2月下旬号 / 3月中旬号 / 最新号

こだまの世界

2002年3月上旬号

ドイツの著作家たちには概して次のような分別が役に立つだろう。 すなわち、できればひとりの偉大な精神のごとく思考すべきだが、 その語る言葉はほかの誰彼と同じものであるべきであるというのがそれだ。 平凡な言葉を使い、非凡な事柄を語れというわけである。

---ショーペンハウアー

「変身は悪いことではないが、自律的な個人の表現とは言い切れない。 本人がそう思っていても、 現代においてそれは必ず資本主義の論理に組み込まれている。 結局、美容産業や化粧品会社、ファッション業界、 そしてメディアが得をしている。 情報や世の中の風潮に踊らされることに警戒した方がいい」

---成実弘至(京都造形芸術大助教授)
(朝日新聞、「東大教授が女装の試み 「顔学会」公開シンポジウム」から)


主な話題


01/Mar/2002 (Friday/vendredi/Freitag)

昨日は一晩中寝てしまった。不覚。

今朝、某ホストファミリーを近くの駅まで送ってきた。 今年か来年に米国を訪れる約束をする。

さて、勉強勉強。やばい。

お昼すぎ

う。コタツで2時間も寝てしまった。

昼下がり

某翻訳がひとまず仕上がった。 今週末は忙しい。来週末も忙しい。

うどんを食べる。

そういえば、某四国の学会は、 ちょっとやむおえぬ事情が重なり、行けなくなりそうだ。 楽しみにしていたのだが。

夕方、学校に行き文閲で本を返したあと、 しばらく中央食堂で勉強。

それから生命倫理学勉強会(出生前スクリーニング)プラス飲み会。

眠いが、明日の勉強会の準備をせねば。

真夜中

あれ、テレビでやってた『シックス・デイ』、途中で終わっちゃったぞ。

あ、また始まった。

経済における病気の比喩

最近比喩に凝っているので、 各紙の社説における経済不振=身体の病の比喩をメモ代わりに記しておく。 そのうち考察するかもしれない。

慢性病に陥っている日本経済に対する処方せんははっきりしている。不良債権 という患部の大手術をすると同時に、税制改革や規制緩和を通じて前向きな需 要を創出していくことだ。その過程では、金融政策も一定の役割を果たしてい く必要がある。そうした総合戦略の実行段階に移らない限りは、いくらその場 しのぎの対策を打っても信用されない。

(日経「社説1 政府・日銀は慢性病退治で協調を」3月1日)

そもそも経済は、あちら立てればこちら立たず式が多いから、意見が分かれる。 ただ血液の循環を妨げている不良債権の処理と、食欲の回復つまり需要喚起が 必要だという点では、そう異論はないようだ。

(朝日新聞《天声人語》 03月01日)

フランス語の勉強は、ちょっと今日は時間がないので、見出しだけ。

Lionel Jospin: "Je pense me tenir plus près de la vérité que d'autres"
リオネル・ジョスパン: 「わたしは自分が他の者たちよりも真面目だと思う」

(from Le Monde)

(se tenir=hold myself as...; plus près=nearer; vérité=grave)

今日の勉強時間…4.5hr


02/Mar/2002 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

あかん、はかどらん。いっぺん寝よ。

朝遅くに起きて、読書会の準備。昼から夕方まで自由主義読書会。

さっき風呂に入った。これから夕食を食べて新聞。

夜2

塩鮭、その他。

Kohärenzkonzeptionen in der analytischen Philosophie
分析哲学における整合性の概念

(from Information Philosophie im Internet)

Der Kohärenzbegriff gewinnt in der Philosophie und den Kognitionswissenschaften immer mehr an Bedeutung.
整合性の概念は、哲学と認知学において、ますます重要性を増している。

Innerhalb der Philosophie tritt er in der Erkenntnistheorie als Wegweiser zur Wahrheit und in der Handlungstheorie als Rationalitätskriterium auf.
哲学においては、この概念は認識論において真理への指標として、 また行為論においては合理性基準として登場する。

