With these preachers of equality will I not be mixed up and confounded. For thus speaketh justice unto me: "Men are not equal."
THUS SPAKE ZARATHUSTRA
BY FRIEDRICH NIETZSCHE
「お父さま、お母さま、娘さんを嫁にいただけますまいか」
「うむ、よかろう。ただし、 この結婚によって社会の底辺にいる人々の暮らしがよりよくなるならの話だ」
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「パパー。プレイステーション2買ってー」
「そうだなあ。 社会の底辺にいる人々の暮らしがよりよくなるなら買ってやってもいいけど」
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「先生、やっぱり京大じゃなくて東大を受けたいんですけど」
「そしたら社会の底辺にいる人々の暮らしがよりよくなるのか?」
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「…だいぶ煮詰まってきたようだな」
「人権は普遍的なものですよね。 それなのになんでぼくらは移住の自由が制限されているんでしょう」
「いや、きみはどこにでも住めるだろう」
「日本の中なら、でしょう。 しかし、ぼくはなんらかの資格がなければ米国や英国には引越せません。 これっておかしくないですか」
「そんなのあたりまえだろう。だれでも米国に引越せるなら、 米国は発展途上国からの人間で溢れてしまい、 生活水準が下がってしまうにちがいない」
「それとまったく同じ議論が欧州連合の拡大に際しても使われてるんですよね。 ポーランドやハンガリーやチェコといった東欧諸国が2005年あたりに欧州連合に 編入される予定ですが、7年間は移住の自由が制限されるらしいです。 とくにドイツやオーストリアがこの制限を主張しているそうで。 (`EU to hold back tide of workers from the east', The Guardian, 12/Apr/2001) 結局のところ、経済的な理由によって自由が制限されているわけで。 ロールズならlexical priorityが守られていないと怒るのではないでしょうか」
「まあ当然といえば当然だろう。 もともと経済的な協力が目的の一つなんだから、 経済が破綻することになったら意味がないだろうし。 極度に貧しい国と豊かな国を一つにするというのは、 でかい氷を風呂の中に入れるようなもので。 氷が溶けてから風呂にまぜようというのは穏当な意見だろう」
「ええ、それに、いきなり移住の自由を認めると、 東欧諸国から頭脳流出が起こるので、 権利の制限は東欧諸国のためでもあるという議論もあります」
「それも一理あるじゃないか」
「しかし、問題はなぜ移住の自由が国家を超え出ないのか、 ということです。なぜなんでしょう」
「それは権利はそれぞれの国家によって保証されていて、 日本人の移住の自由は日本国家の権力がとどくところまでしか及ばないからだろう。 あたりまえの話だ」
「われわれはまだ普遍的な権利を勝ち取るまではいたっていないわけですね」
一日中勉強していた気がする。
先日購入したケンブリッジのCD-ROM版辞書は検索がやりやすくて重宝しているが (ただし同義語が調べにくいのが難)、メモリをやたらに食うので困る。 仕様を見ると最低16MBあれば動くと書いてあるのだが。 相性が悪いのだろうか。
なかなかエッセイの勉強が捗らなくて困っているが、 夜に友人に誘われてバービカン・センターに行き映画を観た。 台湾・日本共同製作のA One and A Twoという映画。
結婚、誕生、恋愛、葬式すべてそろっている、 台北の普通の家族の日常がわかる映画(だと思う)。 こないだのThe Last Resortもリアルだったが、 今回の映画はリアルというよりあまりに見なれたありふれた風景だったので、 長いせいもあって退屈した。 よく言えば繊細、悪く言えば起伏に乏しい内容。C。
「若者の恋愛の仕方が日本とそっくりなので驚きました。 まあ台湾は日本の隣の国ですから当然と言えば当然ですけど」
「どういうところがそうなの」
「え。たとえばですね、はじめて映画に行くときに、 交差点で待っているときに手をつないだり、 陸橋の下でキスをしたり、 ラブ・ホテルに入って彼氏が途中で逃げだしたり…」
「最近の日本の若者はそういうことしないんじゃないの。 ちゃんと研究した方がいいかもよ」
「そですね。いや、そんなことよりエッセイ書かないと」
今日はイースター。新聞によれば、 英国人の半分はイースターが何の日なのか知らないそうだ (キリストが墓から出てきた日。 グッド・フライデーはキリストが十字架にはりつけられた日)。 明日はバンク・ホリデー(国民の祝日)。
エッセイを書きだしたが、途中で止まってしまった。やばい。 Writer's block?
マイルス・デイヴィスの生涯を描いたドキュメンタリー(後編) がテレビでやっていたので観る。 そのあと、 ディケンズのThe Life and Adventure of Nicholas Nickleby の後編がやっていたのでそれも観る。
〆切が近いので、今週は土曜日以外新聞を買わないこと。
おそろしいことにまだ一本目のエッセイが書けていない。 「死にたい」という言葉を口にしそうになるが、 悲観的な考え方をしてもはじまらないので、 やめておく。死なない、死なない。
「それはきみの人生がまだまだ楽勝なものだからだよ。 もっと悲惨な人生を送らないと『死にたい』とは言えんよ」
「いや、では今後どんな苦境に陥ろうと、 『死にたい』その他の言葉は口にしないと誓いましょう」
「ガン末期で猛烈な苦痛に見舞われても? 指の先を順々にペンチで潰される拷問を受けても?」
「う。そういう自分の選択によらない苦境はちょっとあれですが、 とにかく簡単には『死にたい』と言わないようにします」
「ひよったな」
ついアマゾンに注文してしまった。
などと感心している場合ではない。なんとか書かねば。あ、もう次の日になる。
「一本目のエッセイはようやくめどが立ったので、 今夜中に決死の覚悟で書き上げるつもりです」 [決死の覚悟で勉強中の姿]
「まだもう一本あるんだろう。 〆切まであと4日しかないのに。 いつまで立っても成長せんな」
「今回はちょっと手を広げすぎたというか。 まあ現代の平等主義論の全体像を理解するためには よかったんですけど」
「何をえらそうなことを。 あと最低10本はエッセイを書かないと全体像を理解するには いたらんだろう」
「そですね。修業します」
amazon.co.ukから届いた本。
お昼に散歩に出たときに買った本。
今日のお昼すぎにようやくエッセイが一本かたちになった。 もう一本のエッセイは、 今日1000字、明日1000字、日曜に1000字書くとできる計算になる。 こっちは一度(ベンタムの授業で)発表をしているから、 なんとかなるはず。
昨日ようやく、 The Philosophers' Magazineのバックナンバー(11, 12)が届く。 1-10までが収録されたCD-ROMは遅れて届くとのこと。 おまけ的な本も一冊付いてきた。