栄養士への質問への回答 Q18 ケトン食を始める際に主治医からケトンフォーミュラを使うように言われましたが、ケトンフォーミュラって何ですか。
A18 株式会社明治が製造しているケトン食療法用の特殊ミルクです。それ自体がケトン指数31の組成になっていますので、乳幼児の場合は、ケトンフォーミュラ10gに対してお湯100ccの割合で溶かして飲ませることでケトン食となります。
乳幼児以外の場合にも、ケトンフォーミュラには多量のケトン体を作り出す中鎖脂肪酸(MCT)が主成分として含まれていること、ビタミン類、カルシウムなどの様々な栄養素が含まれていることからケトン食の献立作成や栄養確保に便利です。


Q19 ケトン食は栄養が足りているのですか。
A19 栄養が多く含まれているケトンフォーミュラを様々な献立に使うことで、従来の生クリーム中心のケトン食と違い、主な栄養素は充足されます。ただし、食物繊維や微量栄養素の一部は不足傾向になる場合があります。不足している栄養素は、主治医と相談のうえ、栄養剤を処方してもらいます。

【体験談】
 野菜は糖質を含むのでたくさん使うことができず、食物繊維が常に不足します。便秘気味になったら、レタスやきゅうりなどの糖質が少ない野菜をたくさん使うと翌日の便通は良くなります。


Q20 変換表に載っていない食品を使いたいのですが、どうすれば良いですか。
A20 食品成分表を使って、食品の変換に必要な主成分が基本の食品と同じ分量になるように計算して、基本食品との変換できる数量を計算します。

【具体例】
 きゃべつ20gをモロヘイヤに変換したい場合は、きゃべつ20gの変換に必要な主成分である糖質(炭水化物)が1gですので、モロヘイヤの糖質が1g程度になる重量を計算します。モロヘイヤ15gの糖質が0.95gですので、きゃべつ20g⇔モロヘイヤ15gの変換が可能となります。


Q21 子供が市販のおやつを少しでもいいから食べたいと言います。どうすれば良いでしょうか。
A21 ケトン食を実施している間は、原則的にはお菓子、果物、ジュースなどを与えることは避けた方がよいのですが、どうしてもという場合は、お菓子の種類、量、ケトン指数を高める食品との組み合わせに気をつけることで少しなら食べることができます。

【スナック菓子】
 ビスケットやチョコ菓子などは原則食べられませんが、塩、しょうゆ系の味付けがされたスナック菓子5g程度なら、生クリームで作ったアイスクリームやケトンクッキーなどとの組み合わせで食べることができます。

【ジュース】
 ジュースは100ml中の糖質が3g未満のものであれば、ケトン食に影響しにくいため、1100cc150cc程度なら飲んでもかまいません。


Q22 子供がペースト食でケトン食を実施しています。とろみ剤には糖質が多く含まれており、料理にとろみをつけるコツを教えてください。
A22 先ず肉、魚、野菜等の固形物についてはミキサーにかけ、出来る限り水分を絞り、水気の代わりに油を加えることで料理にとろみがつきます。
油の代わりに豆腐や玉子を混ぜ込んで使うこともできます。
生クリームをホイップして、ミキサーにかけたパンケーキやフルーツ等と混ぜることでとろみがつきます。
汁物等水気の多いものは、だし汁に玉子を加えて蒸すことで茶碗蒸しにしたり、ゼラチンを使ってゼリー状にするとペースト状になります。
最近は、「オオバコの種皮」や「マトメアップPlus(日清オイリオグループ梶j」を使う方が増えているようです。