In den Kognitionswissenschaften dient er dazu, Plausibilitätsüberlegungen von Menschen zu modellieren.
認知論においては、この概念は、人間の蓋然的思考をモデル化するために用いられる。

Unter "Kohärenz" versteht man dabei zunächst eine Beziehung zwischen Aussagen oder Meinungen:
「整合性」によって、人はまず、複数の言明あるいは複数の意見のあいだの関係 を理解する。

dass sie gut zusammenpassen, d.h. sich nicht widersprechen und sich inferentiell gegenseitig stützen.
それらはうまく対応していなければならない、すなわち、 矛盾していることなく、 互いが推論によって基礎づけられていなければならない。

Daneben bezeichnet man mit "Kohärenz" auch die Eigenschaft ganzer Meinungssysteme und meint damit, dass die Meinungen ein einheitliches System bilden und sich wechselseitig stützen und ergänzen;
同時に人は、「整合性」を用いて、意見のシステム全体の特徴をも記述するのであり、 複数の意見が一貫したシステムを形成しており、 互いに基礎づけあい、全体性を形づくっていることを意味している。

sie ergeben so ein möglichst vollständiges und stimmiges Bild unserer Umwelt.
そこで、それらの意見は、 われわれの環境について、最大限完全で整然とした図を与えるのである。

(an Bedeutung gewinnen 重要性を増す; auftreten=appear; Wegweiser=guide; überlegung=consideration; Meinung=opinion; gegenseitig=each other; stützen=base on; daneben=at the same time; bezeichnen=describe; Eigenschaft=quality; einheitlish=uniform)

真夜中

すこしウトウトしたあと、法哲学の本を読んだり、 ギターを弾いたり。 来週のニューズレター編集会議の準備のために新聞も読まないといけない。

今日の勉強時間…8hr


03/Mar/2002 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

雑用的勉強にいそしむ。

今日こそ掃除機をかけること。絶対。

お昼すぎ

よく寝てしまう。朝5時に起きてRadio 2のジョージ・ハリソン追悼番組を 聞こうと思ったが、あとでアーカイブに入ったときに聞けばいいやと思い、 つい寝続けてしまう。

起きたらAmazon.co.jpからCDが届いていた。

掃除機。絶対。

お昼すぎ2

産経の社説 (「主張 「要らぬ努力」ではないか」3月3日)。保守的で楽しい。

東京都の外郭団体「東京女性財団」が親や教師向けに作った啓発用の冊子「ジェ ンダーチェック」には、「女の子はしとやかに、男の子はたくましく育てる」 「『女のくせに』とか『男のくせに』と叱ることがある」といった設問が並ぶ。 「はい」が多いと、「前世紀の遺物」「生きる化石」などと採点される。東京 では、この「男らしさ」「女らしさ」にまで目くじらを立てる思想が教育現場 に浸透している。

きょう三日は桃の節句。女の子のいる家では、雛(ひな)壇を設けて雛人形を飾 る祝いの日である。女の子は女のたしなみを覚え、女らしく育ってほしい。

「女らしく」と言えばある程度聞こえはいいが、問題は「女らしさ」に どのような項目を含めるかだ。「男の言うことに従う」「従属的な役割に甘んじる」 「仕事で給料が男性より安くても文句を言わない」などをも含めるつもりであれば、 やはり産経は保守反動として糾弾されねばならないだろう。

夕方

北白川まで出て、某マクドで食事をしながら新聞。 ガキどもがうるさくてかなわない。ちゃんとしつけてくれ。

それから買物を済ませて帰宅し、 さきほど掃除機をかけた。真人間。

Attentat-suicide à Jérusalem-ouest
イェルサレム西で自殺テロ

(from Le Monde)

