分析判断

(ぶんせきはんだん analytic judgment)

「娘は悪いことさえしなければ良い子なのだが」

「独身者は妻を持っていない」というような、 主語の意味に述語の内容が含まれているような文(命題)のこと。 「背の高い男性は男性である」や「等辺三角形は三角形である」 なども分析判断である。 つまり、主語を分析すると述語が出てくるわけである。 これとは反対に、 総合判断とは主語の意味に述語の内容が含まれていない文のことである。 「火曜日は雨だった」とか「ナポレオンは偉大な将軍であった」 などが総合判断である。

このような区別を明確な形で述べたのはカントであるが、 カントによれば、経験的な判断はすべて総合判断であるが、 すべての総合判断が経験的な判断であるのではなく、 アプリオリな総合判断が存在する。 しかし話が難しくなってきたのでまた今度。

07/26/99

こないだ烏丸御池の公衆トイレのそばを通ったら、 「公衆トイレはみんなのものです」という放送がかかっていた。 これも分析判断の一例と言えよう。

18/Oct/2002追記


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Thu Nov 29 23:56:16 JST 2012