄に、小泉首相がタモリと電話でしゃべって 「え、首相官邸に行ってもいいんですが」とタモリが尋ねると「いいとも」と 首相が答えたという話をつかって、 首相は「靖国参拝していいんですか」と聞かれても 「いいとも」と答えるべきだとかいうようなことが書いてあった。 こういうクダらなさが産経のおもしろいところだ。


19/Jan/2003 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

チャップリンの『独裁者』をビデオで観る。 地球儀の風船を使って踊るところと、 次のブラームスの曲に乗ってヒゲを剃るところ、 そして最後の演説がすごい。ヒンケルは 『オースティンパワーズ』のドクターイーヴルのモデルになってるのかな。 終わり方はちょっとバラ色すぎる気がするが、 まあ他にいい終わり方ができなかったのだろう。A-。

夜明け前

映画のあと、食事。カニ玉、キンピラごぼう、納豆、その他。

生命倫理の勉強をすこし。遺伝子治療の勉強をせねば。

夕暮れ

朝一度起きて、夕方までまた寝てしまう。いかん。

うどん。

エリザベス』をビデオで観る。 宗教的に分裂していた最中に英国女王となり、 危機を乗り越えて一人の女性から「英国と結婚した」 女王となるエリザベス(ケイト・ブランシェット)の話。おもしろい。 こういう英国の歴史についての映画をもっと見ないと、 思想史的に正確な理解は得られないかもしれない。 B-。

真夜中

某イタめし屋で晩ごはん。ひさしぶりにラザニヤを食べた。

今夜は寒い。部屋にいても手がかじかんでキーボードがうまく打てない。


20/Jan/2003 (Monday/lundi/Montag)

真夜中 (午前)

授業の準備をslowlyに実行中。

夜明け前

授業の準備。今日こそはバスで行こう。9時すぎには下宿を出ること。

起きる。ね、眠い。

昼下がり

つかれた。

朝、バスで某大学へ。プリントのコピーを終えて時間ぎりぎりかと思ったら、 20分ほど開始時刻を勘違いしていて、余裕を持って授業に向かうことができた。 奇跡。

授業の内容はトムソンの中絶擁護の議論の検討。 不完全義務と完全義務の話と、 倫理学の議論における類推の役割について話す。 ちょっと時間を過ぎてしまったので反省。 明日は15分前に終わろう。 一日前にレポートを提出する人が多く、いたく感心する。見習うべし。

それからバスに乗って某所に行き、パスタ。 授業のアンケートにもあなどれない意見が多くあり、 勉強になった。

帰り、雨にかなり濡れる。 ちょっと寝たら明日の授業の準備をしなければ。

すこし寝た。『パーフェクト・ストーム』もビデオ屋で借りてきてたんだが、 もう見るのはあきらめよう(テレビ画面もちっちゃいし)。 返却ついでに買物に行き、それから明日の授業の準備をせねば。

引越し先をぼちぼち探し始める。

夜2

某所でタコ焼きを食べながら新聞を読む。貴ノ花引退。おつかれさま。 30才で引退する人もいれば、30才で成人を迎えようとする人もいる。

買物をしてから帰宅。また雨に濡れる。学習能力がない。

BBCラジオを聞いていると、 CDが音飛びして途中でやめてしまう場合がときどきある。 さっきは途中で音楽が止んでしばらくしたあと、 コンピュータのハードディスクが飛んだとか言っていた。 さすがイギリスという感じ。


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Mon Feb 10 15:38:00 JST 2003