Un attentat-suicide a fait dix morts, dont le kamikaze, et des dizaines d'autres blessées, dont certaines gravement, samedi soir à Jérusalem-ouest, ont indiqué la radio et la télévision publiques israéliennes.
土曜の夜のイェルサレム西での自殺テロは、 犯人を含めて10人の死者を出し、 また重傷者を含めて10数人の負傷者を出した; とラジオとテレビがイスラエル人市民に報道した。

Une petite fille de un an figure parmi les victimes, selon Channel 1, la première chaîne de télévision israélienne.
イスラエルのテレビの主要チャンネルであるチャンネル1によると、 犠牲者の中には一歳ぐらいの赤子(孫?)の姿があった。

Les blessés ont été évacués vers des hôpitaux.
負傷者は現場から避難させられ、病院にかつぎこまれた。

(attentat=attack, bombing; ouest=west; dizaine=about ten; blessée=injured; gravement=serious; soir=evening; fille=daughter; parmi=among; selon=according to; chaîne=channel, chain; été=been; vers=towards)

Warm and Beautiful

とても暖かくて美しい愛
時が流れさっても消えることはない
とても暖かくて美しい愛
けっして消えることはない

愛、信頼、希望は美しい
君の世界が悲しみに包まれても
君には君のものを与えよう
けっして色あせない愛を

日の光を浴びる朝顔が
ぼくらの愛を語り出す
水に映える月の光が
ぼくに永遠の感動をもたらす

とても暖かくて美しい愛
時が流れさっても消えることはない
とても暖かくて美しい愛
けっして消えることはない
けっして消えることはない

Written by Paul McCartney

「ほんとにもう、 ポール・マッカートニーはこんなクサいラブ・ソングしか書けないんだから」

「いいじゃないですか、この歌。 それにラブ・ソングの何が悪いんですか。 わたしはそれを知る必要があります。 なぜなら、わたしはまた歌ってしまうからです。 アーイ・ラーヴ・ユーッ」

「あ、ついにいかれた」

新聞。

夕食。塩鮭その他。

今日の勉強時間…1.5hr


04/Mar/2002 (Monday/lundi/Montag)

真夜中 (午前)

某翻訳の見直しを途中まで。 残りは一度寝てからやろう。

お昼

ぎりぎり午前中に起きた。 なんとか真人間。

O Brother, Where Art Thou?のアルバムを聴いていると、 ストーンズの`Country Honk'や`Love in Vain'を聴きたくなる。 カントリーブルーズもときどき聴くといいな。

Love In Vain

彼女について駅まで行った
スーツケースを抱えて
彼女について駅まで行った
スーツケースを抱えて

このなんとも言えない気持ち
愛してもムダだとわかったとき

電車が駅にやってきて
おれは彼女の目を見つめた
電車が駅にやってきて
おれは彼女の目を見つめた

おれは悲しくて寂しくて
たまらなくなって泣きだした

電車が駅を出発した
二つの光をあとに残して
電車が駅を出発した
二つの光をあとに残して

青い光は彼女のもの
赤い光はおれのこころ

おれの愛はムダだった
おれの愛はムダだった

Traditional

昼下がり

やっと某翻訳が終わった。 今週は忙しいのでさっさと次の仕事に取りかからねば。

夕方

大学に来て事務作業。 生協本部に手続に行くが、研修員になるので出資金はおあずけの様子。残念。 教職員用のTUOカードの申し込みをすること。

学振の書類を書く。明日発送しよう。 また、4月5日までに単位修得認定退学証明書を学振に送ること。

来週中に科研費の書類を書くこと。あ、科研費を使い切らねば。 授業料も払わないと退学できない。

年度末であることに加え、身分が変更になるので、いろいろと面倒。 しかし、手ぬかりなくやらねば。

買物をしてから帰宅。今日からカレーの予定。

ひさしぶりにクローズアップ現代を見る。 動物から伝染るQ熱について。 伝染るとオバケになってしまうらしい。

「またくっだらないことを」

夜2

コタツでちょっと寝てたらあやうく干からびかける。み、みず。

KSK-Soldaten im Kampfeinsatz
特別部隊の兵士、戦闘開始

Taliban- und al-Qaida-Kämpfer geben sich in Afghanistan offenbar noch lange nicht geschlagen.
タリバンとアルカイダの兵士たちは、明らかに、 まだ自分たちがアフガニスタンにおいて負けたことを認めていない。

