7月中旬号 / 8月上旬号 / 最新号

こだまの世界

2001年7月下旬号

たいていの道徳家は--宗教的信念を持っている道徳家なら明らかにその全員が--、 生徒たちは学校で「価値観を教えこまれる」べきだと考えているが、 しかし彼らの意図は、 科学や歴史や他の学問がどういう含意を持つかについて生徒が そうした価値観を用いて思考できるようにする、というのではなく、 生徒が彼ら(道徳家)の容認する仕方で行動するようにしむける、 ということにある。 だが、倫理について考えられるよう人々を教育する主眼は、 ある党派的な諸原則を彼らに押し付けるというのではなく、 彼らの批判的な思考能力を高め、 起こりうることと選択肢を彼らに教えることにより 彼らが自分で思考できるようにすることにある。

---A C Grayling

"As they always say - if you're white and play the blues, you're black once. If you're black and you play the blues, you're black twice."

---BB King


主な話題


21/Jul/2001 (Saturday/samedi/Sonnabend)

半日寝てしまう。新聞を買いに出かけた以外は外出せず。

オースティン、ケルゼンの勉強。はかどらず。

あいかわらずciceroにログインできない。

プラトン『パイドン』のソクラテスが死ぬ部分を読み、涙する。 そのうち訳してみよう。


22/Jul/2001 (Sunday/dimanche/Sonntag)

散歩がてら、Exmouth MarketとChapel Marketに行ってみる。 Chapel Marketは2時ごろに行ったらすでに終わりかけていたので、 来週末にもう一度行ってみよう。 下の本はExmouth Marketにあった古本屋で買った。

勉強はかどらず。夜中になんとかケルゼンの勉強をすませるが、 試験では回答しない方が無難だ。

法哲学の勉強がつまらないのは、 テキストがつまらないのか、単に関心がないのか。 まあもうすこしがんばってみよう。


23/Jul/2001 (Monday/lundi/Montag)

早起きして図書館に来る。 ようやくciceroにつながった。

日記の整理

お昼すぎ

午前はメイルを整理したり新聞を読んだりして終わってしまう。

明石の歩道橋の事故

明石の歩道橋の事故について。 まず死んだ人々に合掌。 怪我をした人もお気の毒です。

と前置きをしておいて、本題に入る。 どの新聞の社説も口をそろえて市と警察の無策を非難しているが (そしてそのように非難することは重要なことなのだが)、 もうすこし何か違うことは言えないのだろうか。

たとえば---

まあ去年のノッティングヒルカーニバルでも人が何人か死んだようだし、 大規模な祭はそもそも危険なものである。 警備の甘さを非難すると同時に、 個々人の甘い認識を批判する社説があってもいいのではないか。


24/Jul/2001 (Tuesday/mardi/Dienstag)

お昼

昨日は勉強はかどらず。ハート。

昨日イズリントンに戻るまえに、某所で古本を購入。

夜中、思い立ってヒゲを剃る。 イタリアに行く前から剃っていなかったので、 一ヶ月以上ヒゲ男だったことになる。 ヒゲを剃ったらすこし若返った(気がする)。

昼下がり

大学に来て、某ノルウェー人と昼食。 ロールズとか、インドとか、捕鯨などについて話す。


25/Jul/2001 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

昨日の夕方、某教授に会ってすこし話をする。 法哲学の試験の直前に再び会う予定。

そのあと、寮に戻り、 去年夏に語学の勉強をしているときに同じフラットに住んでいた某日本人の方と 一緒に寮食を食べる。某香港人にも会う。

それからバスに乗ってイズリントンに戻る。 しかし夜はほとんど勉強できずに寝てしまう。う〜ん、やばい。


今日はお昼ごろに起きだす。散歩がてら付近を歩いていたら、 アーセナルのスタジアムを発見する。 強い日差しを浴びながらてくてくと歩いていたら、 フィンズベリー公園駅前まで行ってしまう。

夕方から勉強。ハート(HLA Hart)、ラズ。


26/Jul/2001 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

昼下がり

お昼すぎに起きる。

炊飯器がなくてもご飯が炊けるようになったので、 Quornというキノコから作られた代理食品を用いて、 親子丼を作ってみる(2回目)。なかなかいける。

米国を訴えろっ

「かつて洪水や地震などの天災は神の仕業と考えられましたが、 今日では京都議定書を承認しなかった米国の仕業だと考えられています。

「そこで、The Guardianの`Global warming: sue the US now' (25/Jul/2001) でも主張されているように、環境温暖化でとくに大きな被害を受けている バングラデシュなどの発展途上国は、 米国を相手どって国際訴訟を起こすべきだと言えます。

「相手が超大国だからといって恐れてはいけません。 ミロシュヴィッチなどの元大統領がハーグ国連裁判所で戦争責任を問われる 今日においては、超大国と言えども国際法の裁きから逃れることはできません。

「いますぐ米国を訴えて、巨大な賠償金を勝ちとろうではありませんか」

真夜中

夜、近所を散歩したら道に迷う。 なんとか自力でフラットに戻る。

勉強はかどらず。やばい。


27/Jul/2001 (Friday/jeudi/Donnerstag)

