ヒュームの法則

(ひゅーむの法則 hume's law)

In every system ... which I have hitherto met with, I have always remark'd, that the author proceeds for some time in the ordinary way of reasoning ... when of a sudden I am surpriz'd to find, that instead of the usual copulations of propositions, is and is not, I meet with no proposition that is not connected with an ought, or an ought not. This change is imperceptible, but it is, however, of the last consequence. For as this ought, or ought not, expresses some relation or affirmation, `tis necessary that it should be observ'd and explain'd; and at the same time that a reason should be given, for what seems altogether inconceivable, how this new relation can be a deduction from others, which are entirely different from it.

---Hume


ヒュームに帰せられる、 「〜である」から「〜べきである」は導き出せないという主張のこと。 「ヒュームのフォーム」「ヒュームのギロチン」、 `No Ought from Is'というスローガンで表現されることもある。

ヒュームが上でも書いているように、 「〜は自然である」「〜は不自然である」といった主張によって、 「だから〜をすべきである、すべきでない」 と続けて主張(あるいは含意)されることがしばしばあるが、 ヒュームによればこれは間違った推論である。 何かが自然であるとか不自然であるということのみからは決して「〜すべきだ、 すべきでない」という結論を導き出せない。 この点については自然の項目を参照せよ。

また、自然主義的誤謬の項も参照せよ。

なお、ヒュームは、学生のレポートによく見られる「だ・である」調から 「です・ます」調への問題のある移行についてもつとに指摘しており、 今日ではこれは「ヒュームの第二法則」として知られている。

28/Jan/2004; 29/Jun/2016; 12/Aug/2017追記


参考文献


上の引用は以下の著作から。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Sat Aug 12 21:45:12 JST 2017