US-Elitesoldaten wurden auf einem Flughafen angegriffen.
米国の精鋭兵士たちは、空港で攻撃を受けた。

An der jüngsten Offensive der Amerikaner sind auch deutsche Soldaten beteiligt.
米国人による最新の攻撃においては、ドイツ兵士も参加した。

(KSK=Kommando Spezielkräfte; einsatz=action, entry; einsetzen=begin; sich geben geschlagen=consider oneself as beaten; offenbar=obviously, manifestly; noch lange nicht=not yet; beteiligen=participate)

今日の勉強時間…4hr


05/Mar/2002 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

カレーを作り、吐き気がするぐらい食う。食べすぎるのはよくない。

以前に某ミスドでもらったスリッパを履いて階段を降りていたら、 スリップして危うく大惨事になりかけた。二度目。陰謀の気配がする。

真夜中2 (午前)

う。ほんとに気分が悪い。風邪も引きかけてる気がする。

日記の整理

真夜中3 (午前)

Monty Python's Fliegender Zirkusを見てドイツ語の勉強。 そういえば今夜のテレビでは『エリック・ザ・バイキング』がやっているようだ。

お昼

今日もなんとかお昼前に起きる。真人間になれる日も近い。

ネットで注文した本が米国から届く。

アフガニスタンで激しい戦闘が起きているようだ。 イスラエルでもレストランでパレスティナ人が銃を乱射して 数十人の死傷者が出たようだ。合掌。

「合掌じゃないでしょ。こういう事態を目の当たりにして、 きみ自身が何をすべきかを考えるべきじゃないの」

「倫理学者として微力ながらも尽力したいと思います」

「やっぱり無力な倫理学者よりもジャーナリストか政治家になった方が よかったんじゃない?」

「倫理学者は無力じゃないですよ」

「世界平和のために祈るとかは?」

「宗教も倫理学者と同じぐらい無力か、かえって有害ですよ」

「それよりはむしろ、 金持ちになってヨーコ・オノみたいにイマジンの歌詞を街中の看板に 書かせたりした方がいいかもね」

昼下がり

小雨。洗濯をしたあと、コンビニで電話代を振り込み、 ついでに郵便局で学振に書類も出してから、大学へ。

いるはずの人物がいない気がする。

夕方

人を待っているあいだに論文が一本読めそうだ。

夕方2

論文読んだ。ウォルヘイムの`The Limits of State Action'。 非功利主義的な信念あるいは選好に基づく苦痛は、 功利計算に入れなくてよいと主張する論文。 これはたとえば、同性愛を合理的な理由なしに嫌悪している人の苦痛を 功利計算に入れるべきか、という問題。

この問題は以前から自由主義読書会で扱っているテーマの一つだが、 外的選好の話を含めて、 不合理な信念に基づく快苦を計算に入れるかどうか、 よく考える必要がある。論文を書こう。

雨。某ルネで注文していた本を回収してから帰宅。

カレーを食べる。

ちょっと寝るつもりが、コタツで2時間近く寝てしまい、 あやうく干からびそうになる。あれ、これ昨日も書いたな。

真夜中

新聞。カレー。

Didier Schuller accuse les chiraquiens de l'avoir poussé à l'exil
ディディア・シュラー、亡命に圧力をかけたとしてシラク派を批判

(from Le Monde)

Avocat et familier de l'Elysée, Francis Szpiner est mis en cause par l'ancien conseiller général (RPR) des Hauts-de-Seine.
弁護士でエリゼ宮ではお馴染であるフランシス・スピナーは、 オー・ド・セーヌ県の元県会議員(RPR)によって訴訟を起こされた。