昼下がり

あ、暑い。26度で、しかも湿度が高い。 図書館に一時間いるとティーシャツが汗だくになってしまった。

日本にいたら26度なんて序の口な訳だが、 一つはおれが英国の涼しい気候になれてしまったのと、 もう一つはこちらにはほとんど「冷房」という発想がないため (こちらでは地下鉄にもバスにもタクシーにも冷房設備がない)、 建物や乗り物に入るとかなりの気温になるのだ。 あれ、あまりの暑さに日本語までおかしくなってきた。


昨夜は自然法の勉強をすこししてから寝てしまう。 ぜんぜん勉強がはかどらない。いったいどうなってるのか。

昼下がりにフラットを(ふらっと)出て、図書館に来る。


28/Jul/2001 (Saturday/samedi/Sonnabend)

お昼

昨夜は某香港人、某マレーシア人の寮にお邪魔して、 夕食を作って一緒に食べる。 某シンガポール人、某日本人、某中国人も参加。

スパゲティ(ペペロンチーノ)を作ったら、 買ってきた唐辛子が猛烈に辛くて死にそうになる(produced in Thailand)。 しかも料理中に唐辛子の種を触った手で涙目をこすってしまい、 皆がキッチンで談笑しているあいだ、 一人洗面所で泣きながら顔を洗うはめになる。

というわけで昨日も勉強できず。やばい。


今朝は早起きする。

夕方

新聞を読んでからお昼を食べたあと、昼寝してしまう。 いかんいかんいかん。

「限られた知性と弱い意志」(ハート)


29/Jul/2001 (Sunday/dimanche/Sonntag)

昼下がり

昨夜はカムデンタウンに行き、 昨年夏の語学の勉強のときに一緒だった日本人の方々とスペイン料理を食べた。 元気そうでなにより。

引き続き自然法の勉強。ハート、フラーとか。


今朝は午前中に起きて、エンジェルまででかけてきた。 本屋に立寄って買物。

夕方

天気がいいので、昼下がりからピカデリーサーカスに行き、 ひさしぶりにトラファルガー広場やバッキンガム宮殿などを散歩してきた。 今週末は華氏90度(32度)の大台に乗ったとのこと。

奴隷制度の補償問題

8月末に南アフリカで国連人種差別会議があるそうだが、 米国が出席しないともめているようだ。 その原因の一つは、 過去の奴隷売買の補償についての議論を避けたいからだそうだが、 議論を避けるために出席を拒むというのはいかがなものか。

「いやいや、『いかがなものか』じゃない、はっきり言わないと。 『卑怯だ』だろう」

米国の公式見解は、「過去の奴隷売買はけっして名誉になることではないが、 多くの国がやっていたことであり、 今日ではもはや責任を追及することはできない」だそうだが、 多くの国がやっていたという理由は奴隷売買を正当化するには不十分だし、 被害者のアフリカ諸国の中には 今日においてもまだ奴隷制の余波が残っていると主張する国がある以上、 加害者側が責任追及はできないと単純に言い張ることはできないだろう。

「日本が『第二次世界大戦中の虐殺やレイプはけっして名誉になることではないが、 多くの国がやっていたことであり、今日ではもはや責任を追及することはできない』 なんて声明を出すと世界中から総すかんを食うだろうに、 どうして米国はこういうことを言っても許されるんでしょうね」

「そりゃ米国が大国だからだろう。しかしまあ大国といっても、 米国はヨーロッパではすでにかなり批判されているわけだし、 このままブッシュ政権が国際世論を無視しつづけていると、 そのうち村八分にされるんじゃないの」

「しかし、村八分にされても平気な顔をしてそうですよね」

「そこが国際道徳の難しいところだよな。 ハートやホッブズなんかが言うように、 各人を平等に取り扱う道徳や法が成り立つ条件の中には 『人間はみな知力と体力においてだいたい平等である』 という前提があると考えられるわけだが、 国際道徳だとこの前提がかなり危ういわけでさ。 ジャイアンのように力がある国が無理を通せちゃうんだよね。 まあ他の国が力を合わせれば米国と言えども 完全に無視するわけにはいかないだろうけど、 他の国も利益がばらばらだから、 なかなかうまく行かないし」

「そう考えると、 こないだのボン環境会議の決議はかなり有意義だったようですね。 ちゃんと米国を批判することができたんじゃないですか」

「と、まあヨーロッパ諸国は考えているみたいだけど、 どうなのかな。 米国のメディアはあんまり注目してなかったみたいだしね」


30/Jul/2001 (Monday/lundi/Montag)

お昼に起きる。ぼうっとしていたら夜になってしまう。フィニスの自然法。

ジョン・クリーズの『フォルティ・タワーズ』のビデオがあったので、 つい見てしまう。けっこう笑えるが、革新的なジョークは少ない。


何か一言

your name:

subject:

body:

/


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Jul 28 07:37:42 2000