(pousser=push; exil=exile; avocat=lawyer; mis (pp. of mettre)=put; cause=case (law suit); ancien=ex-; RPR=Rassemblement pour la République 共和国集合)

ちょっと時間がないのでフランス語は手抜き。しかし、なかなか上達せんな。

今日の勉強時間…2hr


06/Mar/2002 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

雑用的勉強。眠い。

カレー。

昼下がり

寝過ぎ。人生を無駄にしている。

Auf Rache folgt Rache
報復に継ぐ報復

Granaten fliegen vom Gaza-Streifen nach Israel, israelische Hubschrauber nehmen ein Gefängnis und eine Polizeiwache in Nablus unter Beschuss, die Totenzahlen steigen auf beiden Seiten beständig.
グレネード弾がガザ地区からイスラエルに飛び、 イスラエル軍のヘリコプターがナブルスの刑務所と交番を砲撃し、 双方の死者数は絶えず増えていく。

Und das Scharon-Kabinett konzentriert sich weiter auf einen Feind: Jassir Arafat.
そしてシャロン内閣はひき続き一人の敵に焦点を合わせる--ヤサー・アラファトに。

(Rache=revenge; Streifen=strip; Hubschrauber=helicopter; nehmen et unter Beschuss=bombard (Beschiessen=bombard); Gefängnis=prison; steigen=rise; beständig=constantly)

夕方

1分でわかるカント

アナウンサー 「こんにちは。『あなたもわかる! 哲学講座』の時間です。 今週は、カント研究の大家のトンカ教授に、 カントの哲学を1分で説明していただきます。 では、トンカ教授、どうぞ」

トンカ教授「え〜、まず最初にお断りしておく必要があります。 まず1分でカントの哲学を説明することなどどだい無理なことであって、 したがって、今回の説明も非常に切りつめた、 ダイジェストのダイジェストのそのまたダイジェストにならざるを得ません。 そんなことを言ってないでさっさと説明した方が時間の節約になるんじゃないか とおっしゃられる方もいるかもしれませんが、 何も断らずに非常に簡単な説明をすると、カント研究者としてのわたしの能力が 疑われかねませんので、時間がもったいないと思いながらも、 このような前置きをする次第です。 さて、カントは1724年にケーニヒスベルグに生まれ…」

アナウンサー「はい、1分経ちました。いかがでしたか、 カントの哲学がおわかりになったでしょうか。 来週は「1分でわかるヘーゲルの『精神現象学』」をお送りいたします。 なお、最近投書で質問がよく来ますが、 この番組は『プルースト要約選手権』とは無関係です」

1秒以下でわかるベンタム

アナウンサー 「時間が余りましたので、 最後にベンタム説明・日本最短記録保持者のムタンベ教授による ベンタムの解説をしていただきます。 なお、彼がこれまでに打ち立てた最短記録は、コンマ82秒です。 それでは、用意、ドン」

ムタンベ教授「さいだいたすうのさいだいこうふくっ」

アナウンサー「えー、ただいまの記録はコンマ92秒でした。解説のルミ・S・J助教授、 どうですか」

ルミ・S・J助教授「ええ、スタートで少し立ち遅れたようですね」

アナウンサー「それでは、今日はこのくらいで。また来週、ごきげんよう」

明日のニューズレター編集会議の準備。

クローズアップ現代。救命士について。

夜2

ニューズレターの記事がだいたいまとまった。 半日仕事だな。

今日の勉強時間…6hr


07/Mar/2002 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

ちょっと寝てしまう。

カレー食べ終わる。

そういえば、昨日、Philosophy Nowの28号と34号が届いた。 34号が最新号で、28号はおまけらしい。安っぽい雑誌だ。

真夜中2 (午前)

メモメモ。忘れないように書いておこう。 日本の新聞の社説はジンバブエの窮状を取り上げろ、木瓜っ。

真夜中3 (午前)

何もしないうちに夜が更けていく…。 こうやって年を取っていくのかと思うと…。 いかんいかん、そんなことを考えているヒマがあったら勉強しよう。 書を手にせよ。

(新聞ではなく、哲学書を手にせよ)

真夜中4 (午前)

ん、コースガードおもしろいな。 しかしそろそろ寝ないとお肌が…。

お昼前

なんとかお昼前に起きる。

世界初の子宮移植がサウジアラビアで行なわれたそうだ (Guardian: Surgeons hail world's first womb transplant)。 子宮移植よりも代理母の方が簡単な気がするが、 イスラム教では子宮移植は許されても代理母は許されないらしい。

お昼すぎ

日本の主な新聞の今日の社説は、 みな米国の鉄鋼セーフガード発動を非難している。

Zwei weitere deutsche Soldaten tot
さらに二人のドイツ兵が死亡

(from Spiegel)

Bei einem NATO-Manöver in der Ostsee sind am Mittwoch zwei deutsche Soldaten gekentert und gestorben.
バルト海でのNATOの演習で、水曜日、二人のドイツ兵が船の転覆で死亡した。

Zuvor kamen zwei deutsche Soldaten in Kabul bei der Explosion einer geborgenen Rakete ums Leben.
その前には、 カブールの二人のドイツ兵が回収されたミサイルの爆発によって死亡した。

Acht weitere Soldaten wurden zum Teil schwer verletzt.
さらに八人の兵士が身体の一部に重傷を負った。

Der Bundeskanzler sprach sein Mitgefühl aus, sieht aber keinen Anlass für Zweifel an dem deutschen Militäreinsatz.
連邦首相は遺感の意を表明したが、 ドイツの軍事行動について疑念を持つ機会ではないとしている。

(Manöver=exercise; Ostsee=Baltic Sea; kentern=capsize; zuvor=before; geborgenen Rakete=salvaged missile; kommen ums Leben=die; verletzen=injure; aussprechen=express; Anlass=occasion; Militäreinsatz=military operation)

夕方

大学へ。文房具を少し買って科研費を無事に使い切る。 ただし、はみ出した分(本一冊)は自腹で払う必要あり。

FINEニューズレター編集会議。バイト代をいただく。激しく感謝。

明日研究会に使うかもしれないというので、 某教授室(元)を見に行ってみる。本や機器が減ったものの、 ほとんど昔のままだったので懐しさでいっぱいになる。 とくに匂いが懐しい(何の匂いか知らないが)。

背骨が痛い。さいきん姿勢が悪いのかな。

夜2

ラーメン好きな連中に連行され、某所でラーメンを食べることに。

さて、勉強勉強。寝てはいけない。新聞を読んでもいけない。

夜3

半時間ほどウトウトする。

今日の勉強時間…2hr


08/Mar/2002 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

あ、コースガードを読んでいたはずが、 いつの間にかウトウトと新聞を読んでいたっ。

hotwiredの「宇宙人に人類の「利他主義」を伝える」という記事。 なんかようわからんが、 とにかく宇宙人に人間は危険でないことを知らせようという話らしい。

真夜中2 (午前)

勉強しようと思った矢先に、香港の友人から電話。 1時間以上話してしまう。もう眠い…。

お昼

朝起きる。風呂に入ったり洗濯したり。 これから某サン・ジェルマン・デ・プレに行って勉強する予定。

Lingua Frankly / How to write a purpose statement。 留学を考えている人はどうぞ。

昼下がり

某サン・ジェルマン・デ・プレでフィレオフィッシュセットを食べながら、 コースガード。

メタ倫理学勉強会。 コースガード。 彼女は「動機づけが存在しない」という理由から外在的理由を認めないウィリアムズ に対して、 「合理性についてのあなたの見解は矮小だ、 カント的な実践理性によってあなたが動機づけられないとするなら、 それは実践理性がダメなんじゃなくて、あなたが不合理なんだ」 と批判しているようだ。

それから某飲み屋で鍋。 集団における個人の責任について議論。

自己意識が三権分立している人にインタビュー

アナウンサー「こんにちは。『あなたもわかる! 哲学講座』の時間です。 今日は最初に、 先日自己意識が革命を起こして三権分立体制を確立した人にゲストとして 登場していただきます。Q・モンテスさん、こんにちは」

モンテス「こんにちは」

アナウンサー「モンテスさん、あなたの意識は現在三権分立しているそうですね」

モンテス「ええ、そうなんです。 カントの自己立法という考え方によれば、 各人は、自分が自分に対して道徳原則を立法するわけですが、 わたしの頭の中でも、先日までは『立法する王』と『法に従う臣民』 という形で王政が敷かれていました」

アナウンサー「なるほど。わたしの頭の中もそうです」

モンテス「しかし、先日ついにわたしの頭の中で革命が起こりまして、 これにより旧体制は転覆し、今では完全な三権分立体制を確立しました」

アナウンサー「しかし、それは一体どういうことなのですか」

モンテス「ええ、これにより、 たとえば『ビールを飲みたい』という衝動はまず国会で過半数の承認を受けたあと、 立法化されて法となり、この法は内閣以下の行政府によって執行されます。 必要であれば最高裁判所が違憲立法審査権を行使することも可能です」

アナウンサー「なるほど、それは進んだ自己意識体制ですね。 最近問題になっている政・官の癒着についてはどうなんですか」

モンテス「ええ、それについては官僚組織の透明性と責任説明の徹底を図る 必要がありますが、それはまだ今後の課題となっています」

アナウンサー「はい、どうもありがとうございました。 今回のゲストは自己意識が三権分立しているQ・モンテスさんでした。 それでは次に、カント研究者のコースガード教授による新曲、 『だってわたしはあなたの法』ですっ。盛大な拍手をお願いしますっ」

だってわたしはあなたの法

わたしがあなたの名前を呼んだなら
あなたは歩みを止める
(もしあなたがわたしを愛してるなら
あなたは走ってわたしのもとにやってくる)

もうあなたはそれまでのようには歩けない
たしかに歩けはするけれど
それまでのようには歩けない
だってあなたがそのまま立ち去るのなら
わたしを無視してバカにすることになるもの

それはあなたにとってはむずかしいことだから
きっとあなたには逆らう力が必要でしょう
だけどなぜあなたは逆らわなくちゃならないの?
なぜならそれは…

(コーラス)
わたしがあなたの法だから
あなたの名前を呼ぶことで
わたしはあなたを義務づけたから
わたしはあなたに理由を…(理由を…)
歩みを止める理由を与えたから

だってわたしはあなたの法だから
だってわたしはあなたの法だから

アナウンサー「はいっ。コースガード教授による新曲、 『だってわたしはあなたの法』でしたっ。盛大な拍手をお願いしますっ。 ハーバード大学のコースガード教授でしたっ」

「アナウンサーっ。 クレームつけられるから存命中の哲学者をこの番組に登場させちゃ だめだって言っただろっ。 カントとかベンタムとか死んだやつだけをネタに使えっ」

アナウンサー「ノージックとかヘアとかは大丈夫ですか」

「最近死んだやつも知り合いや研究者からクレームをつけられる可能性があるからやめとけっ」

真夜中

自宅のコンピュータが不気味なノイズを立て始めた。ついに寿命か。 5月末ぐらいまではもって欲しいのだが。

今日の勉強時間…5.5hr


09/Mar/2002 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

死ぬ。寝よう。

真夜中2 (午前)

あれ、寝つけない。

夜明け前

えんえんとモンティパイソンのドキュメンタリーや30周年記念番組などを見る。 眠い。今度こそもう寝よう。

お昼すぎ

さっき起きた。さて、研究会に行かねば。

研究会に出てきた。 マルサス、グレイの自由主義論。

研究会のあと、横浜の某氏と岡山の某氏と一緒に食事。カキフライ定食。 いろいろと有益な情報を提供していただく。感謝。

「ところで、J-P・サルトルとJ・R・サールって親戚でしょうか」

「ばが言え」

「つまらんこと言ってないで先へ進め、先へ」

真夜中

すこし寝てから、新聞を読む。そういえば昨日は語学をやるのを忘れていた。

Israël-Palestine: l'urgence
イスラエル-パレスティナ: 切迫

(from Le Monde)

Alors que George W. Bush a annoncé jeudi soir que les Etats-Unis renvoyaient leur émissaire au Proche-Orient, le général en retraite des marines Anthony Zinni, les violences ne cessent de s'intensifier entre Israeliéns et Palestiniens.
ジョージ・W・ブッシュが木曜日の夜に、 米国は近東への密使--海軍退役将校のアンソニー・ジニー--を 送り戻すと発表したにもかかわらず、 イスラエル人とパレスティナ人のあいだの暴力は激化することをやめない。

Les dernières 24 heures ont été les plus sanglantes depuis quatorze ans, avec 46 morts.
この24時間で、46人が死亡し、最近14年間でもっとも血なまぐさいものとなった。

Les Palestiniens demandent une intervention internationale urgente.
パレスティナ人たちは、緊急の国際介入を要求している。

Ariel Sharon a affirmé pour la première fois, vendredi, que les "négociations sur un cessez-le-feu" pourraient avoir lieu "sous le feu".
アリエル・シャロンは金曜日に初めて認めた; 「戦火のせいで」「停戦についての話し合い」を行なう機会が失なわれていることを。

(alors que=although; renvoyer=throwback; Proche-Orient=the Near East; en retraite=retired; entre=between; sanglante=bloody; depuis=since; quatorze=fourteen; pour la première fois=for the first time; cessez-le-feu=cease-fire; pourrir=spoil; avoir lieu=take place; sous=under, due to)

今日の勉強時間…4.5hr


10/Mar/2002 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

ひさしぶりにCSY&NのCDを聴く。 ベトナム戦争時代の癒し系の音楽という感じか。

真夜中2 (午前)

雑用的にいろいろ本を読みながら勉強。もう寝よう。

夜明け

モンティ・パイソンを全部(DVD7+2枚)見終わる。 たいへんおもしろかった。

さて。寝よう。

夕方

昼下がりに起きる。いかん。今夜から再び真人間に戻る努力をしよう。

某サン・ジェルマン・デ・プレに行って新聞を読もうと思っていたのだが、 ネットで新聞を読んだあと、さらにコタツで2時間ほど寝てしまう。 なんてことだ。

Neue Selbstmord-anschläge - Im Gegenzug Arafats Amtssitz zerstört
新たな自殺テロ行為--報復としてアラファトの議長府が破壊される

(from Spiegel)

Zweimal binnen zwei Stunden schlugen palästinensische Terroristen zu.
パレスティナ人によるテロが二時間のうちに二回起きた。

In einem israelischen Badeort wurden über 30 Personen durch Schüsse verletzt, in Jerusalem explodierte ein Sprengsatz in einem Cafë.
あるイスラエルの湯治場で30人以上の人が銃撃によってケガをし、 イェルサレムではある喫茶店で爆薬が爆発した。

Dort starben mindestens 11 Menschen.
そこで少なくとも11人が死亡した。

Israels Luftwaffe zerstörte daraufhin den Amtssitz von Palästinenser-Präsident Arafat.
その結果、イスラエル空軍がパレスティナ議長のアラファトの議長府を破壊した。

(anschläge=attack (Anschlag); Gegenzug=counterattack; Amtssitz=official place; binnen=within; zuschlagen=attack; Badeort=bathplace; Schuß=shot (schießen); verletzen=injure; Sprengsatz=bomb; mindest=least; Luftwaffe=airforce; daraufhin=consequently)

真夜中

テレビでやっている『エントラップメント』を観る。 この映画のキャサリン・ゼータ・ジョーンズはたしかにきれいだな。 演技はいまいちだが。C+

腹減った。

今日の勉強時間…4.5hr


何か一言

your name:

subject:

body:

/


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Thu Mar 21 04:14:46 2002